今晩は、銀座店の新井です。
最近はご来店のお客様が少なくなりましたが、有難いことに沢山のお電話でのお問い合わせを頂いております。店頭のご案内もしながらになりますのでお待たせしてしまう事が多々ございましてご迷惑をおかけしております。
昔からお店へのお電話は非常に多く、てんやわんやでしたね。なんなら電話の子機を戻す暇も無いので
ずっと携帯してましたね。その当時に、今は新宿店のレジェンドのI先輩はあまりに多いので電話で話しながら他の電話にも出ちゃってて、慌ててました笑
その前のめりの接客姿勢に感服致します。
そんな感じでお電話にて問い合わせの多いブランドが

このオーベルジュです。
まずこの黒地に白抜きのタグにやられました。フォントやタグの形状でブランドテーマを非常に的確に世界観を表現しているなぁと。
1番刺さったのは男女問わず大人気となっているバスクボーダーですね、やはり。 しかもモデル名がシャルロットですもん。フランスにかぶれた事が洋服屋は一度はあると思うので、そんな人は名前だけでトキメキますよね。これまた上手いなぁと。

今まで生きてきた中でこんなすごい糸使ったバスクは見た事なかったですね。
これだけ上品な光沢としなやかで滑らかな肌触りなのにしっかり耐久性抜群のハリコシのある感じ。
スーツ生地で言えばカルロバルベラと同じ衝撃でしたね。ロロやゼニアじゃあこの感じはないんですよねー。
とことん突き詰めて原価が上がろうが限界まで最高の素材を使っちゃう熱量が一目で分かる逸品。
そしてデザイナー本人が動画で熱くその熱意を直接カスタマー達へ語るという姿勢。電話口でのお客様の購買意欲も高いはずです。
永い時間の洗練を受けて、それでも残っている古き良きヴィンテージモデルを再現しているのも琴線に触れますね。
もうこの時代、取っ替え引っ替え服は必要ありませんしね。自分が惚れ込んだ時代を越えた良いものを大切に着たいっすよ、洋服屋も。
弊社での洋服作りは離れましたが、改めて本当に皆さんが着たい良いものを作りたいって思いました。
豊かな環境の中で様々な企画を行ってきましたが、多様化し過ぎて方向性に迷い、ここ最近の目まぐるしい洋服業界の変化に心をのまれてしまい、1度は完全に身を引く事を考えちゃいました。そんな中でこのオーベルジュってブランドは洋服を作りたいって気持ちを呼び覚ましてくれたと思いますね。
表題の言葉はポール兄さんが90年代半ばに復活の狼煙をあげた魂の雄叫び。
パンクムーブメントにネオモッドとして若き衝動をかき鳴らしたトリオ、次にブラックコンテンポラリーに傾倒して多岐に渡る音楽を鳴らしたユニットを経て、その後次第に引退寸前までの低迷を経験する兄貴。
それでも音楽しかないと再び表舞台に復活を遂げた彼は、「俺は変貌していく男だ」と雄叫びをあげました。
オーベルジュの小林さんも私としては昔からスロウガンでお馴染みな感じでしたが、数年前に新しく生み出されたオーベルジュというブランドであげた魂の雄叫び。変貌していく男。
丁度オーベルジュではコート企画で兄貴のユニット時代のフレンチアイビーを語っていましたので、私の邪推の様な勝手なこじつけもなんだか偶然じゃない気がしてきました。
そんな御二方に勝手ながら背中を押されて、私も洋服業界で生きていく復活の雄叫びを銀座からあげていこうと思います。多分聞こえないくらい小声だと思いますが。
それでは銀座でお待ちしております。
新井
ブログ投稿は火曜金曜20時定期投稿です。