昨日のアフリカの仮面と暮らしの道具に続いて『世界の民藝』に並ぶ品々より、アフリカの布やアクセサリーをご紹介いたします。
まずは<fennica>ディレクター エリスの部屋の様子を切り取った一枚から。
黒いニワトリのアサフォフラッグが印象的なウォールデコル。スツール上、マットのラスタカラーとリンクしていますね。
このアサフォフラッグもイベントに並びます。
ガーナ ファンティ族のアサフォフラッグ
ファンティ族がヨーロッパの軍隊に影響され、アサフォと呼ばれる自警集団が軍団ひとつひとつを判別するためにシンボルとなる旗をつくりだしたのがはじまり。文字による歴史記録がなかった文化で、古くから伝わることわざや格言、民族の共有する図象はファンティ族のアイデンティティを示すシンボルです。
この繋がれた鳥はどちらも時を告げる鳥で、「我々は時間をコントロールし、事が行われる時を決めることができる」ということを示しているのだそう。
このように様々な表現で意味が込められた布は他にも。
ナイジェリア イボ族の絞り藍染め布
パズルのように並べられた柄は、結社のしきたりやことわざなどが、抽象化された図柄や具象的な動物の図の組み合わせで秘密性や世界観を表現しています。
スタッフ菊地の部屋でも壁掛けされていましたね。一つ一つがオーダーメイドで異なるという布の全貌はぜひ店頭で。
ガーナ エヴェ族のエヴェクロス(エウェクロス)
約10cm幅に織られたテープ状の布でいくつもパッチワークを施し大きな一枚の布に仕立てられた美しいクロス。正装の時に纏うこちらは、作られていたのが1970年代頃までという貴重なものです。動植物など具象的な文様が自由に描かれ、モチーフやことわざに因んだ名がつけられます。
エリスはこのエヴェクロスを<天童木工>Bruno Mathssonデザインのイージーチェアにぐるりとカバーリングして楽しんでいました。
多色使いのクロスですが、草木染めの落ち着いた色味がすっと部屋に溶け込んでいますね。
コンゴ クバ族のサブグループ、ショワ族の草ビロード
ラフィアヤシの平織り布にラフィアの糸で絨毯のように一目一目紡いだ布は、晴れ舞台や死装束として纏われます。あらゆる工芸品に幾何学文様が描かれるというクバ族では無限とも言える幾何学文様のバリエーションを持つのだとか。
ここからは初めてご用意するクラフトのご紹介です。
ブルキナファソ グルンシ族の壺
轆轤や窯を使わず、紐状の粘土を積み上げて形成し野焼きで焼成されたという、大らかで力強い壺。水瓶や衣服の収納など用途は様々で、多く持つことが富の証と考えられていたそう。
コンゴ レガ族のヘッドドレス
ブワミと呼ばれる秘密結社内で階級の高い人物が被るというヘッドドレス。ラフィアで編まれた帽子には子安貝や象の尾の毛が装飾されています。
アフリカやインドのビーズアクセサリー
奥からインドのミゾランビーズとベネチアホワイトハーツをあしらったネックレス、エチオピアのコプトクロスのネックレス、インドのナガランドブラスとアンティークガラスビーズのネックレス。夏の装いにぴったりなアクセサリーは他にもいくつか並びますよ。
一目で感覚的に美しいと惹かれるクラフトの数々ですが、異なる国の文化を知ることで手にした時に感じ取れる魅力が増幅します。
力強く美しいアフリカのクラフトを、暮らしの中に自由な発想で取り入れてみるのはいかがでしょうか?
『世界の民藝』
◼︎International Gallery BEAMS 2階(原宿)…原宿地区駐車場サービスについて
会期:7/31(金)-8/9(日)OPEN 12:00-20:00 ※短縮営業
◼︎BEAMS KOBE(神戸)
会期:8/7(金)-8/16(日)OPEN 11:00-21:00
※お問い合わせは上記の2店舗で承ります!
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