ご機嫌いかがでしょうか、銀座店の新井です。

JACKET: VAPORIZE
SHIRT: BEAMS F
PANTS: INSCRIRE
SHOES: simon flunier
相変わらずのダブルジャケットにスウェットパンツ。あまりにも暑いので心折れてリネンに頼っちゃってます。蒸し暑い日本には本当にリネンがいい仕事してくれます。
完全にフライング気味の嬉しいお知らせが。

<RING JACKET>秋冬オーダー会の銀座店での開催がほぼほぼ決定した様です。前回の大好評の流れで銀座店にて3回目の開催。時期は暫定ですが8月下旬からの7〜10日間位ですかね。暫定ですので変更になる可能性もございます。
いやー流石に常時開催は難しいので無いと思ってたのですが、どうやら銀座店スタッフ達の頑張りが報われたようです。最近は<RING JACKET>さんの路面店にスーツを買いに行っても全然在庫が無かったのでBEAMSに流れてきましたとか、プライスが難しくて流れてきましたってお客様もチラホラいらっしゃってます。
もう7月に差し掛かりますが私のオーダーしたジャケット2着はまだお目にかかれてない程に工場キャパは詰まってしまって時間が掛かってますもの。
先日は大阪で前回の開催時にオーダーして頂きましたお客様からわざわざ仕上がりのご報告と喜びのお声の電話がありまして。仕上がりにも大満足を頂けた様でしてありがたい限りです。でも更に仕上がりに感動頂けるのは着込んでいってからなのでじっくり愛用していって下さいませ。
前回オーダー頂きましたこのFOX BROTHERSのヘリンボーンソフトツイードの仕上がりが正に良い例です。
やっぱり秋冬生地でテーラードジャケットを仕立てるのが最大のオーダーの醍醐味。特に最近人気の打ち込みの強い英国生地で仕立てるとこんなにもラペル周りや肩とかの表情が良いんだなぁーと改めて感動する次第。
そしてパーソナルオーダーで仕立てると既製品の量産とはやっぱり違う手間暇と着心地。既製品でも他さんとは違うでしょーと店頭で語ってましたが、これは更にマシマシでドヤ顔になっちゃいます。
これまた暫定ですが、オーダープライスも流石にこのご時世もあって改定の連絡が有り、
ジャケット¥200,000〜
スーツ¥270,000〜
コート¥270,000〜
そりゃーそうなりますよね。イタリアサルトブランドだとジャケット1着30万以上になってるし、往年の最高峰サルトは80万とか100万なんてとんでもないプライスになってる状況ですもの。まあ日本だけが世界景気に取り残されてインフレに付いていけてないってのも有りますし。物価は安いし、交通インフラは世界一レベルだしで海外旅行客がわんさか日本に来るのも頷けます。
みんな子供が大好きな夢の国のチケットもこの10年で7回も値上げしてますが、ターゲットが明確に今後は富裕層と熱狂的なファンに絞られていく傾向なんでしょう。そしてそれを経済は評価して株価は上がってますし。
20年前の僕がBEAMSに入った頃は、ビジネスマンの方が我先にとウチのスーツを2着3着と買っていく狂想曲のごとくでしたがもう時代は変わったんですよ。
もし僕が毎日スーツを着て戦うビジネスマンでしたら多分普通の日は1兆円企業の感動する機能性セットアップにして、ここぞって時に着る1着をオーダーで仕立てるでしょうね。10万円以上の良いスーツを無駄に毎日着て酷使する必要は無いんですよ。毎日のローテーションで3着を買うなら、たまにの勝負服で30年後まで着れる渾身の日本最高峰仕立ての30万円の1着に投資する方が僕には得策に思えます。
毎日毎日アレやコレやって大量にスタイリングバリエーションを必死に頑張ってるインフルエンサーの服を見ても散漫なだけで渾身のひとつが全然心に響く事は無いんですよね、残念ながら。自分のスタイルと精神を表現する渾身の1着を着るスタイリングを何十回と見返す方が価値があるに決まってます。
12歳と9歳になる息子が2人いますが、あと十数年後に息子達に仕立てたスーツを引き継いで着てもらうのとか想像すると楽しいものです。それこそ価値のある仕立て服を羽織らせてあげたい。やっぱりどんな男でも親バカになっちゃうものなんですね。
服だって文学だって音楽だって映画だってそう。新しいモノも貪欲に取り入れますが、雑多に吸収し過ぎると意識も感覚も散漫になってヘンテコになっていっちゃう。そんな時は必ず原点に帰る事に僕はしてます。あの90年代名作文学の登場人物の先輩のセリフじゃないですが、何十年って時間の洗礼を受けても残るものにこそ自分の時間を割く価値があると思うんです。モノが溢れているからこそ自分の時間を費やす時間も大切にしなきゃダメなんです。想像以上に1人の人間の生きる時間なんて短い。
そして日本に現在するテーラードスーツの仕立てという範疇では今度の<RING JACKET>での仕立ては最高峰と断言できるのは前回のオーダー会で証明されました。
そして皆さん気付かれました?今回は秋冬生地メインなのでコートのオーダーも可能に。
ボーナス全額注いでも一生に1着のコートを仕立てたくなっちゃいますよ。こんなに素晴らしいテーラードコートを仕立てられるファクトリーを僕は他に知りません。
<RING JACKET>秋冬オーダー会in銀座店は8月下旬開催予定です。
前回秋冬生地が在庫切ればかりで断念された10数名のあのお客様。今回こそはお待ちしております。
表題は80年代の熱狂の最中に出された最高傑作アルバムのハイライト曲のひとつ、
there is the light that never goes out

rockarchive/THE SMITHS
価格:¥104,500(税込)
商品番号:23-83-0245-950
モリッシーならではって感じの表題を見ただけで何となく胸にグッと来る感じとか相変わらず引きこもり少年の心象風景とか、確か初めてこの歌を知ったのは高校2年の時でしたが、そんな意味なくナイーブな少年の気持ちをなぞる様な表現は正しくどストライクだった訳でした。
曲中で歌われる死への願望だったり、もしくはそれが出来ない弱さだったり。そしてそれを優しく悲しく包む様にストリングスの美しい響きだったり。
居場所の見つからない少年の、今夜僕を連れ出して欲しいと言う心の吐露にあの時の僕はどれだけ感情を揺さぶられたか。モリッシー青年の気持ちそのものに聞こえる歌詞は、そのまんま僕にも同じ様に当てはまるし多感な時期を過ごす少年達の心に当てはまったからこそ30年以上経っても色褪せない凄みを感じます。
そして間違いなく暗闇に佇んでいた僕を連れ出してくれたのは何年経っても色褪せない洋服であり音楽であり本だった筈です。
決して消えない光があるんだ。
それでは銀座店での<RING JACKET>オーダー会でお会いしましょう。
新井