ご機嫌いかがでしょうか、銀座店の新井です。
そろそろ皆さんプライスオフを意識されて下見にいらっしゃる方とお話する機会が増えて参りました。流石にスタッフもまだ告知されておりませんので、、でも探り合いみたいなご案内でのやり取りが心理戦で面白いですけど。全く責任を持てませんが私の経験で競馬みたいに予想とか傾向はお話出来ますので面白半分で聞きに来て下さい。

そして関係ないですがスタイリング写真をサムネ画像にするとやはり見てくれる人が多いので私のある日のスタイリング。もはやビームスらしさとか皆無で申し訳ございません。でも全て実はウチで購入した商品なのでご安心を。今季では無いのばかりですが。
今回はドレスフロアで扱うパンツの雑談で。上のスタイリングでも同様のパンツを履いてますが、実は銀座店でも展開するレーベルオリジナルのフレアパンツが全国的にダントツ位に売れてたのにはビックリでした。

IG/ストレッチフレアパンツ
カラー:ベージュ、パープル、ブラック
サイズ:S,M,L
価格:¥18,700(税込)
商品番号:23-23-1436-262
そう、フレアパンツはオジサン達には履けない若者だけの特権なのかって話なんです。60年代から70年代にかけてのアメリカやヨーロッパの名作映画の俳優達も時代を彩ったカリスマアーティストもみんなあの頃はフレアパンツを履いて、今見てもしびれるスタイリングばかり。
カルダンやローランによるフレアパンツのスーツスタイリング提案は今でも定期的に色々なブランドでオマージュ的な形で見る事ができますしね。
その時と今とで違うのは上下のバランスを崩すシルエット。今でしたら断然ロードロップの大きめサイジング、パワーショルダー気味のワイドラペルジャケットで細身のフレアシルエットパンツを合わせる雰囲気がグッときますよね。
流石に今だにフレアパンツにナローラペルでショート丈のスリムジャケットの合わせるのはキツイかと。今時タイトフィットのショートジャケットなんて何処も売ってないですけど。
流石にビジネスツールも踏まえたクラシック好きなオジ様達にフレアシルエットは履けません。でも今の流れを踏まえると昔のインコテックスみたいな、ややストレートっぽいシルエットのドレスパンツを探してるお洒落なオジ様達もちらほら。
そうなんです、やたら裾幅の狭い、しゃがんだらふくらはぎで止まっちゃって裾がずり上がっちゃうキツイテーパードシルエットは皆さんもう飽きてるんですよね〜でも流石にフレアシルエットは体型的にもドレスコード的にもオジ様が履くのは厳しいが細すぎるのも勘弁。そして上記を踏まえたフレアまではいかなくてもストレートテーパードシルエットのドレスウールパンツは私も履きたい気分。なので前回お話したの銀座ドレス企画提案ムーブメントに早速パンツ企画は入れてもらおうと思ってます。15年くらい前にやってたペスカローロみたいな感じですかね。
既に他社のセレクトショップ界隈のファッションキュレーター達はフレアパンツ目白押し。ブリムハットかぶってる人とか眼鏡の髭男子とか。
でも銀座店ではオジ様達がこぞって買い漁る今季大ヒットパンツは正反対の様なスリムデニムパンツ。

PT TORINO/SWING ウォッシュデニムジーンズ
カラー:ブラック
サイズ:29,30,31,32,33,34
価格:¥38,500(税込)
商品番号:24-21-7122-512
これ以外にもSWINGとROCKモデルのインディゴからウォッシュデニムからホワイトからブラックまでありとあらゆる色の物を何本販売したから数え切れない位。今は在庫が枯渇してしまう有り様でお探しのお客様に来春の入荷を予約のご案内を促している状況です。
やはり世のオジ様方はカジュアル履きには脚長に見えるスリムシルエットを引き続き愛用とお考えの様ですね。この辺も私が1年前から想定が的中でした。なのでラスト企画シーズンでは世のオジ様方のお財布に優しいスリムデニム作ってたりもしました。

BEAMS HERAT/ストレッチテーラードデニム
カラー:ブルー、インディゴ
サイズ:S,M,L,XL
価格:¥8,800(税込)
商品番号:41-21-0005-819
知人の方々もこれを購入して、履きやすくてジャケットに合わせ易いと大変好評のお声を頂きました。
イタリアデニムは約4万円もするビビるほど高価なのでそれよりも気軽に履けるのは助かりますよね。パターンも限りなく再現してますので美脚シルエットになれると思います、多分。かなり伸びるので普段46サイズを履いてる私でSサイズでピッタリでした。ご参考までに。
大分パンツの話だけでも散らかってしまいましたが、インポートパンツブランドは軒並み4万円越えでもはや趣向品、贅沢品の域。シルエットもフレアに右習えで新しいシルエットやもう少し買いやすい価格帯の提案が出来ればみんな買って頂ける筈だと。
ここまで話してると国内縫製でドレスパンツのブランド企画をなんなら自分でやったら儲かるんじゃないかと思っちゃう位。それ位皆さん、コスパやシルエットも含めてパンツを探してるのをお店ではよくお見かけしてます。
そしてビームスクロージングは分かりやすくすみ分けをされながらもクラシックとモードのレーベルがクロスオーバーするセレクトショップ。
パンツ1つをとっても古臭い固定概念だけにとらわれず、フレアシルエットもテーラードクラシックシルエットも含めて上手に調和させて着こなせるような商品開発とスタイリング提案をしていかないとダメですよねってオチに今回はさせてもらおうかと。
とりあえずこの間まで銀座ドレスフロアマネージャーだったビームスFオールドルーキーバイヤーの頼もしき村瀬氏にドレスパンツとか諸々の企画書を今月中を目処に送ろうかと思います。彼の名言、「イケてないっすね」って言われない様に皆様のご助言もお待ちしてますね。
表題は69年発表の世界一有名なイギリスロックバンドBの最後のアルバムの冒頭曲。
このアルバムのジャケ写が世界で最も多く目にした事のあるフレアスーツのスタイリングではないでしょうか。フレアパンツのお話で真っ先に頭に浮かんだのがこのジャケ写とこの曲。
このバンドって今更語る事なんて野暮としか思えないのですが、キャリアの中で実験的ポピュラーミュージックへの挑戦とかファッション性とか録音技術の意欲とか他ジャンル音楽の融合とか色々な方向でロックの革新をもたらしたのはご周知の通り。
只、それらの新しい事を生み出す為に、彼らはめちゃくちゃ過去の音楽とか技術とか勉強して研究もしてたからこそ新しさを見出していたという事。温故知新って日本語はその表現にピタリですよね。
これからのファッションも然りですよね。1920年代から始まるドレスクロージングの年代による変遷だったり、モードというカテゴリーでのそれも然り。
その時代を的確に捉えた新しいファッション提案力。頭を柔らかくして、ちゃんとお勉強もして精進しないといけませんよね。
それでは銀座でお会いしましょう
新井
定期投稿毎週土曜になります。