丙の注連縄飾り-岡山の手仕事展-

2025.08.01

いよいよ明日より始まる『岡山の手仕事展』。今回ご紹介するのは<fennica>では『岡山の手仕事展』にて初めてご紹介する<丙>の注連縄飾りです。

岡山県総社市で注連縄飾りを製作されている作り手 藤本羊さんは、プロフィールにいぐさとわらの二刀流と書かれているように、<須波亨商店>の仕事を手伝いながら、2022年よりご自身の屋号<丙>で注連縄飾りを製作されています。


太陽を意味する<丙>には、陽の照る方へ導く縁起物の役割を後押しできるようにと思いが込められているのだそう。


田植えや青刈りと材を作るところから始まり、岡山県や近隣県に伝わる注連飾りを一つひとつ丁寧に作られています。


真菰ののじ


素材を活かしたシンプルな輪飾りの真菰ののじ。稲科の真菰は古来より神が宿る植物として神事に用いられ、場の浄化や結界としての働きがあると云われています。


眼鏡


岡山県の北西に位置する新見地区で見られる眼鏡の注連縄は、二つ縄綯いで左右対称に作られています。新しい年の先を見通す目を表していて、右綯いと左綯いで内へと向かう螺旋は“福はうち”の意味も込められています。



京都府や山口県で見られる鳩を模したお飾りです。向かい合った二羽の鳩の形が八の字になる事から、縁起良く夫婦円満の意味も持つ注連縄。同じ形の注連縄を2つ重ねて吉兆が表されています。


おどっくさま


岡山県成羽町で古くから作られた鷄を模したかまどの神様。二期作目の瑞々しい藁を脱穀して製作しています。通年通して飾る火の神様です。 


神棚ゴボウ


神棚に飾る横型のゴボウ締めです。締めとは標(結界)であり、垂れは雨を表し、紙垂は雷光を表しています。 


はりこねこ


倉敷の<備中和紙>で仕上げた猫のはりこが鎮座する注連飾りです。猫は家を守り幸福を招く象徴として古くから縁起の良い動物とされてきました。暗闇でも目が見えることから魔除けの意味もあります。


以前は<備中和紙>丹下直樹さんが張子を作られていましたが、現在は藤本さんが張子作りまで行っています。白に黒、赤茶と薄茶、4色の備中和紙で作られた猫が届きました。


素材を活かした美しい注連縄飾り。家の中を清らかに、または魔除けとして、願いを込めて作られた先人が残したカタチは、未来に繋げていきたい文化ですね。

通年飾りとしても飾っていただけますので、経年により色づく変化を暮らしの中でお楽しみください。



【作り手在店のお知らせ】
<おの工房>小野眞佐子さん / <須浪亨商店>須浪隆貴さん / <倉敷青木窯>三宅康太さん
初日8/2(土)は作り手3名が在店します。対面してお話できるまたとない機会となりますので、ぜひお立ち寄りください。
※不在となる時間もございます。予めご了承ください。

【インスタライブのお知らせ】
<fennica>オフィシャルアカウント[@fennica_official_]にてバイヤー 藤田よりイベントについてご紹介するインスタライブを行います。
日時:8/2(土)20:30頃開始予定



『岡山の手仕事展』
会期:8/2(土)-11(祝・月)
場所:BEAMS JAPAN 1階



Mori