通称『魔法のリュック』と呼ばれるバッグ、ご存じでしょうか。
およそ20年程前に実際に使用されていたスウィングタグです。
街の商店街とかに並ぶお店で見かけそうなデザインで、とてもレトロな雰囲気。
今見るとなんだか新鮮な気もする。
では『魔法のリュック』とは、なんなのか。
正体は、こちら。

WILDERNESS EXPERIENCE × B:MING by BEAMS METRO DAY PACK
カラー:ブラック,オリーブ
価格:¥9,000+税
商品番号:92-61-0206-925
こちらのバッグ、まずはビデオをご覧頂きたい。
WILDERNESS EXPERIENCE × B:MING by BEAMS
ご覧頂けましたでしょうか。
ここからは、文面で詳しくご紹介。
『SPIN PACK(スピンパック)』
1999年に特許開発されたシステム。
全世界でも類を見ない、背負ったリュックを下ろすことなく、バックル一つ外すだけで瞬時に体の前方に移動させられるというもの。登山の際に、重たい荷物を沢山詰めたリュックを下ろさずに、荷物を取り出せるようになることは、とても画期的なアイデアでした。
しかし、あまりにもこの複雑な機構を独自に生産することは難しく、なかなか軌道に乗れずにいました。
その翌々年、更なる研究と改良が加えられ、販売を開始。
当時は、テレビ・雑誌・新聞等、様々なメディアで広く取り上げられ、アウトドア用品店・バッグ売り場へと拡販されていきました。
ただ、またしても問題との直面。
こちらのバッグは、当時対面販売を必要としていました。
顧客の方々に向け、セールスパーソンが使用方法を説明して販売していたのです。
そういったことがネックになり、なかなか販路を広げることが出来ませんでした。
遂には、期待以上の成果を上げられず、わずか4,5年後に生産中止に陥ってしまいました。
私がSPIN PACKを知ったのは、WILDERNESS EXPERIENCEを製造するメーカー様とのご商談のシーンで、過去のアーカイブからこのシステムをたまたま見かけたこと。
そんな、一世風靡をしたシステムを現在改めて再販することにしたのは、現代のとある時代背景から。
現在、公共交通機関(電車・バス)では、リュックを前に背負うことが優良なマナーであると認識される時代。
2018年の電車内での迷惑行為ランキング1位は、『背負いリュック』。
数年前までは、ランキング12位。
昨年には3位まで浮上し、本年では1位。
徐々に上位に上がってきたのは、スーツ姿のサラリーマンの方々にビジネスリュックが広く浸透していることが後押しをしています。
満員電車内で、背負いリュックはマナー違反、或いは周りの方々を不快にさせてしまうことが多くあるようです。
私も気を付けないと。
重たいリュックをわざわざ前に背負いなおすのは、少し億劫になることもある。
そんな気持ちを、一気に吹き飛ばしてくれるのがSPIN PACK。
生まれた生産背景は違えど、時代は回り、まさに今必要とされるものになりました。
以前は『魔法のリュック』と呼ばれていました。
SPIN PACKを搭載したWILDERNESS EXPERIENCE × B:MING by BEAMSのリュックには、『METRO PACK』と名付けました。
メンズディレクター佐藤、弊社制作部の中村と吉田、私の4人で、何か良いネーミングはないか、沢山の方々の目に留まるネーミングはなんだろうか、とじっくり時間をかけて付けた名前です。
そのせいか、何だか名前にも愛着があります。
メトロとは地下鉄の意。
電車に乗る全ての方々にお勧めしたい。
私も満員電車に乗ることも多く、正直、背負いリュックには不快に感じることもあります。
少しでもこのリュックが、お役に立てれば嬉しく思います。
鞄作りに於いては、決して詳しいと言えない私が見てもさっぱり分からないのですが、このベルトの作り、実は相当複雑だそうです。
幾重にも重なったベルト。
どう考えても複雑ですよね。
とある、鞄作りのプロの方にこちらをご覧頂いたのですが、
「これは、すごいアイデア。同じ鞄作りの仕事をしているものとして、このアイデアを思い浮かんだなんて、非常に羨ましい。これ、同業者の人はみんなビックリしますよ。」と、仰っていました。
電車だけではなく、ノートPC等の電子機器を取り出す為に前方へ鞄を移動させる際に、首にしっかり固定されていて落とす心配が無い、との別方向からの意見も頂けました。
量産のことを考慮すると、海外生産に目を向けたくなる。
ただ、この作り、熟練した日本の職人でないと、必ず制作時にミスが起こるそうです。
日本製に拘り続けるバッグブランドであるWILDERNESS EXPERIENCEの職人の方々だからこそ、成し得る技。
日本製の証は、ここに。
『MADE IN JAPAN』のピスネーム。
やはり日本製は、安心感が違います。
その他のディティールをご紹介。
サイドには、スマートフォンやペットボトルが入るポケットを付けました。
前に背負った時にも、サッと取り出せます。
でも満員電車の中では、スマートフォンの操作さえも周りの方々のご迷惑になることもあります。
ご注意下さい。
緩やかに湾曲した、メイン収納部のテープ。
この為にあります。
スライダーを一番端に寄せた時に、不自然な膨らみが起きないようにすること、そして手に取りやすいようになっています。
細やかな配慮が心に響きます。
そして、採用したファスナーはYKKの10番。
金属の歯が大きい、屈強なタイプを選びました。
冒頭にご紹介した『魔法のリュック』のスウィングタグ、商品に付けて販売したかったのですが、2枚しか現存しておらず、データがないので再度制作が出来ないそう。

タグにさえも愛着があります。
貴重なタグなので、スタッフ澤にも丁寧に持ってもらいました。
現在、絶賛制作中。
来年の春までにはきっと。
早く皆様にお届けしたい。
素晴らしいMETRO PACKを、あなたに。
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ぷりーずふぉろみー。
美味しかった食事や、大好きなもの、商品に関係ことばかり呟いているフォトログ、毎日やってます。