昭和初期に途絶えた島根県松江市の郷土玩具、松江の蒸汽船と松江のお宮さんはご存知でしょうか?
かつて宍道湖で漁をする木船の材となった、おとし曾木の端材を用いて作られる松江の伝統的な郷土玩具。一度作り手が途絶えていましたが、<袖師窯>5代目 尾野友彦さんの奥様 尾野真弓さんが再び復刻製作されることとなり、<fennica>では昨年より松江の蒸汽船をご紹介しておりました。2023年、2024年と、日本民藝館展にて入選もされています。
<fennica>のシーズンテーマをご紹介するLOOKでもこのようにコーディネートしていました。
松江の蒸汽船は、鉄道が普及する以前の明治から大正時代にかけて、外海から中海、宍道湖を結ぶ水路に往来した大小の蒸汽船、大海原を行く船への憧れから生まれました。
松江郷土玩具 松江の蒸汽船
価格:¥5,500(税込)
商品番号:56-78-1105-649
自然の木目に沿って手割り製材・加工をした、へぎ板を使用し、岩絵具と胡粉で色づけられています。かつての作り方に沿った復刻による素朴な表情が魅力です。
歳徳神を祀る歳徳宮をモチーフとした松江のお宮さん。
松江郷土玩具 松江のお宮さん
価格:¥5,500(税込)
商品番号:56-78-1314-649
松江の各町内に祀られる、一年の幸福を司る来訪神 歳徳神は、小正月に鼕を叩き、とんどに神の降下を祈り祝います。歳徳神の神輿を担ぎ、とんどを焼く伝統行事を左吉兆といい、松江のお宮さんは江戸初期より歳徳宮をモチーフに作られていました。
お宮さんの堂内におさまる練天神。
中央の扉はこのように開き、当時子供達は天神さまの人形を入れて遊んだのだそう。
こちらの練天神と牛天神は出雲民藝紙や藤細工を製作されている山野孝弘さんによるもの。
松江郷土玩具 練天神
価格:¥1,980(税込)
商品番号:56-78-1315-649
松江郷土玩具 牛天神
価格:¥2,200(税込)
商品番号:56-78-1316-649
出雲地方では男の子が賢く健やかに育つようにと初節句に天神様を贈る風習があります。おとし曽木のおがくずを用いた練り物で、練天神は出雲の泥天神 今市天神に、牛天神は松江の泥天神 横浜天神に倣っています。
ちなみに松江の蒸汽船と松江のお宮さんの箱のラベルと焼印のタイポグラフィは山野孝弘さんによるもので、山野さんが漉いた出雲民藝紙に施されています。
焼印は先代作との区別をつけるために尾野真弓さんの“ま”を入れておられます。
山野さんのお仕事は多岐に渡り、山野さんが受け継ぎ製作されている島根県松江の籐細工<藤吉瓶敷>も入荷予定ですのでどうぞお楽しみに。
<藤吉瓶敷>5寸瓶敷
価格:¥6,600(税込)
商品番号:56-72-0334-649
一度途絶えた伝統を未来へ繋ぐお二人の仕事をぜひ見にいらしてください。
Mori
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