先日の出来事。
お腹の大きな妊婦さんがお洋服をご覧になっていました。
メンズ展開のジャケットなどを気にかけていたご様子。
そのまましばらくすると退店されていったのですが、
もうしばらくして再来店され同じ上着のコーナーをご覧になっていたのでお声を掛けさせて頂きました。
お話しておりますと旦那様への誕生日プレゼント。
お腹は何ヶ月頃ですか予定日はいつですか。
ウチの娘のもお客様と同じくらいの時の子で。
旦那さんの地元が恐らく私の近所で、ええ!?
みたいなくだりもありつつ。
おしとやか、かつ明るい方でお洋服の話もそこそこに主婦トークに大変華が咲き
母松の真価をいかんなく発揮した数十分でございました。
赤松の母松エピソードはこちら
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時にお話し中一際盛り上がりをみせたのが
【公共の乗り物は妊婦、ならびにチビの子連れに全く親切ではない】
というお話。
我が子が生まれて初めて知りましたが、
子供を抱いた状態で階段を使うのはかなりのプレッシャーと恐怖心がつきまといます。
抱いてる子供で足元が全く見えません。
妊婦さんもお腹で足元が見えません。
ベビーカーはエレベーターがないと移動ができません。
私は神戸の山手にある住宅街に住んでおりますが、そんなローカルタウンでさえ
【移動が全てエレベーター】
というのは大変ストレスです。
神戸の三宮でも大概面倒ですが、大阪のような巨大都市は尚更で
平面で移動できるところが少なすぎるので地下に降りる、2階にあがる(歩道橋てきなもの)のも全てエレベーターを探さねばなりません。
やっと見つけたエレベーターは満員で、ベビーカーは場所をとってしまうと気を遣ってしまわれるお母様方は2回も3回も見送ってしまってる事でしょう。
この時お話させて頂いていたお客様もそのような事がよくあるとおっしゃっており、
お洋服の接客を飛び越えて火がついてしまったわたくし赤松。
世の中には産後鬱なんて言葉があるくらいで、
【放っておくと死んでしまう生き物】
と付きっきりで、自分の責任で、と寝れないのを当たり前のように思い詰めてしまうと精神に異常をきたしてしまうという悲しい現実がございます。
私の経験上そういう事態になってしまう人は産後に関わらず大体が
優しい人
真面目な人
でした。
一度この手の状態に陥ると脱出するのに何年も、下手すれば一生付き合う事になり周りの人間も含めて大変苦しい時期を過ごす事になります。
私は冗談半分に母松などと名乗っておりますが、つまるところ【出産】は出来ませんので、産後の女性のダメージは経験値として積む事はできません。
ただ年齢的にも産後の友人は何人もおり、例外なく全員がびっくりするくらい疲弊しきっています。
その状態で四六時中寝れるかどうかみたいな環境に突入していくのでまともでいれなくなるのも当然で、
我が家もミルクから離して私がワンオペで子供の面倒をみるようになってから、日中二人きり、寝かしつけなども幾度か経験しましたが
全く寝ない、ずっと機嫌が悪い、みたいな状態は1日でも発狂するレベルです。
大人が元気なうちは優しい顔もしていれますが、自分が寝れないと段々辛抱できなくなってきます。
この辛抱できなくなってからがカオスで、もう悪い循環しか生まれなくなり自力で立ち直るのは
【自分がまず回復する】
事以外不可能です。あくまで経験上の私の理屈ですが。
何が言いたいかと申しますと、
【産後の女性はその回復にそもそも一年近くかかる】
【寝れてない状態は大変危険】
という事でございます。
夫婦は必ず分業になり、パートナーの知らない苦労をお互いが経験していくこととなりますが
自分が1番大変だと思うのが人間の性のように思います。
かくいう私もそのように思っていましたし、今でも思う時もあります。
離婚したろかいと48回くらい思ってきましたし、ブチギレたろかいと27回くらい思ってきましたが
多分嫁松は245回くらい離婚したかったでしょうし、
3251回くらいブチギレたろかいと思ってきたと思います。
そんな時、少し冷静になって。
今その瞬間に大切なものを見極めましょう。
せめて産後半年はお母さんは優待してあげましょう。
余裕がある時は旦那さんも少し優待してあげましょう。
なんだか母松が洋服屋を飛び越えクリニックのアフターケア講習のようになってまいりました。
クリニッま…
アフタま…
ケアまつ
ケア松!!
本日より妊婦に優しい洋服屋さん、ケア松を名乗って参りたいと存じます。
お客様には
【産後半年までは周りの人間は全てあなたのシモベだと思ってていいですよ】
とお伝えし、更には
「周りの人間は〜?」
「私のシモベ」
と半ば強制的に反復復唱させるという怪しげな新興宗教になりかねない勢いではございましたが
年末に出産予定のこちらのお客様の大切なベイビーが無事にこの世に産まれてくる事を心よりお祈り申し上げます。
ケア松優一