センチメンタルウォーク

SHUN 新井 2022.02.09

ご機嫌いかがでしょうか、銀座店の新井です。



とことん着てます、ブレザーにウエスタンにフレアパンツ。本当にスタイルに偏りが有りますよね。本日も安定の君は薔薇より美しいと美声を轟かす接客となりそうです。


銀座店にこのブランドがまた春風を巻き起こすようです。

昨年3月に開催された2022FW先行予約会イベントが今年も銀座店ドレスフロアでやる事になりました。

期間は2月25日からの27日までの3日間。

※開催に際しましてこのご時世ですので急遽延期や中止になる可能性もございます。

60品にも及ぶサンプルを展示し、その中からオーダー頂けます。

前回の開催は3月で納品は10月下旬から11月中旬頃でしたので今回も同じくらいの時期で見て下さい。


最初はステンカラーコートが大ヒット、この秋冬は私的にはゴルビジェジャケットが1番接客した記憶があります。

AUBERGE/ジャーマンレザーゴルビジェジャケット
カラー:ブラック
サイズ:38,40,42
価格:¥118,000(税込)
商品番号:24-18-0381-608

本物の革じゃないジャーマンレザー

お客様に聞かれて慌てて調べた苦いご案内の記憶があります。流石にそこそこ長い間アパレル業やっててもジャーマンレザーは知らなかったすよ。。申し訳ございません。でもレザーって名前なのに天然革じゃなくて地厚の綿素材って引っ掛けじゃないすか。。お問合せの時に正直に知りませんって白状しといて良かったです。中途半端に知ってる雰囲気で革の話をしてたら炎上間違いなしでしたね。精進致します。

私が古着屋さんで見た、バカ高いプライスだったフランスの公務員等に支給された本物は襟がウール素材でボディがカッチコチの分厚いレザー素材でした。


古着好きなら本物のヴィンテージ買えば良いでしょーってなる人もいるでしょう。いやいや、これは古着あるあるの臭い、汚い、重い、硬いって四重苦を考えれば女性に好かれるのは絶対にこちらのブランドの物だと思います。

以前に、古着マニアの家に霊感の強い知人女性が泊まっちゃったら、夜に戦時中の服装をした人が現れちゃって身体は痺れちゃうわ、うなされるわと怖い話も聞きましたから。

流石にオマージュはしてますが本物よりも程良く現代服にマッチする洗練されたパターンで、よりジャケットとしての見え方ですかね。サイズを上げてオーバーサイズでピーコート風に着ても良い感じです。シルエットもちゃんと今の時代に合う、太めなんだけどもしっかりと考え抜かれたパターンだと思います。どうしても本物はもっと簡素化された量産感が強いので野暮ったすぎると思うんですよね。

そして何より特筆なのは生地ですよね。このやたら厚手のモールスキンなのですが、アルパカの毛を少し混紡させる事で滑らかな風合いと上品な微光沢がやたらと癖になる肌触り。またまた無駄な位にすごい生地使ってる所がこのブランドの真骨頂。最初はなんて事ないやたらと厚いモールスキンだなー位に舐めてたんですが、着てみるとやっぱり唸っちゃう訳ですよ。

ハンギングしても全く形が変わらなくて鎧みたいに見えるんですが、何とも癖になる微起毛の硬いんだけどもしなやかさや滑らかさを感じると言いますか。絶対におじいちゃんになるまでガンガンに着続けられそうな感じは勿論なのですが、この現代テキスタイルの技術で生まれた生地は10年後、20年後にどんな経年変化を遂げるのか。

よくある古着のカチカチでボソボソなんだけど原料が良いので雰囲気あるなーって感じとは絶対に違う雰囲気になりそうですよね。

値段はイタリア高級アウターブランドのダウンウェアと同じ位の11万円強しますが、たぶん未来永劫に着続ける事が出来るコストパフォーマンスと時代に左右されない普遍性のデザインを考えると、どちらを買うべきかはもう言うだけ野暮です。

それに着てみると納得しちゃうのが腕を前に出しやすい可動性を考慮された前振りの袖付け。でも本物程袖が馬鹿みたいに太くない。太いのは太いんですが、ちゃんとオシャレな見え方のするバランス。

シンプルにこのゴルビジェジャケットのデザインパターンは素晴らしいですよね。まだ予約会にむけてサンプル作成の生地を作ってる段階らしいのですが、このモデルで新しい生地とかやってくれないかなーとか、ジャーマンレザーの生地を使って新しいモデルが出て来んのかなーーとか。当日に見れる60型程のサンプルへの期待と妄想が止まらなくなってしまってます。


表題は81年フランスのサスペンスロマンス映画の劇中で流れるピアノナンバー。映画の題名の女神と崇められるオペラ女性歌手と郵便配達員青年が明け方のパリの街並みを2人で歩くシーンで流れるこの曲は、ピアノだけで紡がれる美しさと儚い感じが映画中盤の名シーンを彩り、強烈に心に響きます。本当に研ぎ澄まされたシンプルな音階をピアノの単音だけで表現されるのに、何故もこんなに心に響くのか。劇中でも2人の散歩する姿の中にも、その心の距離感であったり夜明けのパリの澄んだ空気感だったりがそのピアノの音階だけでなんだか胸にじんわりと伝わってくるんです。

最新の演奏技術で凝りにこった曲よりも、シンプルで研ぎ澄まされた曲の方が心に響く好例と表現出来るこのナンバー。オーベルジュさんの洋服を見てると正に同じ様な事が言えるんじゃないかと。

凝りまくったデザインや仕様、新しいトレンドが詰まった洋服も良いですが、このブランドの真骨頂とも言えるオーセンティックかつベーシック、クラシカル。そしてノスタルジックさえも感じさせる研ぎ澄まされたオーベルジュの洋服達。


今月25,26,27日はオーベルジュ先行予約会。

出来れば劇中のディーバが歌うアリアも予習しといて下さいね。


それでは25〜27日の銀座でお会いしましょう



新井