JOE FALCONE(ジョー・ファルコン)

先週からの続きです。


今回は、最近Pilgrim Surf+Supplyに新たに入荷したサーフボード(計8本)のシェイパー、JOE FALCONE(ジョー・ファルコン)についてお話したいと思います。


ちなみに私が愛用しているサーフボードも、JOE(※以下省略)に削ってもらった5,7"KEEL FISHなのです。(新たに入荷したボードも早速2本既にSOLD OUT。日本でもJOEのサーフボードが少しづつ認知されてきており、個人的にも大変うれしく思っています。ありがとうございます。)JOEのサーフボードについての詳しい紹介は、また後日改めてこちらに書かせていただこうと思っておりますので、それまで楽しみにしていてください。


私とJOEとの出会いは、Pilgrim Surf+Supplyが2015年にオープンして少し経ったくらい(2016年のはじめ頃)に遡ります。当時TWIN KEEL FISHのサーフボードをちょうど探していた時、その頃ちょうど店頭に入荷してきたのがJOEのKEEL FISHでした。見るからに美しいアウトライン、サイズ、コンケーブを触った感覚、全てひっくるめて「これだ!」と直感し、すぐさま購入したのが全てのはじまりです。


それがこちらのボード JOE FALCONE ROCKET FISH 5,7 x 20 x 2 3/8


当時JOEはFALCONE SURFBOARDSという名で自身でシェイプをする傍ら、BROOKLYNのPilgrim Surf+Supplyでスタッフとして働いていました。当時まだ直接会っていなかった私は彼のinstagramを通じ、JOEが削るサーフボードについて、幾つか質問を投げかけてみたところからスタート。まだ直接会っていないにも関わらず、彼は何も知らない日本人の私に優しく接してくれて、「JOEはなんか良い奴だな」と勝手に思い込んでいた事を記憶しています。そして2016年の10月にプライベートでニューヨークに行く事が決定し、すぐさま連絡をしてみたところ、ちょうど私が渡米中にJOEはハネムーンでモロッコに行ってしまうというすれ違い。結局会えないまま2016年のニューヨークトリップは終了しました。

それからというものJOEのFISHにハマって今現在に至るまで、約4年半決して飽きる事無く乗り込んできました。100% HAND SHAPEに拘り続けるJOEは、「粗悪品は絶対に売らない」と豪語するほどかなり細かいタイプのシェイパーだと個人的に思っています。多い人なら1日に10本はシェイプを完成させるシェイパーも稀にいる中(熟練の職人または作業が極端に早い人もいます)、JOEは「1日に2本~3本が限界だ」と以前言っていました。でもそれは単に遅いとかそういう問題では無く、本当に良い物を届けたいというJOEの職人気質がそうさせているからこその行いであり、彼は1mm以内のズレすら絶対に許しません。JOEのサーフボードにはそんな彼自身の魂が1本1本に宿っていると私は感じずにはいられません。そんなJOEのサーフボードは一度乗ったらやめられないほど、リピーターが多いのも事実です。


私からの紹介はこれくらいにして、もっと深くJOEを知りたい方はこちらのインタビューページをご覧ください。


店頭にはいくつかのJOEのボードが並んでおりますので、そちらもぜひ実際に手に取って触ってみてください。



それではまた次回




1961年のNY

みなさんはオリヴァー・ネルソンというジャズマンをご存知でしょうか。

サックス奏者であり、クラリネット奏者であり、編曲家、作曲家であるオリヴァー・ネルソンという偉人にフォーカスしてBLOGを書いていきます。



まずは簡単に彼の生い立ちについて紹介します。

1932年にミズーリ州の音楽一家に生まれました。兄はサックス奏者で、姉はシンガー兼ピアノ奏者であったそうです。

そして大学院を卒業後、ニューヨークに移り、1961年に彼の名を世に知らしめた名盤である「The Blues and the Abstract Truth(ブルースの真実)」をリリースします。

(この名盤をリリースしたインパルスレコードという会社も非常に面白いので興味のある方は是非調べてみてください。)




彼の代表作である、「The Blues and the Abstract Truth(ブルースの真実)」を聞けばたちまちその才能に魅了されてしまうでしょう。このアルバムは全曲、ネルソンによる作曲で、ビル・エヴァンスやロイ・ヘインズといった著名なジャズプレイヤーを迎えた贅沢な一枚です。



ピルグリム サーフ+サプライではレコードで音楽を再生しています。これらのレコードはオーナーであるクリスがセレクトしたものがほとんどで、その中の一枚にブルースの真実も入っています。

私はオリヴァー・ネルソンのファンで、おもわずこのレコードを棚からサッと抜いてそのままプレイヤーに置いて、気付いたら針を落としてます

このアルバムに収録されている「Yearni’n」という曲が最も好きでそれを聞く為にこのレコードを再生すると言っても過言ではないでしょう。上品なピアノの演奏からスタートし、金管の派手なサウンドが鳴り響く。そしてトランペットのソロ、ピアノのソロと続く。最後にバンド全体でのリッチな演奏で終わるという美しい構成がたまりません。


(ちなみにメンバーは変更になっていますが、「More Blues and the Abstract Truth(続ブルースの真実
)」というアルバムも発表されてます。)




ジャズはアメリカの文化の根幹を支える音楽の一つではないでしょうか。テレビ番組や映画のBGMとしてジャズのスタンダードが使われることは非常に多いですし、流行りのヒップホップやポップスで、ジャズの名曲をサンプリングしたものを耳にすることも多々あります。


現代のカルチャーの土台となったものとしてジャズを知っておくと、なんだか理解が深まって、より楽しめるような気がします。オカダ的ジャズのススメでした。



PSS オカダ

Olafur Eliasson

こんにちは。


Pilgrim SurfSupply>ウィメンズディレクターの森田です。


ここでは、普段私が関わるブランドやアイテム、人だけでなく、

私の関心ごとなど、様々な切り口で紹介できたらと思っています。


久々のブログになるので、少々戸惑いと、感覚を取り戻すのに時間がかかりそうな気はしていますが、、頑張ります。


早速ですが、先日、東京都現代美術館で開催されている

オラファー・エリアソンの展示「ときに川は橋となる」を見に行ってきました。






実は、ピルグリム サーフ+サプライの仕事に深く関わるようになってからの私の変化の一つは、

美術館に行くようになったことです。


クリスがアートに造詣が深いこと、

またそれがピルグリム サーフ+サプライのブランド、コレクションに多く影響していることもあり、

出張時に美術館へ行く機会が増えたことがきっかけでした。


時に難解すぎて理解に苦しむものもありますが、

直接作品から感じる美しさやパワーだけでなく、

時には考え方や背景だったり、単純に色使いだったり、デザインの構成だったりと、

様々な方向、そして些細なことからも受ける刺激は、

自分の中でのインプットの時間として、とても大切にしています。



さて、オラファー・エリアソンの話に戻りまして、

彼は1990年代初めから、写真や彫刻、ドローイングなど多岐にわたる表現活動をしていて、

アートを介したサスティナブルな世界の実現に向けた試みで、国際的に高い評価を得ているアーティストです。


今回の展示は、国内初公開となる作品を中心に、体験型や視覚的に楽しめるものも多く引き込まれますが、

何より彼なりの環境問題に対して危機感や警鐘が見て取れ、とても興味深く考えさせられるものでした。


個人的に特に好きだった作品は、

あなたの移ろう氷河の形態学(未来)/サスティナビルティの研究室/ときに川は橋となる

でした。





環境問題に対してのブランドの姿勢が問われる今、

私たちピルグリム サーフ+サプライも

71日よりショッピングバッグの有料化をスタートしましたが、

今後もこれを継続するだけでなく、

自分たちとして何ができるのか、を考え実行していきたいと改めて思うことができた展示でした。


行ったのが、閉館ギリギリで時間が足りなかったので、改めて足を運ぼうと思っています。


みなさんもお時間あったら、ぜひ。

写真が撮れるのも嬉しいポイントです(実際に見てもらいたいので、ここでの掲載は最小限にしました)。

展示内容や感染予防を考えると、午前中とか空いてそうな時間がおすすめです。


では、また!


森田

NO RUNNING NO LIFE

こんにちは。

ピルグリム サーフ+サプライ 京都のSEKIです。


まずは、ピルグリム サーフ+サプライ 京都の店内を一部紹介させていただきます。




こちらは店内最奥部にあり、アウトドアギアを中心にレイアウトしております。普段の生活に便利なアイテムなど、ワクワクする商品を置いておりますので、是非奥まで足を運んでみて下さい。


では本題に入りたいと思います。前回話したLEISUREというキーワード、その1つとして、僕はランニングをしています。今回は、僕のランニング観である「NO RUNNING NO LIFE」について話したいと思います。


ランニングを始めたきっかけは、5年程前に運動不足を感じた事です。体型維持のために1回5km程のコースを走るところから始め、そこからランニングに熱中するまでは直ぐでした

手軽に身近な物で始められるランニングですが、形から入りたいタイプの僕は、新しいウェアやシューズ探しに時間を費やします。ランニングギアは、機能的なだけでなく、今まで見てきたファッションアイテムに無いデザイン性を兼ね備えており、僕にとっては新鮮でした。そして、それを普段のファッションにどう取り入れられるかが、今でもアイテム選びのポイントとなっています。


(最近のお気に入りです。ピルグリム サーフ+サプライでは取り扱いございません。)


その後、BEAMS RUN CLUB(BEAMS社内チーム)に出会い、軽い気持ちでフルマラソンにエントリーをし、目標を持って走ることの楽しさを知ります。

また、牧野さん(ビームス ライセンス事業課のエリートランナー)に誘われて、フイナムランニングクラブ♡など、東京でのグループランに参加します。グループランの1番の魅力は、走り終わった後の飲み会です。年代や様々な職種の人達が集まるので、ランニングの話以外にも自分の知らない面白い情報が飛び交い、とても刺激的な場所です。走っていて、新たなコミュニティを築けたことは、本当にラッキーだったなと感じます。


(フイナムランニングクラブでのグループラン)

こういった経験や出会いがあり、僕にとって走ることが日常になりました。


そして今回の本題でもある、LEISUREとしてのランニングをピルグリム サーフ+サプライを通して感じることができました。


仕事やプライベートなど、誰しも悩みごとはあると思います。そんな時、僕は走りに行きます。走りながら考えていると、入ってくる情報量を抑えることができます。そしていつも以上に自分と向き合い、解決できます。2つの良い案、どちらを選択するか悩んでいるときも、自然と答えを出すことが出来ます。


それでは、また次回!


SEKI

サーファーとしてのクリス・ジェンティール

先週からの続き・・・


今回は話題を変えて、Pilgrim Surf+Supplyの生みの親、オーナーであるクリス・ジェンティールについてお話したいと思います。


以前、Pilgrim Surf+Supply JAPANディレクターのTAKAさんが書いていたBLOGはこちら。


Pilgrim Surf+Supplyのオーナー、写真家、アーティスト等々、多彩な才を思う存分に発揮しているクリスは、幼少期から長く続けている生粋のサーファーでもあります。私からは「サーファーとしてのクリス・ジェンティール」を少し紹介させていただければと思います。


クリスは例年ですと、年に一度か二度、ビジネストリップで日本にやってきます。その時仕事の合間を見つけては、「Hey Ryo(私)!Can you pick me up for Surfing tomorrow?」みたいな内容でだいたいお呼びがかかり、一緒に海に行ったりしています。日本に来たクリスのサーフアテンドが今や私の役目の一つでもあります。これまでにクリスとは千葉北のいくつかのポイント(一宮・サンライズ・ヨンライズ・片貝新堤等 ※サーフポイントの名称)や千葉南、近場のリーフポイントで有名な鎌倉でも何度か一緒にサーフィンをしています。鎌倉に行く時はだいたい近所にオフィスのあるRASH WETSUITS CO.の皆さまと楽しくセッションしたり、その時はいつも弊社SSZのディレクターでも有名なKATOさんとも一緒にサーフィンをします(KATOさんとクリスは同い年の仲良しでもあるんです)。野菜好きなクリスは、実家で農業を営んでいるKATOさん(加藤農園)の野菜の大ファンでもあり、私もそのうちの一人でもあります。これがまたビックリするくらい美味しい野菜なのです。


話しが少し逸れてしまいましたが、、、


来日する度に「ここ数日で一番波が良い日はいつだ?」とか、「最近はどんな波でサーフィンしたんだ?」とか、いつでも波乗りの事ばかり考えています。何が言いたいかと言うと、クリスは本当にサーフィンが大好き。ただその一言に尽きます。




2018年ロングビーチ(ニューヨーク) Photo by @kemmy_film


上の画像は、2018年に行ったサーフトリップでの一コマ。ANDREINI(アンドリーニ)11,1"のグライダーをいとも簡単に操るクリス。実際グライダー、ロングボード、ミッドレングス、ショートボードの全てを普段から波のコンディションに合わせて乗りこなせるクリスは、私の理想系サーファーの1人でもあります。様々なボードを乗りこなす事って、なかなか簡単に出来る事ではないのですが、クリスは長年培ってきた経験でそれをやってのける辺りは流石の一言。



リスペクトです。



続きはまた次回





ART


こんにちは

ピルグリム サーフ+サプライのオカダです。



Pilgrim Surf+Supplyの4つのキーワードとしてART・WORK・LIFE・LEISUREがあります。

これらの中から特にARTにフォーカスしてBLOGを更新していきます。



ARTとは様々な意味や形態を内包した言葉です。

絵画や彫刻は最もARTという言葉からイメージされるものではないでしょうか。

しかしそれだけでなく、音楽や建築、洋服、料理すらもARTであると私は思います。



Pilgrim Surf+SupplyはARTを身近に感じることのできるお店です。

お店の内装には彫刻や建築の要素が散りばめられており、

レコードプレイヤーでは芸術的な音楽が再生されています。

そして店内に並ぶ、芸術的な洋服、ギアの数々。


そんなお店で働くことで、ARTの楽しさに気付くことができました。


この楽しさを皆様にシェアすることができたらと思いながらBLOGを更新していきます。

よろしくお願い致します。


オカダ


ニューヨークのサーフカルチャーについて



Pilgrim Surf+Supplyの五十嵐です。


渋谷のお店に来ていただいたことのある方は、もしかしたらご存知の方もいらっしゃるかもしれません。普段はPilgrim Surf+Supplyのお店にいながら、サーフィン全般の仕入れや接客販売をやらせていただいております。


今回のスタートは、ニューヨークのサーフカルチャーについて少しお話させていただこうと思います。一般的にアメリカでサーフィンと聞かれれば、真っ先に思い浮かぶのはカリフォルニアがあるアメリカ西海岸だったり、ハワイ諸島を思い浮かべるのが一般的ですが、実は東海岸にも西海岸ほど大きなパイでは無いにしても、昔から東海岸特有の根強いサーフカルチャーがあるんです。一番近いビーチでは、Pilgrim Surf+Supplyの本店があるブルックリンのウィリアムズバーグから車で約1時間、電車だとビーチまで1時間とちょっとあれば行ける距離にロッカウェイビーチがあります。その近くにもロングビーチや様々なポイントが実は数多く点在しているんです。風(向きや強さ)やうねりの強さに合わせてニュージャージー州まで車で2時間かけて行ったり、ブルックリンから片道4時間で行けるモントークにもサーフポイントがあります。




ニューヨークと東京と言うのは共通点が多くあって、どこか似ている部分があるとオーナーのクリスもよく言うんですが、自分もそれは本当にそう思います。東京や近隣に住んでいる人の大半はビジネスの拠点を都心に置きながら、休日には海や山に行ってリフレッシュをする(もちろんサーフィンに限らず)。それはニューヨークのビジネスマンもまた然り。実は似たようなライフスタイルを東京とニューヨークで送っている人が多くいるんです。実際に自分も2016年と2018年にニューヨークへサーフトリップに行ってきましたが、その日のコンディションに合わせてニュージャージーに行ったりロッカウェイに行ったり。我々都内近郊に住んでいる日本人サーファーが千葉北に行ったり湘南方面に出向いたりするのと同じ様な感覚で、その日の自分に合ったコンディションで楽しくサーフィンをしてます。そういう部分はよく似ているなと改めて思ったりします。それか要因なのかどうかは分かりませんが、似たような境遇でサーフィンをしている者同士で集まると、ニューヨークでもサーフメイト(格好良く言うと)のような友人が出来たりもします。個人的な初めのイメージだと、「ニューヨーカーってなんかシュッとしててクール」みたいな固定概念があったんですが、実際行ってみると皆良い奴でそんな最初のイメージがすぐに間違いだった事に気付きました。そういう意味では、サーファーと言う人種はある意味幸せな人種だなぁとつくづく思ったりします。




続きはまた次回


LEISURE

こんにちは。

ピルグリム サーフ+サプライ 京都のSEKIです。


遂に2020611日(木)新風館がオープン致しました。既存の建物のコンクリートと、ピルグリム サーフ+サプライらしい木材とが重なり合う、新旧の共存が見所です。ウィリアムズバーグや渋谷とも、また雰囲気の違った店舗に仕上がっています。




(こちらは入り口から見た店内です。)


そして新たにスタートした、ピルグリム サーフ+サプライのブログを担当させて頂くことになりました。

正直文章は苦手ですが

少しでも読みやすくなるように、文章力を向上させながら発信していくので、どうぞよろしくお願いします。


先日、ディレクターのTAKAさんのブログでテーマ説明がありましたが、ご覧になりましたか?

「すべてのはじまり」

僕はWORKLIFEARTLEISURE4つのキーワードの中でも、LEISUREの部分を中心に発信していきます。

改めてこの言葉を日本語訳して調べてみると、「余暇」と出てくる。仕事や家事から解放された自由な時間のこと。

その中でも、僕の思う余暇とは、普段の旅行や娯楽に付随して、自己啓発や創造性を豊かにする為の、自分自身と向き合う時間だと認識しています。


僕もピルグリム サーフ+サプライ(クリス)と出会い、少しずつ考えが豊かになってきた気がします。

そう思ったのは、クリスからのメッセージLife delights in life】


ここに掲載されている写真を見たときに、常に物事を俯瞰して見ているクリスの目線や、伝えたいことが分かった気がしました。なんとなく、そんな想いを感じれて嬉しかったです。

時間がある方は、是非見てください。店舗では、こちらのタブロイドも配布しています。


少し脱線しましたが、ピルグリム サーフ+サプライが大切にしているLEISUREというキーワード。

その時間の使い方は様々ですが、僕の些細なコト(経験)を発信していきたいと思いますので、よろしくお願いします。


SEKI

ブルックリンネイビーヤード

アマガンセットからシティへ戻り、メンズのマーケットウィークの展示会やショウルームのアポイントを慌ただしく回った。通常であれば他都市に移動して、現地ブランドや工場との商談やマーケットリサーチをするというのが常なのだが、今回はニューヨークに留まった。クリスのオフィス兼スタジオのあるブルックリンネイビーヤードで<ピルグリム サーフ+サプライ>のコレクションに関する重要な打ち合わせがあったからだ。

ブルックリンネイビーヤードはマンハッタンから見てハドソン川の対岸にあるアメリカ海軍の造船場の跡地だ。1966年にニューヨーク市が買収してからはしばらく廃墟のようになっていたのだけれど、今は多くのアーティスロフトだったり、様々なスタートアップ企業、縫製工場、映画の制作会社、<ピルグリム サーフ+サプライ>のようなブランドなどが集まるクリエイティブスポットとなっている場所だ。ここ数年でさらに開発が進み、現在<ピルグリム サーフ+サプライ>のオフィスが入っているビルディング77やその周りには人気のベーグル店だったり、ブリュワリー、コーヒーロースター、レストラン、ナチュラルワイン専門店が入るなどブルックリンを代表するランドマークとなってきている。

今回の打ち合わせは、<ピルグリム サーフ+サプライ>のウィメンズコレクションについてだった。クリスたちは2015年のローンチに向けてコレクションを進行していて、ウィメンズにおけるクリエイティブディレクションの方向性に対してフィードバックが欲しいということだった。僕たちも協業に大きく関わってくることなので、ウィメンズの目線で、的確な感想や情報を伝えることが重要だと考え、当時の<ビームス ボーイ>のディレクター須藤に同行してもらいクリスのもとを訪れた。コレクションはクリスが表現したい世界観がギュッと詰まった、とても良いコレクションだった。しかし、日本の市場を考えるとサイズやちょっとしたデザインディテールなど仕様の調整や、商品構成に肉付けをすることでもっと良いコレクションになると感じたし、メンズとの整合性もより強固になるだろうと思ったので、率直にフィードバックを伝えた。議論を重ねに重ね、最終的にクリスも僕たちも協業のためには共にコレクションを作っていくことが必要で、それがブランドの正しい成長につながるだろうという結論に至った。協業に向けたプロジェクトチームの結成がされて、土台が少しずつ固まり始めた。


アマガンセットへ

「ビームス 原宿」でのポップアップショップが終了して間もない2014年7月、僕はクリスに招待されて、モントークとイーストハンプトンの間にあるアマガンセットいう街にいた。モントークはニューヨーカーの避暑地として有名な場所で、イーストハンプトンはラルフ・ローレンをはじめとする多くのセレブリティの別荘がある閑静な街だ。当時<ピルグリム サーフ+サプライ>はアマガンセットにも店があったこともあり、クリスと家族はアマガンセットでひと夏を過ごすのが習慣だったのだ。


クリスからコレクションの拡大と、日本進出(協業)について構想を打ち明けられたのはポップアップショップの期間中のことだった。彼自身、予想以上の反響を目の当たりにし、元々持っていたプランを進める後押しになったのは間違いないと思う。4月後半にクリスから構想が届き、そこに肉付けをし、双方でブラッシュアップさせていくという作業を約3ヶ月間行った。クリスにも大きな理想があり、僕たちも<ピルグリム サーフ+サプライ>に多くを期待していたので、簡単にはまとまらなかった。市場のデマンドやそれぞれの立場で求められていることも大きく、大枠を作るだけでも試行錯誤し、僕たちはかなり行き詰まっていた。お互い疲弊してきたので、環境を変えてフラットになれる場所で考えないかと、状況を打破すべくクリスが誘ってくれたのだ。

アマガンセットに着くとまず向かったのはディッチプレーンズというサーフポイントだった。その日は初心者の僕が楽しめるくらいのメロウな波だったので、クリスにとっては退屈だったかもしれないが、クリスは一緒にパドルアウトして波を待つ、”時間を共有する”ということがしたかったのだという。その後、お店に行くとクリスの地元の友人たち、シティからバケーションで訪れている友人などがハングアウトしており、ブルックリンの店さながらのコミュニティを垣間見ることが出来た。その日の夜はクリスが友人らを招いてホームパーティを開いてくれた。シーフードバーベキューに地元のクラフトビールをたらふく飲んで就寝。翌朝は日の出の前にモントーク岬にある灯台へ、帰りはアマガンセットスクエアにあるジャックスでコーヒーをトゥーゴーして、心地よい疲れの中、ニューヨーク行きのロングアイランドレイルロードに乗った。

このショートトリップで協業について話すことはなかったのだけれども、この時間を共有したことは、クリスと僕たちが考える<ピルグリム サーフ+サプライ>の大きな方向性を決めるのに必要な時間だったと理解するまで時間はそうかからなかった。

  


ピルグリム サーフ+サプライ イン レジデンス-02

『ピルグリム サーフ+サプライ イン レジデンス』では、ブルックリンのコミュニティ感を表現するということ、そしてお店を訪れてくれる人たちに新しい経験や体験をしてもらうために様々なことを企画した。ポップアップショップでしか買えない別注商品や限定商品を仕込んだリ、新しい接客スタイルの導入、ハンドドリップコーヒーの提供、アートショウやライブペイントイベント、プラントアーティストがライブでディスプレイを組むなど、様々なイベントを企画した。結果、僕たちが予想していたより遥かに大きい反響を得ることができたのは本当に嬉しかったし、漠然とした自信が確信に変わった瞬間だった。

印象的だったイベントの一つはVANSがスポンサードするアーティストを招聘し、店舗の外壁をライブペイントするという試みだった。どうしてもお願いしたかったのは、サンフランシスコ出身のジオ・ジグラーだ。地元シリコンバレーのテックエリートからも愛され、FacebookGoogleLyftなどのオフィスのミューラル(壁画)を手掛ける、世界中からオファーが届く26歳(当時)の気鋭のアーティストである。彼にお願いした決め手は、「ピルグリム サーフ+サプライ ブルックリン」のミューラルを手掛けたという親和性があったことだ。僕自身もサンフランシスコに行くとハングアウトする関係だったので、順調に話も進み、あっという間にライブペイントの日がきた。ジオのペイントの様子を収めた動画があるのでお時間がある方はぜひ。6年経った今でも、「ビームス 原宿」脇の小道にミューラルは残されており、道ゆく人の撮影スポットとなっている。ミューラルの前で多くの人たちが笑顔で撮影しているのを見るのは単純に嬉しい。


このポップアップショップには、今の<ピルグリム サーフ+サプライ>を一緒に盛り上げてくれている仲間たちが関わっていた。マリさんハッピー西村はポップアップショップに店立ちしてくれていたし、五十嵐は別のセクション所属にも関わらず、搬入から手伝ってくれたり、頻繁にお店に顔を出してくれていた。

こうした新しい仲間との出会いや、様々なイベント、仕掛けを3ヶ月間断続的に行ったことは、今の<ピルグリム サーフ+サプライ>の基礎になったと思うし、これらの成功体験が、僕たちとクリスのプロジェクトを次のステージへと運んでいってくれた。

   

ピルグリム サーフ+サプライ イン レジデンス-01

クリスから「ピルグリム サーフ+サプライのコレクションを始めたいんだ」という話を聞いたのは2013年の7月くらいだった。「もしビームス に興味があればぜひ見て欲しいし、一緒に何かできないかな」と取り組みについての相談だった。

実はそのちょっと前にビームス 原宿で、"Hi BEAMS"というハワイにゆかりのあるブランドを集めてイベントを行ったのだけれど、それがかなり盛り上がった。イベントのメインブランドは<エム・ニーイ>という古典的なボードショーツを軸としたクラシックサーフカルチャーのコンセプトをバックボーンに持つカジュアルブランドだ。そのセールス・レップ(営業)が以前話に出てきた僕の友人であるマティだった。クリスはマティから僕たちとの取り組みのことをいろいろ聞いたらしく、自分にも可能性を感じたらしい。

クリスのクリエイトする世界観には惹かれていたし、彼がどんなものを作ってくるのかにも興味も期待もあった。僕たちもあのブルックリンのコミュニティ感を原宿で表現し、お客様に紹介できるかもしれないと考えたら、それだけでワクワクしていた。とにかく何か新しいコトを起こしたいという気持ちを持った仲間が集結していたので、ものすごいスピードで話が進んだ。そして『ピルグリム サーフ+サプライ・イン・レジデンス』と銘打ったポップアップショップを「ビームス 原宿」の1階を丸々使い、3月中旬から6月下旬まで様々なイベントを絡め敢行するというプロジェクトの概要がまとまった。

とはいえ約3ヶ月もの間、ビームス発祥の地でもある原宿店のメインフロアを丸々使ってポップアップショップを敢行するということは並大抵のことではなかった。しかも<ピルグリム サーフ+サプライ>というビームス 以外の看板を使って行うイベントなので、承認を取り付けるには決して低いハードルではなかったけれど、様々な人の協力があり、最終的にプロジェクトは承認され、ポップアップショップの日を迎えることが出来た。開催までの道のりはとても大変だったけれど、最高に楽しい3ヶ月が幕を開けた。



クリス・ジェンティール-02

「ホテル・デルマーノ」で飲んだ次の日だったか数日後、ノース・サードストリートとワイスアヴェニューのコーナーにあるクリスのお店を初めて訪れた。

その当時ピルグリム サーフ+サプライには独自のコレクションは存在していなかった。しかしショップはクリスの審美眼に基づいたセレクトと、今でもベストセラーアイテムの一つであるTEAM TEEやTEAM HOODIEが丁寧にそしてユニークにVMDされていてクリスの人柄を感じた。整然と陳列されたサーフボードは一定の色相・彩度で統一され、サーフボード自体がモノとして美しく、多くの手作業を経て出来上がっていることは手に取るようにわかった。サーフボードを見て美しいと思ったのはこの時が初めてかもしれない。BGMにはジャズ、ソウル、ファンク、ブラジリアン、スカ、ロック、ニューウェイブ、シティポップなどクリスが好きで集めたレコードがヴィンテージのマランツのアンプを通して流れていた。その頃レコードでBGMをかけているお店はまだまだ少なくて、お店で流れるアナログ感に何か温かみを感じたのを覚えている。店内にはアートやサーフカルチャーに関する書籍もたくさん陳列されていた、デイビッド・ホックニーアレックス・カッツなどクリスが尊敬しているアーティスト、ジオ・ジグラージョン・コープランドなどクリスがサポートしている現代のアーティストの画集や、サーフカルチャー書籍など。取り扱っているアパレルもそうだが、お店全体のセレクトを通してクリスのキャラクターが透けて見える、ということが何か新鮮に感じた。それは僕たちがクリス・ジェンティールがクリエイトするピルグリム サーフ+サプライに魅力を感じた大きな理由の一つだと思う。

今では観光地化してしまったたウィリアムズバーグだが、当時はまだ観光客も少なくファッション業界の人間が足を伸ばしてくる程度だった。ピルグリム サーフ+サプライは常に地元の人やクリスの友人が集まり活気に溢れていた、そこに観光客だろうと一見さんだろうとスッとそのコミュニティに入れてしまう感じも素敵だった。地元の人たちの関わりが深く見えたし、街にパワーがある魅力的な街だった。今もまだまだパワーもある魅力的な街だけれど、地価が上がり、大手企業が参入し様変わりしてしまった今の街は、地元コミュニティの温かさみたいな空気感は薄くなってしまったと感じる。住人でもない僕がそんなこというと怒られてしまうかもしれないけれど、そこは本当に残念だし悲しい。

話が逸れてしまったが、盛り上がり始めていたウィリアムズバーグのコミュニティの中心にピルグリム サーフ+サプライ、つまりクリス・ジェンティールがいた。


クリス・ジェンティール-01

クリスと出会ってから意気投合するのにそう時間は掛からなかった。

彼がロードアイランド州のイーストグリニッチという小さな海辺の街の出身で、イタリア系アメリカ人3世だというルーツから、これまでどんな人生を歩んできたかを聞いていくうちに、人として興味を持った。僕自分も周りの人に比べると破天荒というか、良く言うと様々な人生経験をさせてもらってきたけれども、彼の人生は物語とか映画なんじゃないかと思うくらい面白くて衝撃的だった。

ミッドセンチュリーを代表するファニチャー・デザイナーの1人ジェンス・リゾムの別荘の近くに住んでいたことや、スラッシャーのTシャツを着て、サーフィンとスケートに明け暮れていた幼少期の話も聞いた。ブラッグフラッグサークルジャークスマイナー・スレットなど80's USハードコアのライブを見に年上の兄について行きライブハウスに忍び込んだ話など。ハイスクール時代には人生に大きな影響を与える恩師に出会い、それがきっかけで芸術、文学の扉が開けたとか。ちなみにクリスは恩師から勧められた食に関する本がきっかけで15歳からベジタリアン生活を続けているらしい。アートスクールに進学後、ハンドビルドのバイクに跨りロードバイク競技に明け暮れた時期があったり、当然サーフィンと創作活動にも没頭していた。卒業後は20世紀を代表する現代美術家「ロバート・ラウシェンバーグ」に師事していた。現代美術の巨匠を間近にみることで、自分がアーティストとして活動していく後押しにもなったそうだ。その後、アーティスト活動を行いながら、米国内とカタールの大学で美術教師として教鞭を振るったり、空いている時間で世界中を旅して回っていた。そして30代でニューヨークへ戻り、アーティストとして活躍しながらコンデナストのフォトスタジオのクリエイティブディレクターのキャリアを積んだ。ある日立ち止まり、アーティスト、フォトグラファー、サーファーという自分が抱えている3つの異なる世界を一緒にしたらどうなるかな?と思い立ってピルグリム サーフ+サプライをスタートするまでの話はとても刺激的だ。いつかクリスに会うことがあったら是非聞いてみて欲しい。

ビジネスパートナーとなった今でも関係性が変わらないのは、何かウマがあった、気が合ったというのが、お互いにとって最適な表現なのかもしれない。事実、今でも彼は僕を人に紹介する時、ビジネスパートナーではなく、「brother from another mother」と紹介してくれている。*直訳すると、異母兄弟、アメリカでは親友を超えるマブダチという意味



すべてのはじまり

ピルグリム サーフ+サプライにはオープン時から掲げている4つのキーワードがある。

WORK・LIFE・ART・LEISURE (ワーク・ライフ・アート・レジャー)

テーマをあまり決め込みすぎると書きにくくなってしまうかな、と懸念もあったのだけど、まずは、ピルグリム サーフ+サプライとはどんなブランドなのかを知ってもらうことが重要と考えた。このブログは、これら4つのキーワードを軸に様々なコトやモノをアウトプットする一つの場所としていきたい。


はじめに、ピルグリム サーフ+サプライは2012年にオープンしたブルックリン・ウィリアムズバーグ発のセレクトショップ、“自然と都会のデュアルライフ” をコンセプトに、アメリカ東海岸のフィルターを通した独自性のあるセレクトと、サーフィンをはじめとする様々なアクティビティをミックスしたライフスタイル提案を行っている。

まずはどういう経緯でピルグリム サーフ+サプライを日本で運営するようになったのかを知っていただきたい。ピルグリム サーフ+サプライのファウンダー「クリス・ジェンティール」と僕が出会ったのは2012年7月。毎シーズン恒例で訪れているNYのメンズマーケットに出張で訪れていた時だった。渡米前から「ピルグリムというイケてるショップがウィリアムズバーグにオープンした」と噂を聞いていたので必ず行こう!とスケジュールも組んでいた。展示会やアポイントなど1日の予定を終了して、友人のマティとウィリアムズバーグの「ホテル・デルマーノ」に飲みに行こうということになった。そこに別で飲んでいた陽気なアメリカ人がマティの友人で一緒に飲むことに、それがクリスだった。その日はだいぶ泥酔したので、何を話したかなんて全く覚えていないんだけれど、この偶然がきっかけでクリスと僕たちの付き合いは始まった。


ピルグリム サーフ+サプライ ブログ スタート

みなさま

はじめまして、ピルグリム サーフ+サプライ ディレクターのタカです。

コロナ禍で世の中大変なことになっていますね。

僕はロサンゼルスに住んでいたことがあるのですが、その時に9.11を経験しています。直接的な攻撃はなかったものの、次の標的はロサンゼルスと言う噂もあったので、多くの市民は街に出ず、家に篭り過ごしていました。ロサンゼルスの大渋滞もなくなり、公共施設はクローズ、コンサートやハリウッドのあらゆるエンターテイメントはキャンセルになった。街に不安という暗い影が落ち、心がざわざわする日々が続いていたなぁと、今回の緊急事態宣言をきっかけに古い記憶が再び掘り起こされました。

9年前の3.11もそう、あの未曾有の大災害で日本の国中が悲しみに沈んでいた。地震が続く日々が続き、原発事故、街から明かりが消え、不安が募る毎日を過ごしていたこと、鮮明に覚えています。

でも、そんな日々にもちゃんと終わりがあって、皆で復興に向けて一つになって、経済を盛り上げ復活した。より良い日常を取り戻したという、ポジティブでパワフルな経験もみなさんの記憶に深く刻まれているかと思います。

今回は9.11の時のアメリカや3.11の日本より規模は大きい、長期戦になるかもしれない。でも、絶対に終わりはあるし、絶対に明るい日常は戻ってくる。ただ、今はジタバタしても仕方ないので、腰を据えて、ひとりひとりが出来ることを行い、ポシティブに復活の時を待つ時間帯なのかな、と日々を過ごしています。

そこで、今まで着手できてなかったブログをはじめることにしました!

誰かにとって少しでもプラスになるコト・モノをアウトプットしていきたいと思っていますので今後ともお付き合いをよろしくお願いいたします!