何もかもが便利な今の世の中で、
逆に"ローテク、アナログ、レトロ"なものに
魅力を感じる人が
近頃多いように
感じます。
こんにちは、スーツブログをスタッフ川谷に取られてしまいました(笑)イエキと申します。
いつも通り長いブログですが、気長にコーヒーでも飲みながらご覧ください。
最近気になる"ローテク"という言葉。
意味を調べてみると、
「技術の進歩と共に使われ始めたより便利なテクノロジーではなくて、昔から使われているテクノロジー」とのこと。
つまり"ハイテクノロジー(ハイテク)の対義語"に当たるのですが。
例えば、
スマートフォンに入った曲だけではなくて、家のレコードで音楽を聴いている若い世代の人が増えてきているそうです。(そもそもレコードが発売されてからの長い歴史で今が1番売れているらしいです。)レコードもかなりローテクなものと言えます。
他には、
僕の父はカメラを趣味としているのですが、スマートフォンで簡単に綺麗な写真が撮れるこの時代に、白黒でしか撮れないかなり旧式の(使いづらそうな)アナログカメラを使って様々な風景を撮影しています。父はもうここ何年も富士山まで初日の出を撮りに行っているのですが、白黒なので日の出なのか日の入なのか分からないというツッコミを入れるのが我が家の定番の会話です(笑)でもひとつのことにこだわって追求していく姿勢は父から学んだ気がします。
少し話が逸れそうになりましたが他だと、
若い世代の中で非常に注目度が高まっているキャンプ。自然環境に行き、簡単な作りで立てたテントを拠点として自分達で魚を釣ったり、火を起こしたりする比較的原始的な自給自足体験。携帯ひとつでどんな料理でも運ばれてきますし、ハイテクキッチンで料理をすることでレストランのような本格的な食事を家庭ですることができるような現代。そんな時代に自給自足風のことをするなんてローテクも甚だしいところですがそれが非日常的で楽しいんですよね。
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さて、話を洋服のことに移しましょう。
僕が洋服の中で
非常にローテクな感じがして
好きなのが
リネン(=麻)アイテムです。
リネンスーツをはじめ、
リネンシャツ、
リネンパンツ…etc
日本では夏服の大定番。
夏の強い日差しを防いでくれることや、
抜群の吸水性、発散性。背中や脇の汗が生地の表面に出てきづらいです、
またサラッとした風合いも涼しげな印象で◯。
勿論これらのことは十分に機能的と言えるのでしょうが、
現代的なテクノロジーの進歩と比べると
ローテクと言えるでしょう。
そして何と言っても
このリネンが長く愛されるのは、
やはりこなれ感のあるシワを
楽しめるところでしょうか。
ドレスの洋服となれば大体の場合は
きちんとアイロンをかけて
シワのない状態で着用したいケースが
多いことでしょうが、
リネンアイテムは多少のシワが味であり
ファッションとしては洒落て見える
と思います。
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という訳で、
店頭を見てみましょう。
まずはこちらマネキンAさん。

シャツブランドBAGUTTAが得意とするシャツジャケットを着用しております。こちらはデニムジャケットの名作をオマージュしたデザインにリネンを乗せた1着。リネン100%の風合いが堪らないですね。今シーズンならこういったシャツジャケットにボーダーニットなんかを合わせて軽快に装って頂くといいと思います。

Aさんもこんな風なことを言ってますね。

こちらとの2色展開になっております。
BAGUTTA / リネン 3rdタイプ シャツブルゾン 21SS
カラー:ベージュ、ネイビー
サイズ:XS、S、M、×L
価格:¥38,500(税込)
商品番号:24-18-0362-248

ちなみにAさんはパンツもリネン100%。こちらのパンツは今シーズンからの新規ブランド"BRIGLIA 1949 (ブリリア1949)"。リラックス感のあるドローコード付きスラックスです。リラックス感のあるシルエットは去ることながら、リゾートっぽい生地をメインで今シーズンのビームスでは取り扱っています。しかしこのブランド、実は30年以上続くパンツ専業メーカー。特にシルエットがとても綺麗なのです。リラックスパンツなんだけども非常に上品というところ。具体的に似たようなブランドのgiabsarchivioのパンツと比べて渡り位置(太もも部分)〜膝位置〜膝下のシルエットの繋がりがより綺麗で一層ドレス的な雰囲気です。giabsarchivioのパンツの方が膝下から極端にグッと細くなるようなシルエットです。その辺は体格(特に膝下部分)に合わせてどちらかを選んで頂くのもありですね。


こちらは色違いのブラック。ブラックリネンもいい雰囲気ですね。

また、こちらのパンツは(少し見えづらいのですが)内側からドローコードが出ているのでコードを内側にしまい込んだまま着用することも可能です。ですのでドローコードがあるとスポーティすぎてちょっと…という方も履いて頂けます。
BRIGLIA 1949 / 別注 ISCHIA リネンソリッド 1プリーツ イージーパンツ
カラー:ベージュ、ブラック
サイズ:42、44、46、48、50
価格:¥29,700(税込)
商品番号:24-23-0723-272

このBRIGLIA 1949ですが、他にも柄や素材を変えてリゾートムードなものを幾つかご用意しております。是非店頭でご覧下さいませ。(お問い合わせもお待ちしております。)
さて、お次は当店の入り口にてお客様をお出迎えするマネキンBさん。

リネン×ウール(リネン42%/ウール58%)のスーツをカジュアルダウンしたお洒落さんです。先述しているリネン100%のアイテムに比べるとシワがさりげない感じです。且つすこし艶っぽくもありますね。色々な意味で極端ではない感じが皆様のワードローブにも取り入れやすいかと思います。ダークブラウンの色目もコロニアルすぎなくて良いですね。
Brilla per il gusto / CANONICO ウールリネン ソリッド スーツ
カラー:チャコールグレー、ブラウン
サイズ:42、44、46、48、50、52
価格:¥110,000(税込)
商品番号:24-17-0774-015
他にも、

リゾートを語る上で外せないアイテムのひとつがキューバシャツ。歴史上のファッションアイコンも皆夏に着用している1着です。
Massimo d’Augusto / 別注 リネン キューバシャツ
カラー:ホワイト、ブラック
サイズ:XS、S、M、L
価格:¥46,200(税込)
商品番号:24-11-1995-493

こちらはAUBERGEとBrilla per il gustoのダブルネーム。当店の梶谷が企画して商品化された1着です。フレンチチャイナジャケットは昨今のトレンドにもマッチしていますね。
AUBERGE × Brilla per il gusto / 別注 リネン チャイナジャケット
カラー:ナチュラル、ブラック
サイズ:38、40、42、44
価格:¥52,800(税込)
商品番号:24-16-1404-608

GRENFELLの定番GOLFERもリネン素材なら新鮮な雰囲気に。特にブラックリネンなんてかっこいいですよね。
GRENFELL / 別注 GOLFER アイリッシュリネン ブルゾン
カラー:ブラック、カーキ
サイズ:34、36、38、40
価格:¥64,900(税込)
商品番号:21-18-0407-210

裏地の雰囲気も○です。
……etc.
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今、洋服業界でも機能的なもの(=ハイテクな洋服)が
かなり増えてきています。
その最たるものが
トラベラーと言われる化学繊維入りのウールトラウザーでしょう。
通常ウールトラウザーと言えば
ウール100%、もしくはウール98%・ポリウレタン2%の繊維でできている場合が大半。
しかしこのトラベラーは
ウール60%前後に、ポリエステル(化学繊維)40%前後が入ることで
シワになりづらかったり、
家で洗えてしまったり。
また非常に軽く、着用していてストレスにもならなかったり。
このように機能的素材で
作られる洋服は
パンツだけではなくて、
ジャージー素材のジャケット、パンツや
ポリエステルの入ったジャケット、
再生繊維を使ったシャツ、パンツなど、
他のアイテムでも見られます。
そういったものは
近頃増えてきていましたが、
コロナ禍の影響で家で何かをする
頻度が多くなった結果
今や完全に市民権を得たと言っても
過言ではないでしょう。
以前は仕事で使い回す為に
機能的素材の洋服を着用していた人が
その便利さ故に私服でも着用する
ということもあるでしょう。
そんな時代に、
リネン?
わざわざシワになるようなものを
着用しなくてももっと便利なものが
あるじゃないですか。
と思われるかもしれません。
確かにその考え方も一理あると思います。
しかしなんだか機能ばかりを
追いかけすぎて、
本来そのものが持つ美しさが
失われることも非常に惜しいことだなと
僕は思います。
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今度はちょっと自分自身の話なのですが、
僕は大体週に2度程仕事終わりに
スーパーへ寄って
2〜3日分の食材や材料を買ってから
家に帰っています。
その際に使う
エコバッグとして
こんなものを今後使いたいなと思っています。
(まだ実際には使っていませんが(笑))

手提げのないこれを持って家路につくとき
抱き抱えるような形になるので
重いは、手は塞がるは、
とても不便だろうと思います。

こんな感じです(笑)
素材も単純に厚手の紙なので
沢山詰め込み過ぎると
底が破れてしまうのではないか
という恐怖とも戦わなければなりません。
手提げ型で布地を使ったエコバッグ
を持つ方が便利に決まっています。
でもなんだかこの袋を抱えて
家路につく感じって
フランス映画とか
戦後〜50年代の日本の映画で
よく見る気がするんですけど
その如何にもローテクな感じが
僕には凄く洒落て見えたんですよね。
スーツにハットを被った紳士が
八百屋の野菜や、パン屋のフランスパンを詰め込んで
その袋を抱き抱えて家路につくみたいな。
そして坂道でリンゴを落としてしまってそのまま転がっていくというような。
そんな映画の1シーンみたいなムードに浸れるというか、
不便だけど心は踊るというか。
そもそも手提げのない抱える形の紙袋も
もしかすると50年代当時の人からすれば
買ったものを纏められるだけで十分に
機能的であったかもしれません。
同じようにリネンの洋服も
大昔のイギリス人からすれば
暑い夏を乗り切る為に
大変機能的なものであったはずです。
そうなると今ハイテクと言われているものも
50年後には随分ローテクなものとして
扱われるのでしょうか。
それならば時には機能性だけではなくて
"美しさ"にスポットを当てたものの見方
もいいじゃん!って僕は思います。
若い世代が家でレコードを聴いていたり、
父が如何にも使いづらそうなカメラを好んでいたり、
僕が不便でしかない袋をエコバッグとして使おうとしていること(何度も言いますがまだ使っていません)って、
全てその人達にとってはそれが美しいことで、
同様に
(リネン素材自体が美しいことは去ることながら)
このご時世で
リネンスーツなんかを
着用してみること、
その行為すらも
非常に美しいことなのではないでしょうか?
イエキ
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◎当店のメンズでは2週毎にテーマを設けまして、テーマに沿ったスタッフの装い、店内レイアウト、マネキンのコーディネートなどを積極的に発信して参ります。その第一回目は〈ボーダー〉となっておりますので是非注目してご覧ください。
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