タキシードの基本

花井 宗徳 2023.01.06


formal(フォーマル)の語源は、“form”

つまり、“形”。誰しもが同じ形になること……花井です。


『なんだかなー、個性の時代、多様性の時代、“型にハマる” とか、向いてないわー。』


とは、言っても、

日本代表のユニフォーム、

『いや自分は、赤、着たいっす、赤。』

などと、言われても困っちゃいますね。(まず間違いなく、フィールドに立てない。)


さ、そこで、まずは、基本をおさらい。

■昼間(日中、日があるとき)

【正礼装】…モーニングコート

【準礼装】…ディレクターズスーツ

モーニングコートの簡略版みたいなやつ。

ディレクター(重役、社長、管理職)が、ラウンジ用として着用し、広まったみたい。


■夜間(日没、日が沈んだとき)

【正礼装】…イブニングコート

※別名 燕尾服=スワローテールコート(ツバメみたいなやつ。)

【準礼装】…タキシード

※別名 ディナージャケット


つまり、タキシードは夜間用(会食)ですね。


さて当店のタキシードを軸に、ディテールをみていきましょ。


■拝絹(ハイケン)


サテン地の衿のこと。

“衿自体が”裏地であったことの由来。(立ち衿時代から折り返して、現在の衿型がある。

※画像はピークトラペル(ショールカラーでも可。)


■拝み(おがみ)ボタン


『左右対象』になる、美しい掛け方。


ちなみに、モーニングコートも同じ仕様だか、『弔事』の場合は、普通に左前で掛ける。…タキシードは、弔事(葬儀)NG。あくまで慶事用。


■側章(そくしょう)


サテン地の脇テープのこと。

脇縫いを隠すために考案。(縫い目が見えると恥ずかしい、、、当時の凄まじい美意識の塊がここにある。)

ちなみに、

・正礼装のイブニングコートは、《側章=2本》

・準礼装のタキシードは、《側章=1本》


■ノーベント(スリットなし)


元々“ジャケット型”においては、ノーベントがドレッシー。つまりタキシードはこちら。


その後、ジャケットのベントは発展していくのは別のお話。

・センターベント…馬に乗りやすい。

・サイドベンツ…サーベル(刀)抜きやすい。


コーディネートは、というと

■黒の蝶ネクタイ



■カマーバンド

ヒダヒダは、上向き。

(カマーベストでも可)


■白のリネンチーフ

※画像は違う。

(シルクでも可)


■ウィングカラーのシャツ

胸にプリーツ付き、ダブルカフス仕様。


(レギュラーカラーのシャツでも可。)


■オニキスのカフスボタン

(黒蝶貝でも可)

フロントのボタンにつけるスタッズボタンを利用する場合も、オニキスor黒蝶貝。


■ドレス(エナメル)パンプス

※画像は違う。


(黒のプレントゥー、ストレートチップでも可。)エナメルに見えるよう、磨き上げると良いですね。ちなみに、女性のドレスを汚さないために、エナメルが本格。

ジェントルマン=レディーファースト文化。


さて、ここまで来れば大丈夫。


招待状にもし、

「ブラックタイ」の指定があれは、こちらのタキシードを着用下さい。

BEAMS F /LOROPIANA タキシード
価格:¥173,800(税込)
商品番号:21-17-1578-015

ちなみに、(たぶん、ほとんどありませんが、、、。)

「ホワイトタイ」の指定があれば、イブニングコート【正礼装】を着用。

……ネクタイ、ベスト、カフスボタン、スタッズボタンは基本、すべて白。



あれ、ブラックスーツは?


日本的な【略礼装】。略した装い。

(ある意味、日本人の合理的な発案で、非常にいい文化です。)欧米では、“フォーマルウェア”というカテゴリーが存在しない。


もし、ブラックスーツを着て、

Vゾーンやアクセサリーに迷ったら、


正礼装や準礼装を、『昼』『夜』『式』『会食』『慶事』『弔事』に分けて考え、それにならうと、良いですね。


右側のブラックスーツは、、、

昼間の慶事を表した、略礼装。



BEAMS F/ブラックスーツ CARLO BARBERA
価格:¥96,800(税込)
商品番号:21-17-0084-264

《昼と夜を表現した、フォーマル ディスプレイ》

と、ここまで教科書的、、、。

ん〜、なんだか、基本の話は、つまんないと

思ってしまったので、次回は、別角度からの【タキシード】ブログを書こうと思います。


それでは、また近いウチに。ではでは。