ジーンズとは

花井 宗徳 2021.04.09

今年のキーワードは、

④ファイブポケット

いわゆるジーンズですね。

やはり、リーバイスの小話から。

(※画像はリーバイスではありません。)


アメリカの西側あたり、


「親分、なんか掘ってたら金が、出てきたっス。」


「なにっ!いいか坊主、これは俺たちだけの秘密、誰にも言うなよ。一獲千金だぁ!」


もう気づいたら、みんなアメリカ西部に移住しまくり。


こうして、ゴールドラッシュが始まって、、


サンフランシスコに


リーバイさん、現る。

「探鉱されてる皆さん、お困りじゃないですかー?こちらのズボンは丈夫で、破れませんよ〜。」


「何者だ、小僧。」


「ニューヨークの、お兄ちゃんの繊維工場から、船の帆とテント生地、持ってきました、ドイツからの移民です。」


「ほう、どれどれ。」


※分厚い、キャンバス地のワークパンツ誕生。


「よう、リーバイ。これは、なかなかいいんだが、ポケットに石入れてると、角の糸が、破れるんだ、また直してくれよ。」


リーバイ

「ねぇねぇ、ヤコブ〜、あの親方、また持ってきたよ〜。」


※ヤコブ・デイビス  (仕立て屋)

「なに〜、アイツ、もう10回目だぜ、もういいぜ、ちょっと、馬具店に行ってくる。」


リベットが誕生。


親方

「ガハハ、こりゃいいぜ。」


ヤコブは優秀。

お馴染みブランド【ヤコブコーエン】の名前の由来にもなってますね。


1873年  リベットの特許権が認められたことで、今日のジーンズの歴史が始まる。

1890年  全てのジーンズの元祖となる、ロットナンバー【501】が誕生。


以下、

これまでにあったワークパンツに、リベット を打ち込んでから、 "ジーンズ"  にいたるまで。

リーバイスが考案されたとされる、ディテールを紹介。(繰り返しますが、画像は、リーバイスではありません。)


■デニム生地をインディゴ染め

特許を取るまで、模造品のリベットパンツが、多発しまくり。「くやしい〜」て、なって、持ってたデニム生地の、全てをインディゴに染め、他社と区別。


■レザーパッチ


これも、すぐに“リーバイ の”って、分かるように考案され、製造番号や品質保証を表記したラベル。

■L字ポケット


リーバイスとしては、スクープポケット(スコップですくったような)一緒にされては、困る的な、、、こだわり有り。

手を入れやすく。カーブに裁断 & 2重ステッチ。意外とコスト高め。まじめ。


■ウォッチポケット


コインや懐中時計を収納できる利便性が、「いいね」で、採用。(計5個のポケット=ファイブポケット)


■ヒップのパッチポケットを【五角形】に。

これも模造品対策から。今では、ジーンズでしか、見ない形でしょうか。


■打ち抜きリベット 

リベットは、大きく分けて2つ。打ち抜き、と、被せ型がある。凸から【生地】出てたら、打ち抜き、つまり貫通リベット。


■隠しリベット 


ヒップポケットの表から、リベットをカシメたら、馬具やソファが、傷ついちゃった。だから、隠しちゃった。


■セルビッジ


生地の端がほつれないよう、旧式の力編み機で織られた生地【耳付き】生地屋さんが、"リーバイスのモノとすぐに分かる"ように、赤いステッチ入れた。【赤耳】


■14オンス(生地の重さ)

もう、基準がココになってて、ライトオンス、とか、ヘビーオンス、とか言ったりしますね。


■ヘムボトムステッチ


インディゴに対し、糸をオレンジやら、黄色を選ぶあたり、、、。凡人の私には、到底思い付くことはありません。

カラーリングのセンス、凄まじい。


■ボタンフライ


【シュリンク  トゥ フィット】「洗うたび体に馴染む」概念を生み出す。ジッパーだと生地が縮んで、ジップ上がらず、壊れるから。

※こちらの商品は、蒸気を当てるサンフォライズ加工。それほど縮みません。


■トップボタンは円盤型


よく見ると、V字ステッチ入ってます。

(60's ビックEをリスペクトしてます。)


■逆山型のバックヨーク


ウエスマンとヒップを繋ぐ、切り返し生地。(▽型の生地)腰回りのフィッティングを上げる工夫。よーくみると、ウエスマンとバックヨークは、生地を逆さに付けて、生地目が逆になるものが、多いですね。


■オフセット  ベルトループ


ベルトループをセンターシームに打つと、生地が厚すぎて、ミシン針が吹っ飛ぶ。


などなど、リーバイスの歴史は、キリがないので、ひとまず、今日はこれまで。


※全て画像は、



BLACKHORSE LANE ATELIERS
価格:¥39,600(税込)
商品番号:21-21-0024-175

猛プッシュ品。



デニムを知り尽くした西口が(古き良きをベースに)イチから作り上げた、イギリスのデニム。


最も生地が重なるところ、十字部分。

めちゃくちゃキレイな縫製。さすが、という感じでしょうか。


ビームスFが定番にしたい、と意気込む、

渾身の一撃。


一本、いかがでしょうか。