それは新しい始まり<RING JACKET><SAINT JAMES>長めのブログ

SHUN 新井 2024.08.15

ご機嫌いかがでしょうか、新井です。



JACKET: RINGJACKET

CUT: SAINTJAMES

PANTS: BEAMS LIGHTS

SHOES: simon fournier


暑いし着る服を考える思考も止まりそうなので迷った時はいつもこの合わせに戻ります。バスクボーダーにブレザー合わせ。

なんでもそうですが困った時とか迷った時には自分のベースとなる基本とか原点に戻るのが大切です。それでぼくは何度も助かった時があります。




今シーズンは<EMMETI>、<VEILANCE>、<PELLE MORBIDA>、おまけに<IZIPIZI>と

矢継ぎ早のイベントでなんだかあっという間にシーズン終わり。

どのイベントも大盛況でありがたい限りでした。本当にご来店頂いたお客様方には感謝の気持ちでいっぱいです。

そんなタイミングで衝撃のニュースが突然に。

過去3回開催してビームス 銀座で良い思い出になったあのファクトリーのオーダー会がお隣のビームス ハウス 丸の内にて開催です。



3回目はプライスがかなり上がってしまったので躊躇してしまったお客様も結構いらっしゃいましたが、それでもオーダーして頂きましたお客様からはご満悦のお声が沢山ありました。


もうこの時の初回が3年前なんですから早い物です。

その初回の時に作ったフィレンツェモデルダブルブレザーは今だに現役のレギュラーど真ん中。ここぞって時に大活躍してます。そういえばサルトビームス事業を弊社の役員会でプレゼンした際にもこのブレザー君がなんだか心強い相棒みたいに側にいてくれました。


カノニコサージクロスでほとんどオールシーズン着てますが、意外とこんな梳毛生地のブレザーって既製品だとなかなか見つからないのであの時駆け込みで作って大正解でした。既製品のブランドでも世界中みてもこの顔付きと極上の着心地は出会った事ないです。なんなら色違いとかで作ろうか今回悩んでます。


もしくは今だったらこんな感じのゴリゴリイギリスのフランネルチョークストライプでこのフィレンツェモデルスーツを着たい気分。


20年前のウチの大先輩方はみーんなこんな感じのスーツを英国テーラーのビスポークで作ってて、ずっと現役で着てるのを見ると憧れちゃうんです。やっぱりチョークストライプスーツってスーツを着るダイナミズムみたいなモノを感じるマスターピース。



既製品でやってた時に買っておけば良かったなーって後悔もあります。


昨年作ったのはゴリゴリのへビーオンスデニム生地でデニムブレザー。一年近く着てようやく身体に馴染んできた気がします。この頑丈な生地ならおじいちゃんまであと20年以上は愛用出来るでしょう。


ちょっとお値段は張りますがまさに一生物の様に愛着を待てて、とんでもない着心地に季節関係なく着たくなっちゃう中毒性は国内では<RING JACKET>以外にぼくは考えられません。今年は既製品でビビッとくるブレザーが無かったのでやっぱりこのイベントでオーダーしようか懐と相談しながら思案中。一目惚れしちゃう様なオーダー生地に出会っちゃったら即決オーダーしちゃうんでしょうね。


そして今度の同じタイミングでビームス F 原宿にてフランスの<SAINT JAMES>のバスクシャツのモアバリエーションが開催中なんて。




高校生の頃に買ったバスクシャツは30年近くたってもまだ現役で愛用中。ブレザーと共に永遠の定番かつ永久レギュラー登板の名作です。


先シーズンからドレス店舗での仕入れになりお客様にオススメ出来ることになったのは本当に嬉しい限りです。これだけお客様に買っておいて損はありません!ってブレザーと共に言える名作はなかなか無いもんです。





なーんにも変わってないですけど、それが1番嬉しいし変わらない事が今の時代で実はすごい事だと思うんですよね。

今だにフランス生産出来てる事にも感動すら覚えます。


僕にとっては洋服屋になって20数年間で90年代に憧れた渋カジブーム以来ずっと大好きで時代の変遷に少しずつマイナーチェンジしながらもずーーっと着てるブレザー&バスクボーダーコンビ。



なんならボーダーの色を変えるだけでもワクワクしちゃう位にずっと中毒症状なんです。




同じボーダーシャツで合わせてもブレザージャケットがアメリカンとかイタリアとかブリティッシュとか形が変わるだけでも全く違うから組み合わせは何万パターンと言うかもう無限の組み合わせでしょう。

どうせならサルトビームス工房が拡大していったら、工房内のスタッフはこのバスクボーダーとブレザーを制服にしちゃおうかってフライングで考えちゃってます。

歳をとるとあれだけ嫌がってた人と被る服装もなんならみんなでお揃いで着たくなるものなんですね。

そう言えば、これだけブレザー愛を語ってるんですから、そろそろブレザー散歩って企画を誰かやってくれないもんすかね。



今度の週末は丸の内〜原宿のイベントハシゴして、秋のスタイルを新調する服漬けの時間を過ごすのも贅沢な時間です。

もしかしたらお客様に紛れてぼくも出没するかも知れません。






表題はジョンレノンが80年に発表した復活ソング




starting over



rockarchive/JOHN LENNON & YOKO
価格:¥81,400(税込)
商品番号:23-83-0110-950


ビートルズを離れて各々活動していく元メンバー達へのエールのようにも聞こえるし、

ヨーコという生涯の伴侶へのやり直して新しいスタートを切ろうと誓うメッセージにも聞こえるメッセージソング。

新しい始まりを告げた矢先の2ヶ月後にジョンは現世と決別を遂げてしまったので、余計にこの歌が苦しいくらい胸に沁みるのかも知れません。


今こそ翼を広げて飛び立つ時なのかもしれない

1日も無駄にしちゃいけない

それはまるで最初からやり直す様な

新しい始まりなんだ



ジョンがこの曲を書いて銃弾に倒れたのは齢40の時。

もうぼくはそんなジョンよりも6歳も歳上の年齢になったなんて。

好きな事に夢中になって仕事に突っ走ってきた20〜30代、そして40代になって色んな物をリセットした結果にひょんな事から始まる事になったサルトビームスという名のお直し内製化事業。



何となくですが、40代半ばの人生の折り返しとなり、人生ゲームの後半戦が始まったんだと最近は思うんです。

40〜50代のそれこそ服をめぐる冒険の下巻に突入したばかり。なんだか物語も佳境に差し掛かり面白くなってきました。




そう、それは新しい始まり。





それではサルトビームス工房でいつかお会いしましょう



新井