先日、森美術館で開催されている「アナザーエナジー展」に行ってきたので、今回はその感想を共有させていただきます。
とその前に、最近のアート界の重要な動きとして、女性のエンパワーメントというものがあります。
「Do woman have to be naked to get into the Met. Museum?(女性は裸にならなければ美術館に入れないのか)」
というメッセージを掲げたGuerrilla Girls(ゲリラガールズ)に代表されるアクティビスト/アーティストたちの影響で、アート世界のジェンダーギャップに注目が集まっています。
ルネサンスの興った15世紀から現代、21世紀まで可視化されていなかった巨大な壁に穴を開ける重要な転換点になると思います。
そんなアート界の動向を踏まえて開催されたのが「アナザーエナジー展」です。
展覧会では70代以上の女性作家16名の作品が展示されています。
彼女らはアート界のジェンダーギャップを体験しながらも、信念をもって表現し続けてきた作家たちです。
このエキシビジョンで画期的だと感じたのは、作家のインタビュー動画がそれぞれの展示スペースの入口で流されていたという点です。
これによってわたしたち観客は深い理解を持って作品を鑑賞することができるようになるのです。
私はまず作品を動画を観ずにまず鑑賞して、その後動画を見てから一周するという流れでこの展覧会をまわりました。
すると普段だと自分の感性で完結しているところ、さらに作家の視点を加味して作品を楽しむことができました。
この動画があることで、わたしたち鑑賞者は作家とコミュニケーションを取る事ができると感じました。
そんな素敵な展覧会で私が個人的に気になった作品を一つご紹介します。
それがこちら、


作家名・作品名:ロビン・ホワイト《大通り沿いで目にしたもの》
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際」ライセンスの下で許諾されています。
巨大な樹皮製の布「タパ」にモチーフや模様が施された至ってシンプルな作品です。
これはアーティストが個人で作り上げたものではなく、彼女が移住したキリバス共和国の地元の女性たちとの共同作業によって生み出された作品です。
欧米諸国から持ち込まれ、日本を含む先進国では当たり前となった個人主義の観点に囚われた私たちには新鮮に映る、太平洋の集団を自己のアイデンティティーとする視座を提示してくれます。
その他にもたくさん気になる作品はあったので是非皆さんも足を運んでみてください。