僕は両手を広げて<BEAMS GINZA>長めのブログ

SHUN 新井 2024.11.16

ご機嫌いかがでしょうか、新井です。


銀座生活もあと1週間。


JACKET: RINGJACKET ORDER

KNIT: BEAMS HEART

PANTS: INSCRIRE

SHOES: GUIDI

なんだかブレザースタイルもこんな合わせが好き過ぎて変わり映えしなくてすみません。

そして11月30日からは


https://www.instagram.com/beams_life_yokohama?igsh=eWJwaTdzbnlxcW1t

横浜の新天地にて。


横浜を皮切りに数年の後には都内にもお直し工房を拡大していき、万全の体制でお客様のご要望に迅速柔軟に応えていくつもりです。


銀座を去ることにはなりましたが、この2年の間にアフターコロナ以降はお客様の様相もビックリする位に変わりました。1日に入店されるお客様の半分どころか7割位は海外の旅行客。


一過性のものと思っていましたが3年目になっても減るどころか海外客は増加のまま。嬉しい悲鳴ですが迎えるスタッフからすればハコとモノがインバウンドニーズに対応できていないままでズルズルときてるからなかなか厳しいものなんですよね。

一応20年はアパレルに携わって川上から川下まで見てきてるオジサンとしましては、とにかく若手に伝えているのはターゲットをちゃんと見る事が出来ているか。そしてそのターゲットに目掛けてちゃんと仕掛けるモノが準備できているかという事。


インバウンドニーズへの対応の違いでドレスフロアとカジュアルフロアの二層で、この2年だけでも実績効果はもう倍以上は違う訳なんですよね。

コロナの時から勝手にこのブログで言ってましたが、多店舗展開から効率的な人員と効率的な縦売れを踏まえた大型店舗への転換。

そこにこの爆発的なインバウンドニーズが黒船の如く襲来してる訳ですから、もうこの銀座の店はリニューアル大変革に待った無しな状況な訳です。


横浜に作る複数業態メガ店舗なんてコチラでやっても成功がもう見えてる位に思えます。

海外のお客様に話を聞くと自国ではほとんどのアパレルでは店頭分は試着サンプルで、必ず在庫ストックを購入するもんだって言われちゃいました。そして何より日本ブランドとしてBEAMSの商品を買いたいのに服も靴も大きいサイズレンジが無くて残念だって言われる事なんですよ。


そして店頭のスタッフ達がとっくに気付いているのは既存国内客と海外客を共存する形でどちらのニーズも全て拾う事は不可能だという事。

銀座、渋谷、原宿なんてもう同じ状況なんですからインバウンド一極集中強化店舗で海外客向けのモノ、サイズ展開、タテ積み在庫、語学に特化した効率的な人員体制、そして海外客が長時間楽しめるアミューズメント型店舗への早急な転換をするべきだと。


ついでに飲食休憩スペースも用意したらみーんな海外客のみなさん喜んでくれそうだし、かなり飲食売上げも見込めそうなので良いと思うんですけどね。

スタッフも適材適所を考えると、豊富な商品知識を持ったスタッフが慣れない英会話でサイズの用意だけのご案内を一日中何十件もこなしてるのなんて完全に無駄な人員配置としか思えませんしね。アウトレットみたいにサイズ全部出しておけばわざわざ人員割く必要ないでしょーって。

経験知識豊富なスタッフはそれを必要とする国内顧客が集う様な立地の旗艦店で活躍するのがベストでしょう。

店舗特性、ターゲットに沿ったハコとヒト、そしてモノ。

目まぐるしい変化に合わせての転換はまさに今だと。



ここ数年は私の着る服も実は中身が全然変わりました。ウチの国内生産のオリジナル商品とか日本人が作り出すドメスティックブランドばっかりになったんですよね。




国内生産の洋服を応援したいって気持ちは勿論ですが、何より企画自体が地に足がついてると思うし、日本人の自分にちゃんと刺さるモノを作ってるんだと思うんです。

贔屓目はあるかも知れませんが、世界的に見ても日本ブランドや日本のショップオリジナルアイテムが1番イケてるって本気で思ってます。プライスもクオリティも含めてバランスが1番イイ。

30代はほんと色んな国の色んな街を見ましたが、ここまで街の歩く人のオシャレな服装の平均値が高い国って日本がダントツだなって思います。

海外の卸もそうですが、日本にやってくる海外客にもBEAMSのモノって更に売り込める筈なんです。それにはまだまだ創意工夫が必要なのも確か。


思考は行動から生まれる


僕が仕事をする上で昔からずっと頭にある考え方。この数年でBEAMSを取り巻く状況は目まぐるしく変化しています。まずはこの変化に直ぐに順応するように行動あるのみ。

きっと近いうちに日本のお客様も海外のお客様もそれぞれ喜んでもらえる形に変化出来るはず。そして僕ら自身がもっと笑顔になれるはず。


その変化の一歩を僕は横浜から始めていきます。





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表題は1973年にサンフランシスコで結成された旅人達の81年発表の屈指のロックバラード。


発表時は僕は3歳だったのでちゃんと聴いたのは大学生位の頃。10代のリアルタイム90年代の頃はグランジやらメロコアやらブリットロックに夢中になり、69年を核としての膨大なクラシックロック研究に大忙しだったので、流石に80年代のしかも思春期にはなんだか1番忌み嫌っていた産業ロックとも言われた時代の音楽はポッカリと空ける様に避けていたんです。

鬱屈とした混乱を極める思春期にはカラッと明るくて王道のロックとか全然刺さらなかった。


そんな暗黒期を過ぎた時にある映画のメチャクチャドラマチックなシーンの挿入歌で使われてたこの曲は、そのとんでもなく綺麗で感動的な情景と相まって涙がとんでもなく流れてたのを機に僕のバラードバイブルの上位に食い込んでました。

シンプルで王道な展開といい、正にお手本的なロックバラードとしてのメロディと抽象的ながら誰の心の琴線にも触れる様な言葉達。



僕は両手を広げて君を迎えに来たんだ


僕は両手を広げてここにいるんだ


僕は両手を広げて待っているから




大袈裟なくらいに感動的な展開と美しいメロディに昇天するかの様なバカうまなハイトーンボーカル。

幾つになって聴いてもまるで前世で別れてしまった大切な人と現世で再会して両手を広げて迎える様な気持ちに一瞬で持っていかれるんです。

そのせいか人と接する時に自らをさらけ出して両手を広げて相手も受け入れるって所作がなんだか大好きになったんですよね。



横浜で両手を広げて待ってます。

もしかしたらまた銀座でも。




新井