会期目前の『世界の民藝』に並ぶ品々より、今回は伊賀と瀬戸の陶器のご紹介です。

過去に夏の恒例イベントとして開催していた『日本手仕事展』でもお馴染みの鎌倉<もやい工藝>さんより、今回も素敵な手仕事の数々をお借りしていますよ。
まずご紹介したいのがこちら。

三重県<伊賀丸柱焼>カネダイ陶器の蓋物。実は“おひつ”なんですね。上から一合・二合・三合のサイズです。
低火度で焼き上がり、多孔質という伊賀の土質から電子レンジの使用が可能。余ったご飯をよそって冷蔵庫にしまい、温め直す際にそのままレンジに入れられる訳です。なんという優れもの。

蓋の内側は釉薬を掛けずに焼成しているため、馴染みのある木製のおひつのように適度に水分を吸収。ふっくらとしたご飯がいただけます。
蓋を外せばオーブンの使用も可能。なんとチーズケーキも作ることができるんです。お湯を張ったバットに乗せオーブンで焼くとふっくら仕上がるのだそう。…魅力的ですね。

色は伊賀の白土を活かした白、飴、黒。
蓋の上部と側面に線の入ったものもご用意します。

美しい佇まいは、そのまま食卓に出しても素敵ですよ。
飯碗には愛知県<瀬戸焼>をおすすめします。まずは<瀬戸焼>小春花製陶の赤楽麦藁手飯碗。

器の縁から底に向かって描かれた線が底に向かって窄まる、この具合が麦の穂に似ていることから麦藁手と呼ばれています。熟練の技で二十四本の線が見事、一点に集まっていますね。
<瀬戸焼>瀬戸本業一里塚窯からは男碗と女碗。

<もやい工藝>の先代 久野恵一さんが骨董店で見つけた古い<瀬戸焼>の飯碗を見本として復刻された飯碗です。高台が低めに切られていて、軽く持ち易い。
そして、なんと言っても経年変化が魅力です。以前窯元から50年使い込まれた器をお借りすることができたのですが、ご覧の通り。

瀬戸の特徴的な白い土に灰釉が掛かり僅かに黄味がかった未使用の皿に対し、経年でガラス質のひびに貫入し深みのある色合いへと変化しています。
どちらにもそれぞれの美しさがありますね。
伊賀と瀬戸、今回はご飯にまつわる器をご紹介いたしましたが、他にもココットや湯呑みなど様々な器がイベントに並びます。
どうぞお楽しみにしていてください。
『世界の民藝』
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会期:7/31(金)-8/9(日)OPEN 12:00-20:00 ※短縮営業
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