アンビエントのパイオニアであり、音楽のあり方を世界に問いかけ続けるレジェンド、ブライアン・イーノのドキュメンタリー映画『ENO』が絶賛公開中ですが、米メディアPitchfork誌にてブライアン・イーノの再来と評された日本人アーティスト、横田進の復刻盤もお見逃しなく!

1998年に自主レーベル第一弾として500枚限定でCDのみでリリースし、2000年に英の〈Leaf〉からヴァイナル化されるも長らく再発はなく、ストリーミング配信もなし。知る人ぞ知るカルト作品として知られていました。
同じ年に国内の〈Submalime Records〉からリリースされていたアルバム『1998』が彼の”陽”の側面とするならば、本作はまさに”陰”の側面が現れた対極的な一枚といえそうです。よりパーソナルな部分が表出されたとでも表現すればよいでしょうか。彼の音楽的ルーツであるJoy Divisionを想起させる、ダークで耽美な世界観。静けさを感じさせるミニマルな音像と、時計の針のような音など詩的な環境音は、2019年にリリースされたオムニバスアルバム『Kankyo Ongaku』をきっかけに世界中で再評価された、日本のアンビエント創成期の方々とも一致を見せているようにも感じます。と、同時に90年代当時のグリッジノイズにも通じていたり。圧倒的なオリジナリティを持っていますが、今の先鋭的なエレクトロミュージック・シーンを踏まえて聴いてみても、特に違和感なく聴けてしまいます。むしろ時代の方がやっと追いついてきたのかもしれませんね。
因みに、RadioheadのThom Yorkeによる2015年発売のソロアルバム『Tomorrow's Modern Boxies』の中にも本作と似た要素が複数あり、彼が横田氏を敬愛していたことを実感出来るかもしれません。是非合わせて聴いてみてください!