【第35話。赤松と学ぼうAdawat’n Tuareg】

赤松 優一 2024.03.07

相変わらず別れと出会いの季節ではございますが

別ればかりを惜しんでもいられません。



新しい出会い、


そう、ニューカマー達も続々と現れはじめており。



アルバイト、新入社員、人事異動、様々な面々でございますがつい先日はメンズカジュアルにもナイスガイが入社してきており、

新・ビームス 梅田になりつつございます。




皆様こんばんは。お待ちかね、赤松の登場でございます。




最近のわたくしは申しますと



ずっと先送りにしてきた趣味の刺青を再始動させ、もうどうにもこの仕事以外での社会生活が不可能なレベルに達しており、諦めという名の悟りの境地を開きはじめておる最中。



長年躊躇してきた部位への施術でございましたが終わってみると案外なんのその、多少不便は増えましたがすこぶる絶好調なわたくし。



ここまで来たら最後の砦【首】まで彫り進めたい所存ではございますが

もう少し仕事との折り合いを判断してからにしようかとなかなか迷っております。


しかしながらいつ心変わりするかも分かりませんので



各種ネット媒体で私が首に何かを巻き始めたらその時は



「あっ、ついに行ききったな赤松よ」



とそのようにご認識頂き。


店頭にて振り切った生き方を選べた事に恍惚な表情を浮かべるわたくしを是非見にいらして下さい。





ちなみに私は刺青ビギナーたちには



【迷っているなら絶対にやめておけ】



というのが基本スタンスでございまして



ジジイになった時にしわくちゃでダサいじゃんなどと言う人達もおられますが、


人生の何割の話をしているのだ、というか何年後の心配を今からしとるねんとここに関しては大事に考えておらず


どちらかと言うとこの日本において

服で隠れない所に刺青がある事の大変さについての価値観でございます。



勿論公共のお風呂に行けないよね、レベルのお話の類ではなく人生どこでどうなるかわかりませんというお話。



今勤めているのが刺青が許された大好きなお仕事だったとしても

結婚し、子供ができて生きる優先順位が変わってきた時に今想像しないような判断に迫られる時が誰しもに訪れます。


恐らくこれは刺青の有無に関わらず訪れる事でしょう。


勿論訪れない人もいるかと思いますが



新しく何かを始めたい時、刺青の入った体はビックリするぐらい邪魔になります。


選択肢が勤めであるならば尚のこと



そりゃあもう笑ってしまうくらいです。





私は恐らくアパレル業界的には珍しい


【逆輸入バージョン】


の人種なのである種の開き直りというか、

どっからどう見ても開き直りでしかないのでこんな生き方でございますが


極めて私の生き方に理解の深い妻、家族あっての事。




本当に行き詰まった時の恐ろしさは経験しないとわからないのも当然でございますが、

刺青行為は生きてて数少ない



【後戻りできない行為】



でございますので、どうか熟慮の上ご判断下さいますよう。 



基本的には後悔はありませんが

こういう体が「個性」になる仕事は決して多くはありません。



あくまで周りへのスタンスです。



私にとってはとたも大切なものです。





余談ではございますが

数年前の大雪の日に、同じマンションに住まう小学生たちと巨大雪だるまを作っていた際に



「おっちゃんタトゥーしてる〜」



などと言われるもんですから



「そや、お前らこんなもん絶対やるなよ」



と返しておりますと



「そんなんやってる人に言われても〜」



と返ってきましたので



「逆や。やっとるからわかるねん。」



と30歳以上離れた子供にマジレスを返した事がありました。


嫁松からは子供相手に何をムキになっとるんだと笑われましたが。




前置きが長すぎてここまでで1話にしたろかいと思いましたがそれこそ意味不明になりますので

きちんと致しましょう。




なんと本日はスタッフ紹介ではなく。



なんとアクセサリーのお話。



なんと赤松ブログからアクセサリーのお話でございます。




民族系とでも言いますでしょうか、

海外のどこかの民族の伝統的な工芸品がアパレルにて取り立たされる事がしばしばございます。



恐らく皆様も想像に易いのが



【インディアンジュエリー】



ではないでしょうか。



弊社ビームスでも定期的にインディアンジュエリーのイベントが開催されており、全国にもコアなファンが数多くいらっしゃる大変有名なジュエリーと存じます。



かくいう私もインディアンジュエリーへの理解を深めるべく一点くらい買うてみようかとイベント開催中のビームス 神戸に訪れてみましたが


気に入ったデザインが

【小さくて入らない】か【異様に高い】

ループから抜け出せず流石に妥協で買うのも違うかと諦めてきた次第。




と申しましてもこういうお仕事ですので、すごくインディアンジュエリーが好きで、というよりも勉強として求めてみたというのが本心で



私、赤松の本当の推しは



【トゥアレグシルバー】



でございます。







うん、華奢がデザインが何ともセクシー。




そう、本日は皆様にトゥアレグシルバーの渋さを語るべく

珍しく商品のことなのに前向きに執筆しております。



珍しすぎて我ながらビックリしておりますが

お店にトゥアレグシルバーの商品が入荷してきてテンションが上がってしまっているのでしょう。


興味のある方には楽しんでお付き合い頂き。


興味のない方にもふーんなるほどねと思って頂きたく書き進めてまいります。




まずはご存じない方の為のトゥアレグシルバーの説明を。



トゥアレグ族とは



アフリカはサハラ砂漠の辺りで暮らす遊牧民の事で、強い日差しを避ける為に装着しているマスクやマントが青い事から通称


「青の部族」「青の民」


なんて言われている人達でございまして



私としては「遊牧民」「青の部族」


もうこの時点で何だか心が動かされてしまう次第。


もう魅力的


もうセクシー。




そんな彼らの作るアクセサリーがトゥアレグシルバーなどと呼ばれております。




彼らの作るシルバーにはいくつか特徴があり




まず非常にきめ細かい細工である事。



細かなデザインを一点一点手彫りで細工するため

基本的には全く同じものという事が起こりません。



有名な所で申しますとエルメスがこのトゥアレグシルバーに心奪われ、同ブランドからアクセサリーを発表した事で非常に知名度を上げ、


また専門のブランドの立ち上がりもあり「商品」として同じデザインの生産はあるものの制作過程はすべて手作業となっております。




トゥアレグ達にとっての伝統的な模様を彫りつつ、写真に見られる黒い部分はと申しますとエボニーウッドとよばれる非常に硬い木材にて装飾されており、このバランスがまた何とも美しく。







シルバー×ブラックという


ありきたりではございますが背景を知るだけでグッと魅力的に感じてしまうのは赤松の習性。


皆様もなんだか魅力的に見え始めてきた事かと存じます。




そしてもう一つ特筆すべきは非常に純度の高いシルバーであると言う事。




皆様よく耳にされるであろう、

シルバーの【925】というワードの意味をご存じでしょうか。


この925というのは銀の割合を示すもので要は92.5%がシルバーですよという意味。



残りの7.5%は制作過程により様々ですが一般的には銅、亜鉛、ニッケルなどが用いられ、

この比率がシルバーアクセサリーにはとても良いバランスですよとなっておる訳でございます。

要は程よい硬さになりますよと言う事。



何故かと申しますと純銀というのは非常に柔らかいものであり、100%シルバーで制作するとアクセサリーらしからぬほど柔らかいものになるからです。



厳密に言うと100%というのはチリ一つ混ざっていない状態をさすので基本的にこのような書かれ方をしているのは見た事がありませんが


トゥアレグシルバーは925より純度が高いのは明らかで、非力な私の握力でもいとも簡単に変形させる事ができます。





以前



「トゥアレグなぁ〜、格好良いねんけど柔らかいのがな〜。やっぱインディアンジュエリーがぁ、、」



などと不躾に言い放った知り合いがおりましたが


いつからアクセサリーの価値が硬度になったのだ。


お前が勝手にインディアンジュエリーが好きなのはいいが、トゥアレグを卑下するなら話が変わってくるぞと、


何に腹が立ったのかは我ながらよくわかりませんが、トゥアレグ族の出身者かと思われんばかりに詰め寄っておきました。





基本的にはいち民族の工芸品ですので

彼らにとっては収入を得るための仕事。


故に色んな人が色んな状況下、色んな条件で作っており、


世に流通経路を持ったブランド化されたものは商品としての精度が整っていて当然ですが



そうでないものは割と雑多なものやそもそもベースの金属がそもそもシルバーでないもの、


シルバーの割合が低いもの、


彫りの技術がかなり甘いものなどが流通しており



かくいう私のファーストトゥアレグも友人のやっているフランス古着の買付の際に、フランスの蚤の市で見つけてきたものを売ってもらったものでしたので心の底から何で出来てるかよくわかりません。








マグネットに反応はしなかったので鉄ではなさそうですが異様に硫化が早く何回磨いてもすぐに黒ずんできます。


よく見れば彫りも非常に甘いですね。


こんなものでも愛着が沸くのだから味があるなどとはよく言ったものです。




余談ですがシルバー(純銀)は基本的に錆びませんのでいわゆる表面の黒ずみは、「硫化」という現象になります。



要は表面拭いてくれたらピカピカになるぜい!

でもまた黒くなるぜい!

というもの。



錆びは酸化になり、基本的には鉄に対しての反応となります。



写真のものももはや何が発生しているのかわからんくらい緑色の何かがついていますね。


最初のうちは薬剤を用意してマメに磨いておりましたがあまりにも変色するので放置することにしています。






というかもう流石に無駄話が多すぎて疲れてきたのでビームス 梅田にあるトゥアレグシルバーブランドを紹介して終わります。



【Adawat'n Tuareg】

アダワットトゥアレグ



この手のブランドは読み方が曖昧でアダワットと読む人もいればアダワットゥン、アダワットンなどと読む人もいるのでお好きなものでどうぞ。


私はアダワット派。



もう散々近いことを書いてきたので説明しませんが(うっかり)


エルメスのように高額ではないものの、精度の高いプロダクト。

気高さと美しさを備えたナイスブランドでございます。


一つだけ気に掛かっているのはビームスページにてシルバー925との説明がございますが、これには少し違和感が。



それにしては柔らかいような。

黒ずみにくいような。



あくまで服屋ビギナーの私の見解なのではっきり言って自信はありません(どーん)


多分ビームスページの方が正しいと思います。



ブランドとして925でいくというスタンスなのか

もう調べるのも面倒くさいので割愛しますが、

925の前提として見てもらうのなら多分少し柔らかいなと感じられると思います。


特にバングル。


リングは確かに少し硬いかもです。




ご参考までに。





私から申し上げますと

ボロのトゥアレグを所有した経緯から

もう純銀でも925でもどっちでもええ。


格好良いから何でもええ。


そんな格好良さでございます。




以下一部ご紹介です。




太めの幅でシンプルな形状。メインとして存在感のある一品。




Adawat’n Tuareg
カラー:シルバー
サイズ:フリーサイズ
価格:¥¥13,200-(税込)
商品番号:21-42-0168-837





少しデザイン性もありつつ、控えめなボリューム。

着用中でもペンなどに干渉しにくく個人的には優等生な一品。利き手にオススメです。




Adawat'n Tuareg
カラー:シルバー
サイズ:フリーサイズ
価格:¥14,300-(税込)
商品番号:21-42-0050-837





個人的にはブランドらしさが1番詰まっているように感じるバングル。厚みがあるので硬そうですがすぐに曲げれるので大変つけ易い一品。




Adawat’n Tuareg
カラー:シルバー
サイズ:フリーサイズ
価格:¥¥22,000-(税込)
商品番号:21-42-0143-837



ちなみに冒頭の刺青の話は何だったのかと申しますと、

弊社のこちらのページは自身の刺青の掲載が不可のため

写真のアクセサリーを着用した手首のモデルが全てビームス 梅田、門田であると言う事。






この為だけに刺青の話をしました(しすぎた)


ありがとう門田。




個人的にはトゥアレグは一品だけでも素敵な装いになりますが

リング、バングルなどの複数の重ね付けが渋いかなと。



皆さんの色んな付け方、編み出して頂ければ幸いです。



私はこの仕事にしては致命的なアクセサリー嫌いで結婚指輪すらしておりませんでしたが、

24年度は克服すべく色々つけてみていく所存でございます。



トゥアレグに関してはまぁまぁ喋りますのでご来店の際は是非ご相談くださいませ。





恐らく。


恐らく35回目にして恐らく初めて商品の事を書き切った回となりました。



服屋マジレスと赤松テイストの融合を目指した回となりましたが


愛読頂いておりますスタッフの皆様。


毎度楽しみにして頂いている、わざわざ自宅に帰るまで読むのを温めて下さっている【I 様】



またご意見頂ければ幸いです。



これからはお洋服の事も書いてみようかなと企んでおる次第。

あくまで私の数少ない知識を披露するというものではなく、


私が日々の業務の中で学んだ事を皆様に共有するという


【赤松と学ぼうシリーズ】的に。



楽しくなさそうならすぐやめます。


お楽しみに。





以下より赤松のスタイリングがご覧頂けます。【スタイリングがお気に召されましたらトップページより(♡+フォロー)頂けますとより便利にご利用頂けます。】



そして赤松ブログも大変見やすくなり極めてラブリーでございます。



今回初めてこちらに辿りついた方はある意味不幸かもしれません。


そんな赤松初心者のあなた。


まずは第一話から本ブログの本質に触れて頂きたい。



【第一話。はじめまして赤松と申します】



心がクスッとしたのならあなたは紛れもなくチームあかまchu。


今すぐフォローする義務がございます。



私と一緒にビームスを楽しんでまいりましょう。


お買い物以外にも楽しむ要素がある、そんな洋服屋さんを目指してまいります。



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本日も素敵なお洋服と楽しい出会いが皆様に訪れますように。


赤松優一。