ご機嫌いかがでしょうか、立川店の新井です。
今日も元気にブレザースタイル。いつも同じとお思いかも知れませんが、実は365日違う合わせは必死に考えてます。本日は赤いちゃんちゃんこを武器に悪い妖怪退治の接客スタイルとなりそうです。
今年も絶好調のこのパンツブランド
今期のバリエーションも揃いました。
最後の入荷のリネン素材がまたすこぶる良い雰囲気です。

giabsarchivio/MAS LINEN
カラー:グレー、ブラウン、ネイビー
サイズ:42,44,46,48,50
価格:¥33,000(税込)
商品番号:24-23-0784-348
このリネンの生地のチョイスの絶妙加減がまた素晴らしい。キレイなドレープを生む程良い柔らかさとウェイトで横ストレッチも効いてます。
この数年で瞬く間におじさまパンツ界に彗星の如く現れ、今現在も継続して愛されるこのブランド。
相変わらず試着して頂くと購買率ほぼ100%。どうやら世の中のお洒落なおじさまの心を鷲掴みにして離さない様です。オンオフ兼用イージートラウザース需要に拍車がかかってイイ追い風吹いてます。
ウエストのドローコードとサイドのギャザー仕様の元祖的なブランド。でもこれをおじさま達が愛するクラシックなパンツ業界にいち早く取り入れたのが大発明。そして生地のコレクションチョイスが非常に基本を抑えつつジャージー等の生地クォリティがパンツアイテムとしてナイスなんですよね。
そして最大のポイントはなんと言ってもシルエット。このパンツパターンですね。日本の男性体型としてはかなりの割合でお尻が平べったい平尻って言われてるのですが、西欧のパンツパターンはどうしても出尻体型に合わせたパターンでヒップトップが余ってしまう。その結果おじさま達が気にされるヒップ下の渡りが下にだれてシルエットが綺麗に出ないと。だからこそインコテックス等のパンツブランドは日本等のアジア向けのモデルを作ってましたね。
企画時代にアジア生産でこのブランドをお手本に何度も何度もイージートラウザーズに挑戦したんですが、パターンだけ上手くサンプリングしてもどうしてもこのクオリティには届かなかった思い出が有ります。シルエット重視で作ると足を前に出し辛くなったり、可動性を重視すると内股部の余りが目立って、シルエットが綺麗に出なかったり。どうやらパターンどころかそれを活かすパンツ縫製もイタリアンマジックってのが有るらしいです。
加えてウエストギャザーが本当にいい仕事するんです。なんせおじ様はみんなお尻が平べったい。でも美味しいご飯食べてお腹は少し出てる。だからウエスト合わせてパンツを履くとお尻と太もも部の生地が余ると。サイズを小さくするとヒップと渡りのシルエットは綺麗なのですがウエストがキツくて入らない。こんなケースがおじ様は本当に多いんです。そこでこのパンツのウエストギャザーが最高にいい働きをするんですよね。サイズを下げてもギャザーが伸びていい感じにウエストもフィット。ベルトをせずともフィット感抜群で美脚シルエットの完成。今までパンツのサイズ選びに非常に頭を悩ませていたおじ様達とドレススタッフの救世主です。購買率が高いのも納得。
このブランドのアイテムは絶対値下げの必要の無い永世定番。数シーズン毎に新しい提案生地が展開されればちゃんとリピーターの方にも響きます。今回はリネン生地が抜群のオススメですね。もちろん定番のテクニカルウールトロピカルも安定感抜群です。
15年位前に銀座8丁目でこじんまりとした先鋭的トラッドスタイルのショップをやってた時に、フランスのとあるブランドのデザイナー夫妻がお店を見に来てくれたんですが、そのお二人がそれこそベーシック&トラディショナルなアイテムだらけのフレンチなスタイリングのお手本そのもの。バスクボーダーにカジュアルトラウザーズ、デニムウェスタンにデッキシューズ、靴に色を合わせたレザーメッシュベルト。旦那様はそれにネイビーブレザー羽織ってまして。
その時のイメージは正にこんな感じでした。奥様の方はかなり色落ちした5Pデニムでしたかね。未だにこれだけのベーシックアイテムだらけなのに痺れるくらい素敵なスタイリングをしてた人達を見た事ない。今思うとフランス人マジックのせいで余計にカッコ良く見えたのかも知れませんが、この先30年後でも50年後でも素敵に思えるだろう普遍的合わせのスーパーお手本スタイル。
そして普遍的な服達だからこそ大切なのは体型に合わせたサイジングとシルエット。
その当時もその夫妻の影響されまくりでこんなスタイリングが残ってましたが、やっぱり普遍的なトコだけはイイ感じです。
どうやら私の普遍的トラッドを探求する旅はまだまだ終わりの見えない果てしないモノとなりそうですね。
表題は75年発表のイギリスの10ミリリットルみたいなプログレッシブソフトロックグループの傑作バラード。抜群の美しいコーラスワークは伸びやかで幾重にも重ねられた美しい音の洪水は40年以上も前の音源とは微塵も感じられない凄まじい普遍性と大衆性、更には革新性をも併せ持っていると何度聴いても思います。当時イギリスで最も先鋭的なポップロックグループと言われたのは納得のクオリティ。
この普遍性と先進性の共存ってのがめちゃくちゃ大事なんじゃないかって歳を取ってくるとしみじみ。何年経っても着れる服はこの時代にこそ見直されるキーポイント。そこにどんな革新性が加えられるのかが非常に重要な気がするんです。
このイージートラウザーズって見た目やシルエットは普遍的なパンツアイテムそのものですが、そこに今の空気を捉えたドローコードやサイドギャザーという機能性の付加という革新的なスパイスが大人の琴線にストライクだったって訳で。
きっとこのパンツ達は10年経っても古臭くて履けないな〜なんて1ミリも10ccも感じない普遍的定番となっていくと。いや絶対にそうする様に大事にしていきたいブランドだと。
それでは立川で会える事を願って。
新井