今回は、本国アメリカでは既にトレンドの1つとして流行中のツインピン(ツインフィンのピンテール)ボードのご紹介です。こちらもPilgrim Surf+Supply KYOTOのサーフボードになります。3年前に行ったニューヨークトリップでは、このALBATROSS(ボードのモデル名)のテストライド中だったJOE。その時のボードがようやく完成し、ここ日本にも到着しました。日本でも本当に少しづつではありますが、ツインピンの需要がでてきたように思います。恐らくこのデザインのボードは、今後日本でも増えて行くだろうと個人的に予想しています。既にこのツインピンの取扱いをスタートしているショップも徐々に増えてきていますね。どのように流行っていくのか、今後の動向にも要注目です。
このALBATROSSの気になるサイズは 6'9" x 21 1/8" x 2 3/4"。
ミッドレングスと言えばミッドレングスですが、ギリギリミッドもしくはギリギリミッドではないくらいの絶妙な長さもポイントです。シルエットは前方に幅と厚みを十分に持たせ、後方がウイングとラウンドピンテールでボリュームを落としている。前重心でホールドしたらかなり加速してくれそうなデザインです。コンケーブはシングルからダブルに切り替わり、最後は深めのスパイラルVEEボトムでテール側をフィニッシュ。分かる方は見て触っただけで、このボードの操作性能の高さが分かるかと思います。
ロッカーはどちらかと言えば弱めかと思いますが、厚みが結構ある(2 3/4)真ん中から後方に薄くシェイプされているのがよく分かります。なので前方に重心をおいている分、安定したテイクオフを実現しながらも、ウイングと薄めにシェイプされたテールの形状により、パワーのある波でもパーリングしにくい。これ1本でかなり幅広い波に対応出来るのですから、もっぱら次のメインボード候補に個人的にもなっています。
ちなみにJOEのフルネームは、Joseph William Falconeなので、J.W.FALCONEと墨入れされています。
ウイングの入ったラウンドピンテールのツインフィンって、実は元々70'sくらいに流行ったサーフボードのディティールで、近年進化系Edge Boardを制作し、サーフィン業界を騒がせている新進気鋭のシェイパー、Ellis Ericsonも過去によくこのデザインのボードをシェイプしていました。Pilgrim Surf+Supplyでもそのボードは過去に取り扱っていた経緯があります。
その温故知新の考えで、古き良きディティールを現代に蘇らせたリバイバル的なツインピン。このボードの大きな特徴は、ずばり操作性能の高さ。例えばフェイスの広い波で思いっきりカットバックをしてみると、6'9"とは思えないほどターンのレスポンスが非常に良く、思ったほどよく動きます。これは同じ長さのシングルフィンとかと比べてみると一目瞭然だと思いますが(もちろん様々なボードの形状によって差異はあります)、ツインフィンの持つルース感と、ウイング入りのラウンドピンテールの操作性能の高さが見事にミックスされたのが、このALBATROSSなのです。レールはほど良く丸みを持たせ、あまりレールが波に食い込み過ぎないようなデザインに設定されています。その理由は、このボードの持つ操作性能を最大限に活かす為、あまりレールを薄くし過ぎるとホールド感が良過ぎてしまい、逆にターンのレスポンスが落ちてしまうからです。だからと言って、レールtoレールのサーフィンが出来ない訳ではありません。写真ではお伝えできないのですが、このALBATROSSは、後方三分の一程度のところまでエッジを立たせていることも大きなポイントです。エッジを入れることによって、波のフェイスにレールが食い込みやすくなり、ホールド感が良くなり、それが直線的なスピードに直結することもお伝えしておきます。なので最近話題のEdge Boardは、元々直線的なスピードを重視したモデルと言え、今まで直進的な動きしかできなかったところを、Ellis Ericsonが縦に動かせるEdge Boardを開発した、そのことがこれまでの常識を覆した新進気鋭のシェイパーとして、評される理由の一つになったのです。話が少し逸れましたが、このALBATROSで言えば、Edge Boardほどエッジはもちろん効いていないが、多少のホールド感は感じ取ることができる。というボードになる訳です。
個人的な主観で言えば、これは初心者の方には正直おすすめはしません。ツインフィン自体は歴史のある素晴らしい発明だと思っていますし、個人的にツインフィンの乗り心地は大好きです。ですが、やっぱり基礎となるのはシングルフィンかトライフィンなので、その基礎を知らずにツインフィンに乗っていても、その性能と特徴を理解できないままでは正直もったいないような気がしてしまいます。やはりまずはサーフィンをするにあたり、フィンというものがどういう役割を担っているのか、そこの部分を理解した上で、このボードにトライしていただきたいと思っております。
余談ですが、前にシェイパーであるJOEとのメッセージの中で、私が「FLOW EGGとALBATROSS、オレにはどっちがいいと思う?」って聞いたら、即答で「ALBATROSS」とだけ返ってきました。それまでは「FLOW EGGは7'5"以上の長さにしろ」とかずっと言ってたじゃん!と思いつつ、このALBATROSのBLOGを書き綴りながら、JOEが自分にALBATROSSをすすめる理由が今では分かったような気がします。次のマイボードはこれですね。たぶん。
SIZE:6,9" x 21 1/8" x 2 3/4"
No.:36-75-0148
PRICE:¥185,000- +TAX
それではまた次回