こんにちは。
皆様、いつも何を考えてお過ごしですか?哲学者・池田晶子さんの本は前回少しだけご紹介させていただきましたが、今回はこちら。

「考える日々 全編」
この本の帯の言葉―『この世がどう移り変わっても、考える人は揺るがない。考えることは、どんな困難も超えていく。』今、色々なことがあって色んなものに心が揺らいでいるわたしにとって、とても心が惹かれる帯の言葉。
580ページもあり、分厚いサイズの書籍なので読むには気合いがいるなぁと思っていました。ですが、どこから読み始めても池田さんの言葉をゆっくりと咀嚼しながら読むうちに、頭の中で想像することの楽しさ、頭の中での思考の旅行をちょっぴり出来るようになった気がします。自問自答の楽しさ!
哲学ときくと、少し小難しそうと思った方でも、読み進めることができる一冊だと思います。池田さんの素直な言葉、まっすぐな考え、彼女が考えた日々を一緒に味わう<考える日々>。
ゆっくり読んで、今日から考える日々を過ごしませんか?
池田晶子さんは文筆家と自らを自称されています。そして<哲学>という言葉を<考えること>と置き換えてお話してくださっているので、この本は哲学エッセイと言われています。
池田晶子

1960年生まれ。本質を考えることの面白さ、形而上の切実さを、存在の謎としての生死の大切さ、を語り続ける。
2007年癌により死去。最後まで原稿用紙とボールペンを手放すことなし。47年という短い生涯の中で著者は多数。
私がこの本、そして池田さんにぐっと引かれたのは本の序盤のこの言葉。
<人は「悩んで」いるのである。しかし、「考える」ということと、「悩む」ということは全然違う。人は、きちんと考えていないからこそ、ぐずぐず悩むのである。>
私、悩んでいるんだと思いました。人のこと、自分のこと、社会について、漠然とした不安だらけの今。きちんと考えることを出来ない自分に対して、自問をしてしまいました。
池田さんは自分の考えをバシッと伝えていることの言葉の気持ちよさがあります。
そして池田さんの頭の中は宇宙と死に向かって常に考えている。
この本を読んで、毎日過ごしている日々、大きなことから小さなことまでわからないことはたくさんあることに気づきました。
そのことに対してひとつひとつじっくりと<考える>ことで自分の為に答えを出していくことが、人生の豊かさにつながるのでは無いかと。
この本は1998年から2000年に『考える日々』『考える日々Ⅱ』『考える日々Ⅲ』と3年続いて発行された書籍を纏められた一冊です。
池田晶子さんが日々日々考えていることを真っ直ぐな言葉で描かれています。
その中から私がハッと気付かされた言葉をいくつか抜粋させて頂きました。
・なぜ生は善であり、死は悪なのか
・「知る権利」なんてものが、果たしてあるのか。ーところで知るべきことと知らなくていいことがあることを知るためには、人は、「知る」とは何かを考えて知ること、これは古くより「哲学」と呼ばれる普遍的な知の営みである。
・人が幸福であろうと欲するのは、げんに幸福ではないからである。
・結局は、温泉である、風呂である。ー温泉は思索である。
・人生は常なるサバイバルだけども、そのサバイバル自体が人生の価値ではない。そのようなサバイバル状態において、どれだけより善く生きようとしたか、それがその価値である。
・心とは、それを心だと思っているまさにそれが心だという、心の不思議である。
・死ぬとは何かということをわれわれは知らないのだから、生きるとは何かをということもじつは知らないのである。知らないにもかかわらず、なぜわれわれはそれを知っていることであるかのように生きているのか、生きようとするのか。生きるとはいったいどういうことなのか、それを考えることを「考える」というのです。または「哲学」といってもかまわない。
池田晶子さんの言葉は揺るがない。
最後に、なんだかお腹の底からじんわりあったかくなる言葉で締めます。
「皆さん、いよいよ生きづらい時代になるけれど、自分のことで深刻になることはありません。われわれは、認識する以外はできない種族なのだから、腹を括って、存在することを笑いましょう。」
今の時代、いろんなことがあると思います。
ですが、いちいち考えよう。
考える人は揺るがない。
是非、私がみなさんに読んでいただきたい一冊です。
※このブログに記載している言葉はすべて「考える日々 全編」より言葉を引用致しました。
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