ビームス ハウス 丸の内のブログをご覧の皆様、こんにちは。
吉田です。
スーツやドレスシューズなどで気に入っているもの、思い入れのあるものは末永く愛用したいですよね。
そしてまた、欲しいものが見つかり、無限ループは続きますが……。
今回はドレスシューズを長持ちさせるお話しをさせて頂きます。

思い入れのある靴を長く履いて頂く為に……。
靴修理をする際の目安をご紹介させて頂きます。
◯チャネル仕上げ
革底を見ると糸が縫われてる箇所に浅い溝が彫られていると思います。
この溝のことを、チャネルと言います。
このチャネルは、製造過程で靴底を縫う際の目印として彫られるのですが、同時に靴底の糸(ステッチ)が地面に摩れて切れしてしまうことを防止する役割を担っております。
靴底が擦り減り、靴底の糸が切れてしまったり、靴底が浮いてしまった時。場合によっては靴底が剥がれてしまった。なんて経験をした人もいるかと思います。
その際は、靴底のチャネルを見てください。きっと、靴底が摩り減って、糸が切れた箇所のチャネルが浅くなってるかと思います。もう一つ付け加えると、糸切れした箇所はつま先部分になるかと思います。
そんな時は修理が必要です。修理をすればまた普段通りに履く事が可能となります。
◯ヒドゥンチャネル仕上げ

ヒドゥンチャネルは、靴の横側(コバ)から革包丁で薄く切れ込みを入れ、切れ込みを入れたところにチャネルを掘って糸を縫います。
縫い終わったら、切れ込みを入れた箇所を再び閉じて、縫い目(ステッチ)を隠すチャネル仕上げになります。
つまり、出し縫いの糸を隠す技術です。
出し縫いの糸を隠すと摩擦の削れによる糸への到達までの期間を伸ばせる特殊な技法になります。
個人の経験から、靴底が擦れてステッチが見えてきてもまだまだ履けます。よく靴底が擦れて出し縫いが見えてきたところでオールソールした方が良いですかと問い合わせがありますが、全然大丈夫です。
靴底の糸が切れてしまったり、靴底が浮いてしまったら修理で全然大丈夫だとは思います。
あえてこの一手間を加えている革靴は、靴底にもこだわりがしっかりある良い革靴と判断出来る技術の一つです。
革底で履くなら出し縫いの糸を傷つける期間が伸ばせるしっかりしたメリットのある技術になります。
◯爪先スチール加工
つま先の減りを軽減するためのスチール加工ですが、土台がレザーソールの靴のみ取り付けられます。見た目のカッコよさやゴムよりも長持ちする事から履き下ろす前に修理を依頼した事はありました。新品の靴はレザーソールが硬いため、返りがつくようになるまでは、つま先が地面と擦れやすく減りやすいので、試みたのですが、あくまで個人の感想としては、スチール加工するなら一度爪先が擦り減ってから、もしくは靴の返りがつくようになってからを推奨します。しかも返りがしっかりついたらゴムで充分かと思います。
ただ、スチールならオールソールする迄長持ちはします。
どちらが良いかは皆様の靴次第ですね。
すり減りが気になりましたら修理をおすすめします。
◯ヒール交換
個人的に修理回数が1番多い箇所です。
自分は年間で1.2回交換してます。
交換目安は1枚目の革が減ってきたら交換ですね。
コチラのシューズは1枚目の革ギリギリ迄擦り減っております。
もう交換時期という事になります。
◯オールソール
個人的にはあまり利用しない修理ですが、靴底が擦り減り、穴が開いてしまったらオールソール交換時期ですね。
オールソール交換は、ハーフラバーでなく、革靴で本格仕様希望の方にオススメです。革底は、しなやかで通気性がよく、足馴染みが良いというメリットもあります。
◯カウンターライニング
画像①
型崩れになる可能性もありますのでコチラもよく修理依頼する箇所です。
画像②
左のシューズはまだ大丈夫ですが右側のシューズは赤信号ですね。ライニングの革が擦り切れて穴のように開いてしまっております。
そろそろ修理時期ですね。
修理すると画像①のように戻ります。
また、履き口の摩耗も見にくいですので、必ず靴ベラを使いましょう。これも長く履く秘訣ですね。
◯小指パッチの修理も多いです。一見ご自身では見落としがちな所ですが、ライニングの小指部分が破れていることが多く、個人的には修理頻度は高いですね。そのままにしておくと型崩れ、変形の可能性がございますので確認してみてください。
◯ハーフラバー加工
靴修理メニューの中で最近問い合わせが多いのがハーフソール加工です。レザーソールは高級感があるものの新品は特に滑りやいので、レザーソールの摩耗からの保護に加え、グリップ力を補強する目的でラバー加工をオーダーされる方が多いそうです。
また、使用後はアウトソールがすり減って来たらオールソール修理までの寿命を伸ばし長く履けるメリットもございます。
自分は試みた事がないので感想は控えますが、まわりのスタッフに聞いてみると評判良さそうです。
こんな感じで今回は自分自身が経験したリペアについてご紹介させて頂きました。参考程度にご覧頂けましたら幸甚です。
高級靴なら靴磨きのメンテナンスと靴修理で何年も履く事が可能だと思います。
冒頭の靴3足の画像も10年以上、20年以上前に贖った私物のシューズです。もちろん現在も現役で使用中です。
トレンドがあっても日々スーツを着用する私としては廃れない、消耗しないのが革靴だと思っております。
靴は裏切らない……。これは今でも思う私の持論です。
1万円の靴を3度見送り、3万円の靴を。3万円の靴を3度見送り9万円の靴を購入する事はダンディになる為の賢い方法だと……。
もう20年以上も前の学生時代、スーツの装いに興味を持った時に読んだ本を思い出しました。
現在では物価も上がり、当時9万円の高級靴は20万以上に値上がりしてしまいましたが…(笑)
それではまたのブログでお会いしましょう。
最後に。
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