ご機嫌いかがでしょうか、立川店の新井です。
まず銀座じゃないのが新鮮です。そして場所は変われどブレザースタイルは変わらずです。皆さんが一目見てビックリするホワイトウールギャバのメタルボタンブレザージャケット。どうやら本日はヅカスタイルのエレガント接客で頑張れそうです。

始まってますダブルポイントキャンペーン。いつもの2倍ポイント還元が付くのですから、そんな時はそれこそ値下げにならない普遍的アイテムを狙って欲しいですね。
立川ドレスフロアでお勧め何かと聞かれれば、猛プッシュ中のBarbourですかね。今期も絶好調。売れ行きも初動はいつもの3倍速の勢いで空前Barbourブームが感じられます。今回は特にシェイプメモリー素材とピーチスキンコットン素材での人気モデルが目白押し。

このブランドでしか成し得ないデザイン。ストーリー性。そして日本人とかイタリア人のファッション趣向としては必ず垣間見える英国への憧れという要素も人気の要因と言える筈。
それだけ普遍的なデザインでこのブランドでしか味わえない魅力ってのが有るんです、不思議なんですが。ファストファッションを中心にノンオイルドシェルで類似のアウターはここ最近非常に多く見かける様になってきました。でもそれらって本物が醸し出す英国特有の重厚感というか細部パーツまで感じるこだわり抜かれた歴史ある縫製仕様の妙みたいな所が一目瞭然。
やはりBarbourでしか出せないムードが有るんですよね。それにこだわって近づければ近づける程にプライスはBarbourに寄ってしまう訳で。ならやっぱり本物買えば良いんじゃない?ってなるんですよね。
更にその熱に拍車をかけるのが今年2月からの日本国内の代理店による直営店Barbourショップ及びオンラインショップの一斉閉店。ユーザー達からは今後どうなっちゃうの?とか次シーズンからはセレクトショップお得意のセンスを活かした別注企画が無くなるんじゃないの?という噂が飛び交い、今後のプレミア感を予想する愛好家の皆さんや新規で参入するBarbour新規様需要が入り混じり空前の売れ行きとなってきてる様です。
すみません、私はその流れを感じてご来店頂いてる皆様に完全に煽っちゃってます。だってこんな名作を買い逃して絶対に後悔して欲しくないので。因みに先日社内で聞いてやっとモヤモヤが晴れたのは、ブランドタグのホワイトタイプは別注企画物で、見慣れたブラックタイプはインラインの通常展開物という事です。そう聞くと更に無性に白タグ企画は買っておいて後悔したくないなーと物欲に駆られてしまうのは男のサガなんでしょう。
5月までの春アウターとして、梅雨時期の雨除けアウターとして、そして秋口アウターとして使えるのを考えると何なら年間の半分近くの長いスパンで使えるノンオイルドライトアウターとして最適なBarbour。幅広い年齢層にお買い求め頂いてますが、それこそ着方は千差万別。スタイリングに合わせてお好みのモデルも全然違うから面白いですね。これだけ広い世代にハマるブランドというのも非常に興味深い。多分今月中に踏ん切りを付けるのがジャストなタイミングだと。
でもこれだけ人気が拡がっていくと、天邪鬼な服道楽のユーザーはもう次のアウターへと行くんでしょうね。
私もなんですが今年また引っ張り出して活躍してるのがフレンチトラッドの代名詞アウターのひとつ、ベージュのM-65。
やはり同じ気分な人達も社内では既に見かけます。
ホントにお洒落に貪欲なウチのドレススタッフ、その辺の嗅覚は流石です。
因みに私の愛用はアルファ社製。ベージュは基本的に民生品なので状態がすこぶる良いのも嬉しい限り。著名なドレッサーのフランスシャンソン歌手も愛用してたのも同じアルファ社だったので、そこは外せなかったポイントでしたね。これまた軍放出品ではないので古着屋さんとかで探してもなかなか見つからなくて。意外なトコで安く入手出来ちゃったのですが、年々品薄になりつつある様です。
実はこの名作を着るのは2回目。90年中盤の大流行時に実は姉が愛用しててたまに拝借してたのが同じベージュM-65だったんです。その時はインナーにアニエス風ボーダーとかフレンチラコポロとかにカンゴールのベレー帽やブラックラムレザーのベースボールキャップを合わせてた記憶がうっすら。勿論中坊だったのでフレンチアイビーとかは知らずに当時の渋谷系お洒落ミュージシャンとかチェックメイトって雑誌のスタイリングを必死に真似てたってだけだったんですが。
店頭に立ってても、変に今っぽいアイテムは着てなくてシックなスタイリングなんですけど、よく見るとやたらにオシャレなややご年配の紳士の方は、また10年前位に一世を風靡したASPESIとかのナイロンM-65をジャケットの上にこなれた感じで羽織ってるのをチラホラ見かける様になってきたんです。
これは次の秋冬シーズンはかなりの確率でM-65辺りのフィールドブルゾンアウターは何処ぞのセレクトショップやらブランドさんも力入れて提案し出す気配がプンプンしてます。もう少しリッチな感じの生地で袖が太過ぎないシルエットの大人向けタイプがあったら良いなーと。そこは10年前のイタリアブランドの復刻じゃなくて、また洒落好きな紳士が新調したいと思える今という空気感をしっかり捉えてかつ普遍的な佇まいがあるのが大事じゃないですかね。
この名作と言えるアウターだからこそあてがう生地、そしてデザインディテールにショップのセンスが非常に問われると思います。
とりあえず私がいつか実現したい企画虎の巻リストには入れておこうと思います。
表題は私がベージュM-65の初期体験をした93年発表のスコットランド出身のカメラが好きであろうネオアコバンド5枚目のアルバムの代表曲。93年前後のあの当時、渋谷系と言われた日本のバンド達を追っかけまくっていたその先にはネオアコースティックと呼ばれる清涼さと青春の甘酸っぱさと美しいメロディが内包されたこのバンドのサウンドがいたんです。それ以前に時代を風靡した80年代のマッチョイズム全盛のロックミュージック。そしてそれらに反旗を翻すかの様なアコースティックなアンチロック的サウンド。
パンクロックが死んだ後、それに代わる物を作る意志を表現しようとした彼等。そのアンチ的な姿勢こそが若さと青春の証。
私のノスタルジックな青春とネオアコサウンドとベージュM-65はまさにイコールな存在。その全てに永遠の青春のきらめきが宿ってるんでしょうね。
それでは立川でお会いできるのを夢見て。
新井