ワイルドサイドを散歩しよう

SHUN 新井 2021.08.21

今晩は、銀座店の新井です。


サーバー不具合なのか投稿がなかなか反映されず失礼をいたしました。半日遅れの投稿となります。


コロナ禍状況の中でますますご来店が少なくなってきました。それはそれで自己防衛をされているので歓迎すべきかも知れませんね。どうぞオンラインショッピングを楽しんで下さい。

本日ご来店の紳士の方は、この状況で何も娯楽が出来ず気晴らしがなくて辛い心境をお話を頂き、それでも男は日銭を稼ぐ為に働きに出なくては行けないし、自分に鞭を打って闘う武装の上着だけでも購入して乗り切っていきたいと仰っていました。

流石にちょっと目頭が熱くなりましたね。苦しい経済の中でかなり後回しにされている衣服という物が人によっては背中を押す重要なモノとなるなんて。


私がこの世で一番好きな武装服。性別問わず永遠の定番と言えるネイビーブレザー。

ここ数年の定番なのですがこのオリジナルブレザーはやっぱり良く出来てるなあ〜って。

ありきたりな説明は野暮な気がしますが、

アーサーハリソン社の英国らしいがっしりした生地。上襟やらゴージやら袖付けやら打ち合い台場やらボタンホールやらが手縫い。安定感のあるリングヂャケット縫製でこの値段がまたスゴイ。今の雰囲気をちゃんと出しながらも10年以上着れると思わせる定番感、でも只者では無いと思わせる洒落感、誰が見てもイイジャケット着てるなぁって分かる感じが流石。おまけに金ボタンもすこぶるイイ雰囲気。至れり尽くせりです。先日シングルタイプが追加がありサイズが揃う様になりました。コレはずーっとお店に定番で置いておきたい。

紺ブレ好きが勢い余って、2007年に元キャンプス、元ビームスで、知る人ぞ知る菊池さんってダンディなおじ様と銀座8丁目で紺ブレを365日面白く着こなす、東京トラッドをコンセプトに掲げたセレクトショップをやってましたし。

今や世界中のあらゆるファッション文化が入り混じる東京都市、ブリティッシュもイタリアンもアメリカンもフレンチも。その全てを飲み込んで生まれている東京トラディショナル。そのアイコンアイテムはきっとブレザーではないかと。




二層でしたが内装費用が、なんと2億超え。

全てアンティーク什器と家具だし、音響だけでも200万以上かけちゃってて、、

銀座8丁目なので夜の銀座の街のど真ん中。特に18時から21時までの後半の時間はジェットコースターみたいなハラハラドキドキの連続で面白かったですね。夜のお姉様の波乱のギフト選びとか、怖いおじ様のご案内してて気が付いたら周りを超怖い付き人に囲まれたりで、、しかも売上の波が大き過ぎて。有名人の方が銀座の夜遊び途中で立ち寄って特大ホームランとか。

その店はリーマンショック直撃のタイミングで2年しか出来ず、、でも同じテーマでもう1回いつかやりたいなって。その頃より少しは知恵と経験とコネクションは出来たと思うので。その当時は毎日ブレザー着てたので、日が経つ内にレディーススタッフからブレザーが臭いますってクレームが来るオチがありましたけど。


私のブレザー原体験は90年初頭のトレンディの保奈美姉様が着てたのですね。後は同じくの美樹姉様。それを真似て中学校の美術教師の女性もブレザー着てたのがとっても素敵で。その先生に話しかけてもらって洋服の話をしたくて学ランなのにやたらインナーにオシャレな私服を合わせたり。

その後高校生の青春時代からずっと永遠に私のファッションアイドルであり続けるのは、今は亡きポップアートの巨匠A先生。本屋に行っては洋書を漁ってシルクスクリーン作品そっちのけで彼のビジュアルを探してました。今はネットですぐに拾えるのでイイ時代になりましたね。ネイビーブレザーにボタンダウンでタイドアップ、デニムにウェスタンブーツのスタイルがたまらなく好きで好きで。


ニューヨークのA先生、

パリの洒落オヤジのセルジュ

高校時代の自分の最高のファッションアイドルって多分この2人ですかね。お二人共亡くなってしまいましたが、晩年の背中の丸くなったおじいちゃんの姿を見れないからこそアイドルで居続けてくれてるんだとも思います。

2人とも結構かっちりのネイビーテーラードジャケットを自分テイストで着こなしてますよね。インナー使いはボタンダウンシャツやバスクシャツ、デニムシャツだったりでデニムパンツを合わせて、合わせる靴は片やウェスタンブーツ、片やバレエシューズですもん。その合わせはもう2人の模倣としか言えなくなった訳で。周期的に御二方のスタイリングに何度も刺激を受け続けてる気がします。

故落合先生の本でも言ってましたが、旅やら出張の際には必ずブレザージャケット1着で着回してました。機内も会食もシチュエーション何でもござれ。

最近だとイタリアのエージェントのプリモさんっておじ様は、日本で見る時は同じ様にラティーノのダブルブレザーをドレスからカジュアルまで着回してるのがすごく素敵でした。ラティーノにチャンピオンのスウェットはおったまげましたよ。

ブレザーが好き過ぎていくらでも話が出てきちゃいますね。

現在展開中のリング製ブレザーはアメリカの超大御所ブランドにも引けをとらない名作ブレザー。


何よりこの1着と一緒に歴戦のビームスドレススタッフの無限のコーディネート提案がもれなく付いてきますからね。これはセレクトショップならではの利点だと思います。モノの知識も大事ですが、着方を知るのはもっと大事ですから。


ホームページで告知してますが9月にこのブレザーをモデルに生地変え、体型補正も出来るリングヂャケット縫製のオーダーフェアも銀座店で開催しますので更にブレザーを楽しめそうですね。


題名はもちろん先生と所縁の深いRおじ様の若かりし頃の傑作。最高のストリートロッカーですよね、彼は。

無愛想に呟くようなモノクロトーンボーカル、隙間のある美しいサウンドはニューヨーク都市の退廃的な部分とか孤独を浮き彫りにした感じ。

そんな彼を一躍スターダムに押し上げたのも先生ですが、彼のグループを破滅に導いてしまったのも先生であって複雑ですね。

そんな訳なのかブレザーのスタイリングを考えると先生のビジュアルと一緒にこの曲が自然と鳴り出すんです。こんなフレーズも聞こえてきます。

「危ない方を歩いてみない?」

なので真面目なスタイリングなんて出来そうにないですね、多分ずっと。



先生宜しくブレザージャケットに5ポケットのスリムデニム、ヒールブーツを合わせて、銀座コリドー街辺りのワイルドサイドを40代前半の男性が16ビートを刻む様にアンニュイに散歩してるのを見かけましたら、、

きっと私だと思います。



それでは銀座でお会いしましょう


火曜金曜20時定期投稿です。



新井