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貴方はハリケーンのよう<rockarchive>長いブログ

ご機嫌いかがでしょうか、銀座店の新井です。



これからはしばらくこの感じでいくと思います、ブレザーにスウェットパンツスタイリング。

私の中で完全にゴールデンアイテムとなりました、この<INSCRIRE>ワイドストレートスウェットパンツ。こんな素敵な日本発のブランドがあったなんて。今年のこのブランドのラインナップはチルデンニットといい、トラックパンツといい、ラガーシャツといい、全部ツボです。

最高過ぎてまたいつもの悪い癖で色違いとシーズン違いで計4本も購入してしまいました。



INSCRIRE/スウェットパンツ
カラー:ホワイト、ネイビー
サイズ:M,L
価格:¥31,900(税込)
商品番号:11-24-3421-540



INSCRIRE/ワイドスウェットパンツ
カラー:オレンジ、パープル
サイズ:M,L
価格:¥31,900(税込)
商品番号:11-24-0149-540


今の所ルーティーンで週4で必ずブレザー合わせで活躍中。これも私の中ではれっきとしたトラディショナルアイテム。きっと来年は1日中ミシンを踏む事になればこのパンツがユニフォームの様に役に立つ事でしょう。座り作業での機動力は抜群。

こんなエレガントなシルエットを描くスウェットパンツ出会ったこと無いっす。女性デザイナーならではのユニセックス感とかも相まってヘビー過ぎないふんわりと柔らかなドレープ感とかも最高。トラッドの代表とも言えるブレザージャケットとベーシックスポーティアイテムの代表であるスウェットパンツの組み合わせがこれまた最高です。


昔観た映画とかドラマでの大学生が部活後にトレーニングウェアの上に無造作にブレザーを羽織るシーンが頭にやたら残ってて。それが本当に自然な感じだし、その頃からずっと憧れてた欧米のカレッジライフの象徴みたいな印象で。90年代のあの頃は大学とか高校を舞台にした青春ロードムービーがやたらと多かったんですが、飽きずに毎日毎日家でも映画館でも暇があれば観てましたから。そういえばその当時も学ランの黒スラックスにトラックジャージのジップブルゾンを合わせて着てましたよ。意外とこのスタイリングに歴史ありです笑。

正直四十路になるとスタイリングに細かいロジックとかルールとか最早そんなに重要じゃ無い。むしろ直感でシンプルに好きなものを着る位の勢いで良いんです。


そんな訳でとうとう今シーズンの担当レーベルのアイテム紹介を放棄しての他店他レーベル展開のアイテム購入と紹介という末期症状。正直ものなんでご勘弁下さい。

こんな困った時は好きなアーティスト絡みで何とかやり過ごしましょう。



rockarchive/NEIL YOUNG
価格:¥107,800(税込)
商品番号:23-83-0079-950


気が付いたら新しくまたバリエーションが増えてました<rockarchive>。90年代のアーティストがもっともっと増えて欲しいジェネレーションX世代。

まさかの出ました、グランジロックのカリスマからカントリーシンガーまでもが魅了されたであろうロックレジェンドのヤングおじさん。


知らない人から見ればビミョーなこのビジュアルかもしれません。その手に持たれるのは世界一美しいギター、ホワイトファルコン。彼の荒々しくも感じる容姿のビジュアルとその美しいギターとの対比も何だか不思議なギャップで魅せられます。

そして僕は人生の中で2回は彼の曲に絶望の淵から救われました。なんだか弱々しく感じる鼻声の繊細な歌声も、テクニカルな技術だけでは決して出来ない彼独特の時には歪んだギターソロプレイにも感情を揺さぶられた人は少なく無い筈。

世界的な純文学作家のおじさんもきんぴらごぼうを作ってる時には必ずヤングおじさんの曲を流すって言ったのはなんとなく分かる様な気がしますし。

でもこのフォトを額に入れて仰々しく部屋のおしゃれで飾る人はなかなかいないのか、まだソールドアウトにはなっていない模様。なかなか他アーティストとは違うこの独特なムード。痺れます。流石にヤング狂女子には出会った事ないなぁ〜笑



表題は彼の77年発表の若かりし頃の代表的ナンバー。このギターイントロで誰でも1発でハートを持って行かれてしまう程の破壊力。


貴方はまるで嵐のよう。

そして穏やかな瞳の中。

僕は吹き飛ばされてしまいそうだ。


でもむしろそんな歌詞以上に胸に情念深く突き刺さる彼の暴風雨の様に激しく鳴るギターの響き。ヤングおじさんの存在そのものをガツンとそのままぶつけられているかの様。


あるライブでも一緒にプレイした若手のカリスマアーティスト達がビビっておびえちゃう位にヤングおじさんが轟音ノイズギターを掻き鳴らしていた姿が印象的。

僕もそんな彼の様に限界まで前を走っていこうと思います。

まだだ、まだ終わらんよ。






それでは銀座でお会いしましょう



新井

私の心に火をつけて

ご機嫌いかがでしょうか、銀座店の新井です。

先週末の予約会祭りは前回以上の大反響。いやはや久しぶりにバタバタながら楽しかったです。皆様誠にありがとうございました。

大忙しでヘトヘトで自分のオーダーを検討するヒマも無く機会を逃してしまいました。仕方ないので春の新作で我慢しようと思います。

そして今月3月16日付でわたくし新井は立川店のドレスフロアに転属となります。銀座店にお越し頂いたお客様方には大変にお世話になりました。誠にありがとうございました。

立川は10数年ほど前に近辺に家を買いまして、もうすっかり第二の故郷として根付いている街ですので、ここから色々とやっていこうと思ってます。

もう片道1時間40分とか往復3時間以上かけて都心に出稼ぎに行くのも飽きました。その分は立川って街で仕事なり遊びなりに自分の為に時間を使ってあげてもイイ歳頃だと。

流石に異動に向けてヤル気スイッチ入れる為に珍しくクラシックな袖物を先日購入しました。



相変わらずのクロスオーバーというかヘンテコに着てます。

昨年秋にリングヂャケットオーダー会でオーダーしたフィレンツェモデルのダブルブレザーが予想以上に良かったので同じパターンのスーツモデル。



今期の新作リングヂャケットフィレンツェモデルダブルブレストスーツのドーメルトニックウールモヘア生地使用。もはやヤサイマシマシアブラマシニンニクみたいな呪文風ネーミング傑作既成品スーツです。

本当はリングヂャケットOさんにお願いしてオーダーしようと考えてたんですが、このドーメルトニック生地だとパターンオーダーで30万近くいっちゃうプライス。それがこの既成品の新作だと15万ちょいで買えちゃうってのが素晴らしいのでコチラにしました。

このリングヂャケットさんのハンドラインシリーズとかウチで展開するスーツやジャケット達は仕様とか考えたらメチャクチャお値打ち物なんですよね。詳しくはスタッフまで。答えられなかったら私に聞いて下さい。



BEAMS F/ハンドライン6ボタンダブルブレストスーツ
カラー:ネイビー
サイズ:42,44,46,48,50,52
価格:¥165,000(税込)
商品番号:21-17-1805-015

ただ普通にしないのがわたくし。ボタンはフラットなちょっとチープめのメタルボタンに替えてます。相変わらずこのやり過ぎな位の太いピークドラペルと低めで傾斜角度の強いゴージラインが最高。これなんですよね、この10数年で散々見てきた緊張感の強いハイゴージとは対照的な少し緩い感じで今のモードトレンドにも親和性を感じてしまう顔つき。


袖ボタンなんて5個付けちゃってますし。昔に観た映画の軍人さんが着てた軍服への憧れが強いんでしょう。ボタンホール開けません。穴かがりも付けません。

フロントボタンホールが先メス入れの手縫いなので袖も同様に手穴って人もいるでしょう。ただ縫製工場の職人が縫う手縫いと袖直しの直し屋さんによる手穴で結構クセだったり糸番手が違ったり硬さだったりが同じにならず表情が違うのもなんだかなーって。だったらファッションとして無し無しです。ボタン5個なのでホールステッチがその分もあるとくどいですしね。



この大迫力のワイドラペルも更にプレス掛けをして納品時より更にワイドにしちゃってますし。今回はまだラペルに上乗せのダブルステッチは入れないでおきましたが、その内飽きてきたらハンドステッチを入れてしまうでしょう。



ブレザーにアップデートさせながらもパンツ同生地のセットアップとして着てますし。ダメ押しでパンツの裾幅は2センチ広げてややストレート気味に。とりあえずフレンチ風味に誤魔化すスカーフ首巻きにヒールブーツを履くと。

このスーツ、ゴリゴリのイタリアフィレンツェモデルなんですけどね。先輩方には怒られてしまうであろうドレスコードやらを破壊して着るのもなんだか楽しいものです。

とりあえずルーツは中学高校と学ランを着てましたのでゴールドのメタルボタンが好きでしょうがないんでしょう。そしていつもの新井小噺。

92年の春、80年代から始まった学級崩壊で荒れくれる義務教育現場の名残がまだ感じる北関東の地方都市の中学校に入学し、稲妻の様なカルチャーショックを与えられた変形型学生服の洗礼。着丈が著しく短く設定されベルトもシャツも見えちゃうアバンギャルドな短ランジャケットや歩く度に膝で裾をなびかせるのがエレガントな中ランジャケット。

組下のパンツは非常に趣向やセンスの見せ所。アグレッシブなパンクを感じさせる渡り幅40センチで裾幅18センチ設定のウルトラテーパードパンツのある意味モードパンクスタイルがいれば、スリープリーツにハイウエスト、渡りから裾まで真っ直ぐ40センチで正に土管の様にスーパーワイドストレートシルエットスタイルの言うなればコンサバツッパリスタイルも。

そして極め付けの学ランファッションのアクセサリーはフロントボタンの裏側に付けるチェンジボタン。これこそ見えないオシャレとしてエンブレムからイニシャル、キャラクター物まで趣向性も様々。

因みに私は今思えば世界のヨージブラックスタイルにも通ずる短ランに極太ボンタンパンツがお気に入り。情けない事に学校着いてから着替える事も。生活指導に見つかって没収されるのが怖かったんです、だって変形学ランって高いんですもの。

登校の時に校門に生活指導の屈強なゴリラみたいな先生が抜き打ちで立ってる日は、必死に太いパンツを隠すべく、股の内側に折り込んでコソコソと内股気味に情けなく歩いていたのは良き思い出っす。


自分のルーツと正面から向き合い、好きなものを自分らしく着飾り表現する。そんな格好をするだけで朝から通勤が小気味良く、面倒な仕事も遊び気分でチャチャっと片付けちゃいます。ほどほどが良いと思うんですよね、インフルエンサーだとかキュレーターとかにモロに影響受けて皆んな同じ様な格好するの。着る服装が分からない時は学ランとか軍服とかの制服着るのが一番楽ですよ。まあだからノームコアとか言う言葉もいち時期飛び交いましたけど。自分だって週5日のうち2日位は着る服が面倒くさくてって時があります。そんな時に制服みたいなセットアップ上下でボーダーかハイネックとかで済ませます。

でもスーツって着ると自然と気分が高まるから不思議です。それがゆるーい着物というか寝巻きみたいなダルダルの合繊セットアップじゃなくて、今回着てる様な高級な仕立てであったり上質なクラシックな天然生地がやっぱり1番しっくりくるし、テンションが上がるんですよね。今思うと自分が着てた詰襟学生服の生地はしっかりとウール100%の打ち込みの強いギャバジン素材。体型を補正して美しく見せる為の程良く厚みのある肩パッドも入ってました。スタンド型の詰襟も首に綺麗に沿った美しい曲線を描いてましたし。


学ランしかり軍服しかり、規律ある環境で規律ある緊張感を持った服装をする事が、どれだけ今の自由を拡大解釈された世の中で大切で意味のある事か。

ここ数年は今時の売れ筋ブランドを追ってビッグシルエットやら機能素材やら着てみたり作ってみたり散々してみました。残念ながらそれらの服はクラシッククロージングみたいに5年後10年後にまた着たいとは思えないんですよ。やっぱり結局はクラシックドレスクロージングなんですよねー。

だからこそ軍服とか制服から由来されるブレザーにも魅了され続けてるのも納得しちゃう。

ただ10代の中学生の好奇心と反抗期が抜けて無いのか変形学生服しかりで素直に着る事が出来ないので困りものですが。男の反抗期って一生続くんですね。


65年にロサンジェルスで結成された4ピースサイケデリックロックバンドの最初のヒットナンバー。ベースレスのハモンドオルガンの唸り響く演奏とエモーショナルなボーカルは、私にとっての軍服と言える上質仕立てのブレザーと同様にハートに火をつけてくれるんです。


それでは残り短い銀座でお会いしましょう。


新井