2025年も残りわずか。この時期にベストディスクについて考えることは今年を振り返ることにもなる良い機会ですよね。好きだった一枚ずつを調べる度に、ハマっていた時期の出来事や感情が蘇って来る。ゆらゆら帝国の『ボタンが一つ』の歌詞に出てくる”感情発火装置”というワードが脳裏に浮かびます。関係ないですが。ただ、音楽にはそのような側面がありますよね。
とはいえベストディスクと言いつつ、一枚に絞るのも勿体ないので、今年特に聴いていて楽しかったジャンルを書いてみようと思います。そのジャンルとは即ちロック。そのなかでもシューゲイズでした。

まずは、フィラデルフィア出身で、現行のシューゲイズ・シーンを牽引するThey Are Gutting A Body Of Waterによるニューアルバム。ドラムンベースやグリッジ、NINTENDO 64のサウンドトラックのような音をライブで合わせる等、エクスペリメンタルの要素が重なっていくのが彼らの持ち味。しかし、以前のブログでも書いた通り、そもそも何層にも重なった爆音ギターのフィードバックノイズにウィスパーなボーカルの組み合わせを成立させてしまったり、別の楽曲のドラム音源を無理矢理繋ぎ合せたりと、シューゲイズというジャンル自体、当時は画期的だったので寧ろ本流を進んでいるように個人的には思ってしまいます。とはいえ今作では、上述のようなデジタルな要素との組み合わせを排し、直球のギターリフを炸裂させています。それが気持ち良いんです。

続いて同郷のバンド、Her New Knifeもオススメです。シューゲイズからポストパンク、スロウコアも繋ぎ合せたサウンドを披露。こちらはもう少し退廃的な美しさに魅了されますね。彼らを聴いていると、シューゲイズのシーンもまた一歩変化を見せているように思います。ノイジーなギターとウィスパーなボーカルは従来と変わりないのですが、フワッとしたドリーミーな残響よりも、かっこ良いリフで引っ張っていくような印象があります。ノイズの出し方も様々で、まさに上述のHer New Knifeは曲によってインダストリアルな音を出しています。

もう一つ当店でも販売しているWednesdayも必聴です。カントリーやスラッカーを想わせる穏やかな演奏(しかも超上手い)から、一気に激しいギターノイズで曲調が切り替わるのですが、1曲まるごとシューゲイズのスタイルをやるわけではないところが今っぽいなと思ってしまいます。
そもそも彼らは好きなものを好きなように表現しているのに過ぎないでしょうから、シューゲイズと一括りにしてしまうこと自体に意味はないかもしれません。とはいえ、先人のスタイルを吸収し、自分達のセンスや時代感を通して再解釈させていく歴史的な繋がりというのは尊いものですね。
























