こんにちは!
本重です!
今日の22年秋冬 LINE UPは
〈Cantate〉より、スペシャルゲスト、ブランドデザイナー松島様がご登場です。
「実は〈BEAMS F〉としても5、6年前からお付き合いのある〈Cantate〉。当時から洋服に対する拘りが半端ではなく、業界からも一目置かれていました。日本のものづくりを世界に発信していきたい〈BEAMS F〉として、是非今回展開させていただきたいと思い、お願いしています。今日はその拘りの主である松島さんにアイテムのことはもちろん、服づくりに対する想いなどもお伺いできればと思っています。」
「ご紹介、ありがとうございます。さっそくですが、まずは〈Cantate〉というブランドから簡単にご説明します。」

「〈Cantate〉は2015年にスタートしました。コンセプトは”日常と非日常、2つの顔を行き来できる服”。ブランドの由来でもあるcantateとは、クラシック音楽の一種です。その音色はどこにいても非日常を感じ、心を落ち着かせてくれる。そのcantate同様に非日常を堪能できる、美意識を持った服。そして日常を意識した、一生手放せないような普遍的な服をつくりたい。そんな想いを持って洋服をつくっています。」
「一番の拘りは”作り込みの細かさ”。〈Cantate〉の洋服はすべて、基本的に糸からつくっています。デザインの段階で糸から計算して組み立てていくのです。サンプルは一着でもドロップしたくない。そういった想いがあるからなのですが、現代ではあまり少ないかもしれませんね。この服の作りこみについては実際にアイテムを交えながらの方がお分かりいただると思いますので、さっそくコレクションをご紹介します。」

「ギザコットンを使用したタートルネックカットソー。サイロスパンという、毛羽を内側に入れ込んで作る手法で仕上げており、独特なヌメリのあるしっとりとしたタッチが特徴的です。毛羽がない分、光沢感も生まれ、上品な表情を見せてくれますね。」

「深みのある色出しもポイントで、特にブラックはくすんでいないクールなブラックです。また、毛羽に埃が引っかかりにくく、綺麗な見た目を保ってくれます。」
「裾や脇のロックの仕様にも拘っており、シルクライクなスパンを使うことでドレスシャツに見られるような品のある縫い目に仕上げています。見えない部分ですが、気持ち良く、そして永く着る上では大切な工程なのです。」
「ジーンズ。ストレートからほんの少しフレアした絶妙なシルエットのモデルです。オーセンティックな古着の40インチを丈詰めしたみたいなシルエットに近いですかね。」
「前身頃はセルビッジ、後ろ身頃はロック始末で仕上げているのでバックだけフレアに見える。なので大袈裟なフレアではなく、ストレートに近いニュアンス的なフレアといったバランスです。ウエストもハイバックで、着用時にずれ落ちにくくなっていますね。」
「ステッチも太さ、幅、色を箇所によって細かく変えています。これが所謂デニムのグラデーション。着込んでいった際の表情が全然違ってきます。」
「また、デニム生地もオリジナルでつくっており、一般的なデニムよりもシャリっとしたドライなタッチが特徴的です。」
「私も同じデニムを愛用しています。こちらで大体4、5ヶ月目ぐらい。色落ちの感じもよく出てくれます。」
「こちらはビームス様別注で作らせていただいたポストマンジャケットです。今ご紹介したデニムとセットアップで着用できます。」
「ベースはヴィンテージのカバーオール。フロントの4つのポケットに懐中時計のストラップなど、オリジナルのデザインは踏襲。ゆったりとリラックス感ある雰囲気は活かしつつ、シンプルかつ都会的な印象に仕上げました。襟まわりは細かなステッチを採用し、ほんのりドレスっぽい表情を狙っています。」
「もう一色はナチュラルなベージュカラー。こちらはインラインのものです。」
「ダッフルコート。ゆったりと長めの着丈がオーセンティックな一着です。ラムウールを敢えて双糸で使いコンパイルメルトンに、そして2ヶ月間丁寧に起毛と縮絨を繰り返す。そうした手間を惜しみなく注ぎ込んだ、渾身の生地を用いています。」
「フロントにはかなり大きめのトグルを付けてアクセントとしています。一般的には水牛のトグルを付ける際はレザーの紐を用いますが、敢えて麻紐にすることでよりナチュラルな風合いになるようデザインしました。」
「一方で裏地は半裏にして軽快さを出し、袖裏にはコットンと生糸をミックスしたサテンヘリンボーン生地を採用。スッと入る、袖通しの気持ち良い質感です。これでもかと拘った生地をたっぷりと、クラシカルなダッフルに落とし込んだ最高の一着に仕上がったと思います。」
と、その後も止まることのない洋服愛。半端ではない知識量に終始圧倒されっぱなしでした。非常に楽しく貴重な時間を経験させていただきました。
〈Cantate〉松島さん、お忙しい中本当にありがとうございました。
さて、まだまだ続く22年秋冬 LINE UP説明会。

次回は小物&バッグ編です。
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本重