INVERTERE

吉田 智 2020.12.11

ビームス ハウス 丸の内のブログをご覧の皆様、こんにちは。

吉田です。


今回は〈INVERTERE〉です。



商品紹介です。


INVERTERE/別注 ヘリンボーン ダッフルコート
カラー:BLACK、CAMEL、VICUNA、DARK BROWN、ORANGE、OLIVE、NAVY、MUSCAT
サイズ:36~42
価格:¥158,000+税
商品番号:21-19-0357-369

カラーは8色展開。

20年以上前にBEAMSで取り扱いのあった〈INVERTERE〉の定番ダッフルコートをボディ、着丈は当時と同じサイズ感で指定し、袖は現代的な少し細い袖をつけています。



ダッフルコートの顔でもあるフロントにはリアルホーントグルにレザーのループを使用。



カフ等のボタンも別注ポイントで、無地のリアルホーンを使用しています。

お客様もよく口にする、着ると非常に軽いのですがそれは何故か?


今回、〈INVERTERE〉についてお話しさせて頂きます。


〈INVERTERE〉は1904年にHarold Parkin氏とその兄弟によってコート作りをスタートし、イギリスのニュートンボットの中心部で創業した老舗コートブランドです。

彼らは富裕層に向けて世界で初めてリバーシブルコートを開発し、販売していました。

当時、リバーシブルコートは非常に革新的な技術で、彼らはその生産の技術特許を幾つも保有しており、現在は稼働しておりませんが『The Invertere Buildings』に保管しております。

〈INVERTERE〉とはラテン語で「反対に、ぐるりと向きを変える」という意味でリバーシブルコートの事を表しているブランド名なのです。


そして、このダッフルコートは生地にも歴史があります!


皆様、Moorbrook(ムーアブルック)社という生地屋はご存知でしょうか。

そのムーアブルック社で保有している世界で数台しかない織り機で織られるウールへリンボーン生地は低速でゆっくり織られるのでものすごく生産効率が悪いのですがその織り目の美しさ、そして肉厚ながら着てみると非常に軽くて暖かいのです。

多くのハイメゾンでも使用され、なかでも某有名ハイメゾンの「ここの生地しか使わない」と言わしめた都市伝説もございます。

このムーアブルック社に買収されたのが〈INVERTERE〉です。

〈INVERTERE〉はムーアブルック社の生地を使用し、高品質のコートを多く作り続けていましたが、不況の影響を受け、需要が減り、さらに冬のウールヘリンボーン生地が主力で春夏に使用する生地を持たなかったムーアブルック社は倒産してしまいます。

その流れで傘下であった〈INVERTERE 〉も人様から姿を消す事になります。

その後、多くのブランドがあの最高品質の生地を再現しようと試みますが、非常に難しく、やはりあの織り機でしか作れませんでした。そこで、世界に数台しかなかった織り機を一生懸命になって探しだし、見つけたのです。

現在、世界に4台しかないその織り機のうち3機を実はなんと〈Joshua Ellis〉(ジョシュアエリス)が確保し、その生地を再現することが可能になったのです。

〈Joshua Ellis〉は1767年創業の生地屋で「世界一高級で高品質な素材を最高級の天然繊維で織り上げる」というとてつもなく志の高い哲学のもと、2013年に伝統のヘリンボーンウールを見事に再現し、〈INVERTERE〉のダッフルコートを復活させたのです。200年以上も前から最高品質の生地をつくり、本物の素材のみを提供し続ける英国老舗生地屋さんなのです。

この伝説的なムーアブルックの織り機を英国老舗生地屋さんが使用したら確実に最高級で良いものができますよね。


最高の生地を使い、流行り廃りがなく、永く愛用できるダッフルコート、必ず一生モノになると思います。それは、クオリティとモノ作りの歴史が裏付けています。

本物のダッフルコートを是非お試しください。


ご来店お待ちしております。


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