"dye in perfection"

金子 茂 2021.02.09

こんにちは。


いつもブログをご覧いただきありがとうございます。

All Night BEAMS PLUS 月曜日を担当しますバイヤーのサミュエル金子です。

皆様先週はいかがお過ごしになりましたか?


週末は、良い天気でしたね。

自宅の庭で子どもたちはトランポリンやラジコンに夢中。そんな中、私は庭の枯れ葉掃除を。

庭師の方のアドバイスによって配置された我が家の庭園は、寒い冬でも青々とした常緑樹が生い茂り、落葉樹とのバランスが絶妙です。

お出かけしたい思いはもう少し我慢しながら、家族で庭で休日満喫。


今週も退屈しのぎでも構いません(笑)。レギュラーメンバーから新作アイテムや洋服の楽しみ方をお伝えさせていただきます。


本日は<dip>の別注フライトジャケットをご紹介します。

こちらは2020年秋冬シーズンにリリースし、ご好評につき再入荷しました。

実はこのアイテム、ブランドでも過去にリリースしたアイテムで、40日間で1000着を完売させたという伝説も。

そんな誕生秘話をデザイナー田口氏に伺ってみました。


田口氏「アルファーインダストリアルのMA-1は当時(1980年代頃のお話)としては一番出来の良いジャケットでしたが、色が限られていて定番色はオリーブとネービーの2色でした。

新色としてライトグレーが販売されましたが、ライトグレーもあまり良い色ではなかった、、、そこでふと製品を染めてみることに。

テストでサンプルを3色ほど既存では展開していない色に染めてみたが、染め上がりの時に落とし穴がありました。

染め上がりの色は良かったのですが、なんと襟、裾のリブがだらだらに伸びてしまい、中綿も寄れて裾に溜まり売り物になりませんでした。

それなら作ってしまえと、、、!ということで製作に取りかかりました。

デザイン修正はリブを襟だけにして他は共地に、裏はコットンを使用してナイロンとコットンの製品染によるグラデーションを表現しました。

その当時、オリジナル(リアルミリタリー物)やレプリカのミリタリーアイテムは市場に溢れており、それを製品染するということにまだ誰も着目しておらず、そんな新しい見え方のフライトジャケットに市場は魅力を感じて人気が出たのだと思います。」


ということで、今回の別注はその伝説のモデルをベースにしながらも、2020年代Ver、現代的なフィティングとアップデートされた製品染で製作していただきました。


dip × BEAMS PLUS / 別注 MA-1
カラー:SAGE、NAVY
サイズ:S、M、L
価格:¥32,000+税
商品番号:11-18-5743-965

素材はフライトジャケットらしいナイロンツイルを使用。

このジャケットの一番の魅力であるムラ感あるナイロンの表情は、デザイナ―田口氏の経験値の高さが成せる業。

製品の状態で染めを行いブランド独自の染め方でこの味わい深く魅力的な表情を作り出しています。

このムラ感は2020年代Ver、今回用にアレンジをしていただきました。



長い期間の着用も考え中綿を入れず裏地だけの仕様にしています。

裏地は着心地を考慮し、コットン天竺素材。

まるでロングスリーブTシャツに袖を通しているような柔らかい着心地を味わっていただけます。



この縫製部分のパッカリングもブランドらしい表情です。

コットン天竺にしたことで表地のナイロンとの縮率の違いからパッカリングが生まれ、アイテムのルックスに奥行きが出ます。



パーツも良い雰囲気に変化しています。

これは加工ではなく、ナイロン染料に反応することで起こる真鍮の表情。

ジッパーテープもあえて淡色を選ぶことで製品染らしい色合いに変化しています。


<dip>はこれら全て計算して製品染を行っているのです。


コーディネートは男臭いストレートなミリタリースタイルですが、グレーカラーのアイテムとコーディネートし、カラーリングは今シーズンらしく。

淡いトーンのグラデーションとなり、オリーブカラーのミリタリースタイルと一味違ったお薦めのコーディネートです。



カラー展開は、私が着用しているセージとネイビーです。

ネイビーも赤みのムラ感ある生地の表情ながら鮮やかな色合いが魅力です。

この春であればホワイトのパンツと合わせたい。




ブログを最後までご覧いただきありがとうございました。


dipとは "detail in perfection=完璧なディティール”

このプロダクトもまさにdip "dye in perfection"


気になった方は是非店頭又はオンラインストアをチェックしてみてください。


サミュエル金子