階段は天国へと続いていく

SHUN 新井 2021.08.25

今晩は、銀座店の新井です。


予定時間にアップされない様でして。申し訳ございません。

いよいよ日本全国深刻な事態になってきましたね。どうか皆様自己防衛をくれぐれも入念に。オンラインのお買い物でお困りの際にはお気軽に電話でのお問い合わせもご活用下さい。


こんな状況でも流石にオンラインでは解決できない半年に1度のオーダーフェア開催ももう間近。

お店には紳士たる者の大好物、生地バンチが勢揃い致しました。


以前はイタリアの生地がメインでゼニア、ロロ、カノニコに人気も集中していたのですが、今はどっしりした打ち込みの強いイギリス生地のラインナップが大充実しているんですね。フォックスやハリソンズ、ジョンフォスターなどなど。スタッフはやっぱりフォックスのツイードやフランネルが大好物でしょうね。


先日、何人かのお客様が生地バンチの下見にお越し頂きまして、じっくりバリエーションに目を通して頂きご案内する私としても楽しい時間を過ごせました。これはまさしく服道楽な紳士の方には天国じゃないかと。

そして今期は初めてリングヂャケットさんの縫製でのオーダーフェアも9月から開催。今まで出来なかったリング製ジャケットパターンを使えるので、相当いい雰囲気の仕上がりになるんじゃないすかね。


この新型のフィレンツェモデルも使えるってのがまた、わたくし胸がトキメキました。


フィレンツェモデルで日本で有名なのはリベラーノさんでは。またそれを着こなしている鴨志田氏のスタイリングは会社を越えてドレススタッフは誰もが1度は憧れたと思います。ウチのドレススタッフでも分かりやすく憧れて真似してるコもいますしね。私は模倣が1番の成長の近道だと思います。

やっぱりこのラペルと袖山の雰囲気、フロントが丸く外に流れるラインは只者では無い雰囲気がプンプン匂います。昔からリング縫製のジャケットを沢山見てますが、モードなサンローランテイストのエレガンスモデルやゴリラタグのアメリカンサックスーツモデル、ナポリスタイルからこのフィレンツェモデルまでホントに様々なモデルを作り上げるセンスは日本の縫製工場では抜きん出てるのではと。そして何より日本人体型にハマりやすいワケで。他にもリング製ブレザーなど其々拘りのモデルパターンがあるので、その相性を考えて生地も選ぶとなると相当楽しいオーダーになる事請け合いじゃないですかね。


リング製定番モデル


ブレザーハンドラインモデル


前回は銀座8丁目のお店の話をしましたが、2年で閉店してしまった後は、全国の百貨店やセレクトショップをメインにオーダースーツを請負う会社でオーダーとオリジナルスーツの生産をしこたまやってました。フル、イージー、パターンとオーダーを年間1000着以上フィッティングする中々の武者修行。勿論フィッティング技術は格段に上がりましたが、最終的には対お客様との意思疎通が1番大事ではないかと。

この道40年の大ベテランのモデリストのおじさんが口下手でお客様との意思疎通不足で仕上がりに失敗してしまったり、イタリア、ナポリの大巨匠がやる気満々でフィッティングしたら、それもまさかの失敗。そのお客様は身長は低めで恰幅の良い方だったのですが、ハウスモデルを原型があまり残らない位に体型にハマる様にしたら、確かに仕上がりは体型に沿って変なシワは無く綺麗。でも着た瞬間のパッと見でなんか鈍臭くてカッコ良くない。。お客様も着た瞬間にカッコ悪いって汗 これは非常に勉強になりましたね。やはり1番大切なのはお客様と作る側の考える仕上がりがどれだけ意識統一を図って同じ方向に向かっているかではないかと。ビスポークって言葉は正にこの事だと胸に刻んでます。

私もオーダーでは大変な事もありました。元総理大臣の方がご高齢を理由にジャケットの試着をしてもらえなくて、ヌード採寸のみで作る荒技をしたり、これまた有名な服飾評論家はアポイントと違う日に来ちゃって別の新人スタッフの何となくな採寸データを頼りに作るとか、今や日本ラグビー界の英雄がまだ学生の頃に作りに来てくれたのですが、採寸がシーズン中でしたが仕上がり確認時はオフシーズンで筋肉が落ちてサイズが2サイズ分変わっていて、、、発作で倒れそうになりました。


ここからは私の勝手な持論で申し訳無いのですが、オーダーはオーダーですが、体型補正も含め修正して綺麗に作りたければ個人のテーラーさんとか他に沢山あるわけで。ビームスでオーダーする意味って何かと言われれば、問答無用で今の時代性を的確に迅速に捉えたセンスな訳で。パターンもそうですが選ぶ生地のセンス、合わせるスタイリングのセンス、そこがセレクトショップでオーダーをする真骨頂ではと。まあウチの中でもスタッフに寄りけりかも知れませんが、、艶っぽいエッジの効いた生地チョイスが上手かったり、ベーシックながら上品で知的な雰囲気の生地チョイスが上手いスタッフとかホントに個性様々なのでそこはお客様がアテンドをお願いするスタッフをご自由に指名頂ければと。


個人的に今回のバンチで特におすすめしたいのがジャケット用のイギリス生地シリーズ。特にムーンとか。去年からのこのコロナ不況のせいか生地屋さんが従来よりお安く出してると思います。去年ウチも夏のセール初っ端から50%オフ目白押しだったみたいな感じですかね。


表題は余りにメジャーなイギリスの伝説的バンドの70年代初頭の天国ソング。

このバンドってハードロックの代名詞的な感じですが、私的にはこれまた非常に多様性、混血性のあるロックバンドだなぁと。4人の経歴も抜群ながらそれぞれの音楽の趣向性もてんでバラバラ。でもその各メンバーの多様な音楽性の衝突、融合が奇跡的に練り上げられ生み落とされた摩訶不思議な深みと闇を持ったフュージョンミュージックであり破壊的ロック。その中でもこの曲は静から動への絶妙なドラマ性が組み上げられる流れで正に天国へ昇っていくよう。この人たちの音楽ってやっぱり卓越した個性をもつ4人だからこその成し得たものだと思うし、誰一人欠けても成立はしない訳で。


国内屈指の縫製力を誇るリングヂャケットさん、著名モデリストによる独自のパターン、ビームスドレススタッフによるセンス溢れるご案内、世界中より集められたプライスバリューなファブリック。

この4つのエレメントで紡がれる仕立て服は、きっと鉛の飛行船の曲と同様に紳士の方々を至福の天国へと導いてくれるはず。



いつもの見慣れた銀座店3階へと続く階段が、至福の時間を約束する天国に続く階段に見えてくるのは気のせいじゃ無いですよ、きっと。




それでは銀座にてお会いしましょう。


新井


火曜金曜20時定期投稿です。