お久しぶりです。
おはようございます。こんにちわ。こんばんは。
いってらっしゃいませ。お帰りなさいませ。
笹木です。
以前に引き続き
今回もARC’TERYXです。
正直言って、今回はとても長いです。
途中で飽きたら閉じてもらっても、かまいません笑
また知りたくなったら戻ってきてください笑
今回はウェア編。
以前話にもあがりましたのでフラグスタッフモデルの
α(アルファ)SV(エスブイ)の説明から。
以前のブログを読んでいただいた方はよくわかったと思いますが
かなり寄り道して話しますがお許しください。
まずこういったマウンテンパーカー、シェルの説明には
かかせないGORE-TEX(ゴアテックス)のお話しさせてもらいます。
のちにα SVやBETA ARなどにも関わってきます。
皆さん、なんとなく聞いたことはありますよね。
どういった機能なのかもなんとなく。
この際にふわっとしている部分をすべておさえていければと思います。
まずGORE-TEX®︎っていうのは生地というより
GORE-TEXメンブレーンと呼ばれる超極薄フィルムなんです。
製品化された生地で想像される方が多いかと思いますが
実はあれ、表地や裏地などと組み合わされた状態なんです。
GORE-TEXメンブレーンは内部に微細な孔(あな)を無数に持つ、膜のような素材です。
細かい事を言えばホタル石を原料にした、ePTFEというフッ素樹脂からできていて、
薄い膜状に加工してゴアテックス メンブレンになります。
ゴアテックス メンブレンがフィルムっていう事が分かり、
それを表地と裏地など貼り合わせてゴアテックスファブリックになって
製品になるのはわかったけど結局のところ何がすごいのか?ですよね。
大きく3つに分けられます。
防水耐久性・透湿性・防風性
ではまず防水耐久性。
ゴアテックス メンブレンというフィルムの孔は水滴が通過できないほど小さく、
水蒸気の分子よりは大きいんです。簡単にいうと、外の雨や水などの水滴は通さずに、
運動などで発生した、中の水蒸気は外へ出ていけるようになっているんです。
いわば一方通行のような。ゴアテックス メンブレンの孔を絵にかいてみました。こんな感じです。

まとめると水を通しませんよと。でも中の水蒸気は逃がすので蒸れませんよと。
そういうことなんです。
いやいや防水なんかわかってるがな。そういうお声、わかります。
では一歩踏み込んで、ゴアや防水ウェアなどで、耐水圧なんて聞きませんか?
なんとなくは…の方も多いはず。ではそこも明確にできればなと。
まず耐水圧とは!
「耐水圧」とは生地に染み込もうとする水圧に対して、どれくらい耐えられるかを数値です。
JIS規格(日本工業規格)に基づいた耐水圧試験によって算出されています。
生地の上に1cm四方の筒を置いてその中に水を入れたとき、
水が生地の裏から染み出してきた時の数値が耐水圧です。
つまり耐水圧1,000mmは、1,000mm(=100cm=1m)までの高さの水に耐えられたということになります。
???
簡単にいうと水がどれぐらいの圧力で染み出てくるかを数値化したものです。
わかりやすい身近なもので例えると
傘・・・200~500mm程度
ウインドブレーカー・・・500mm程度
レインウェア・・・2,000mm以上
テント・・・1,000~10,000mm程度
じゃあゴアテックスどんだけあんのよ。ってことですよね。
45,000mm以上
!!!
すごいですよね笑
基本的には大雨を想定されている登山などのウェアの基準としては20,000mm以上と言われています。
ここで何点か疑問点が出てきますよね。
・なぜ他の耐水圧のものがあるのか?
・どういった場面で発揮されるのか?
・高ければ高いほどいいのか?
1つ1つ解決していきますね。
一つ目の
なぜ他の耐水圧のものがあるのか?
まず基本、大きく分けると防水耐水の商品はゴアテックスの商品か
他のオリジナルファブリックかに分けられるんです。
そしてそのブランドごとによって、シーンや用途、コスパに関わってくるので使い分けがでてきます。
ゲームとかでめちゃくちゃ弱い敵に、強い大きくて重くて高い剣を装備していっても無駄じゃない?
安くて持ちやすいこの小さい剣で十分じゃん!みたいな感じです。
例えば
耐水圧10,000mmの商品は動きやすさ、透湿性を重視したソフトシェルジャケット。
耐水圧20,000mmはコストパフォーマンスを重視した雨具。
小雨程度ではなく、本格的な雨の中での長時間の着用に耐えられるもの。
のように、耐水圧などを知っているとシーンや用途、予算に合わせて服選びが出来るようになりますね!
次にどういった場面で発揮されるのか?
耐水圧に関してはある程度分かったけどどういうときに発揮されるんだよ!?
僕も最初これが一番の疑問でした。
以外とたくさんあるんですよね。
例えば、濡れた場所へ座ったり膝をついたりした場合の圧力は、約2,000~11,000mm程度と言われています。
また、登山の場合は、重い荷物を背負うので、肩や腰部分に圧力がかかり、そこから浸水することもあります。
いろんなところで知らぬ間に耐水圧を経験していました。
ここまで読んだら
そうか!耐水圧は高ければ高いほど良いんだ!
となりがちですがそうでもないんです!
耐水圧が高い=蒸れる とも言えます。
ここでゴアテックスの何がすごいかの2つ目になってくるんですが
透湿性です。
先程の「蒸れる」を解消するのが透湿性。
透湿性=布等を水蒸気が通り抜ける性質
水蒸気は『気体となった水』という定義なので、通気性でも透湿性でも水蒸気は通過することになります。
ちなみに水蒸気と湯気は別物で、水蒸気は目に見えません。限りなく分子に近い状態です。
湯気は非常に小さな液体の集まりです。
簡単にいうと外からの水は入って来ないけど、中の運動などによって発生する蒸れや
水蒸気は外に逃がして快適ですよ。の意味ですね。
それもまた数値化されてまして…
5,000~8,000g/㎡・24hrs以上・・・ムレにくい
10,000~20,000g/㎡・24hrs以上・・・ベトベトしにくい
でゴアテックスってどうなのよ。
透湿数13,500g/㎡・24hrs
いうことなし。笑
意外にも、耐水圧が高いだけで透湿性が低いもので
熱中症・脱水症になることもありますので、透湿性もお忘れなく。
さて、最後は防風性ですね。
ここまでお聞きの方はお分かりかとおもいますがこういったシェルに
暖かさを求める方や、暖かいですか?との質問をいただくのですが暖かさとは無縁です。
これは追々お話しさせていただこうを思っております、アウトドア?の着こなしに鍵があります。
それはまた追々…
話を戻しまして防風性。
そもそも風は大きな空気の塊です。
GORE-TEXメンブレーンは水分も通さないのでもちろん、風もブロックしてくれます。
防水パフォーマンスに関する厳しいテストを行うので、その高い気密性のおかげで、
結果として水分だけでなく風の侵入も防いでくれるのです。
気温も大きな要因ではありますが、風の有無で体感温度は大きく変わります。
正直、シティやちょっとした雨などで使用するにあたってはここまで気にかけなくてもいいかもしれません。
さてさて、ここでようやく話を戻せますね。
ARC'TERYX α SV
まずはα(アルファ)とはなにか?
高山の環境から体を守る、軽量で、ミニマリスト・デザインのクライミングとアルピニズム用製品。
(アルピニズムやクライミングは簡単に言うと登山や山を登ること全般ですかね。)
と、アークテリクスの中では位置づけられています。
他にも
β(ベータ)
万能:さまざまなアクティビティやコンディションに対応する、高機能デザイン。
Δ(デルタ)
通気性の良いフリース・ミッドレイヤー。熱効率に優れ、肌触りも快適。
Γ(ガンマ)
耐候性と伸縮性のあるミッド/アウターレイヤー。高い通気性と耐摩耗性を備える。
ρ(ロー)
素晴らしい湿気管理機能を持つ、熱効率に優れたベースレイヤー。ストレッチの効いた快適な着心地。
Σ(シグマ)
ミニマルデザインで通気性に優れ、ダイナミックな動きに注力して作られたクライミング、アルピニズム用ソフトシェル。
Ζ(ゼータ)
快適さと効率の良さを重視した、ハイキングやトレッキング用の軽量デザイン。
と、細かく用途によって分かれています。
そしてその後の SV とは?
SV
悪天候用 悪天候など厳しいコンディションに長期間耐えうる、最も耐久性の高い素材を用いた耐候性のあるアイテム。
という位置づけになっております。
他にも
AR オールラウンド
さまざまなアクティビティに活用できる多用途という点を重視した、耐候性能に優れた機能と素材を使用。
FL 敏速 & 軽量
さまざまなコンディション下での素早い移動を可能にする、高機能、軽量のミニマルデザイン。
IS インサレーテッド
暖かさを効果的に確保し、さまざまな要素から体を守る断熱性能に優れた製品。
LT 軽量
高性能でミニマルなデザイン、軽量なのに丈夫。
LD 長距離
長距離のトレイルランニング用に、快適性とサポート力、プロテクション性能を高めた、軽量かつ耐久性のあるフットウェア。
MX 変わりやすい天候
非常に丈夫で、通気性と動きやすさにも優れる。変わりやすい天候の下、他のアイテムと組み合わせて使用するのに最適。
VT バーティカル
変化に富むルートでのグリップ力や機能、耐久性を確保したトレイルランニング用フットウェア。
SL 超軽量
耐久性に加え、軽さと持ち運びやすさを重視した、超軽量素材とデザイン。
などなど…
他にも細かく言えばこのマークは、なになに~など細かく決まっているんですが
それを話し始めるとまたまた長くなってしまうのでまた別の機会に…
さてさて話を戻すとこの α SV。
高山の環境から体を守る、軽量で、ミニマリスト・デザインのクライミングとアルピニズム用製品。
悪天候など厳しいコンディションに長期間耐えうる、最も耐久性の高い素材を用いた耐候性のあるアイテム。
つまりはどんな状況にも耐えうる最強のシェルってことです。
流石フラグシップモデル…
さて、細かいディテールに移りたいところですが、
かなり寄り道してしまい長くなってしまったので今回はここまでということで。
次回に α SV についてお話しさせて頂きますね!
お付き合いありがとうございました!
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