ご機嫌いかがでしょうか、銀座店の新井です。
年始もやっぱりブレザースタイル。珍しくデニムにウェスタンで味付けでウエストコートまで合わせてたので、ハンバーグが好物の師匠みたいに見えてしまいました。 あま〜い接客の1日となりそうです。
銀座店クロージングフロアでは新しい試みの準備中。最近は革小物の展開の幅が縮小気味でしたので入り口すぐの通路ショーケースにRockarchiveの写真達が入ります。

rockarchive/OASIS Photo
価格:¥79,200(税込)
商品番号:23-83-0073-950
今回は呼称を使えるので心置きなく文が進みそうです。このバンドは私が高校生の頃に現れた正に青春ドンズバなんですよね。私が高校一年生の時、アメリカを中心とした空前のグランジブームが94年春にカリスマの夭折と共に終焉を迎えつつあったのですが、その同じ年の夏頃にオアシスのファーストアルバムが発売されたんですよね。
熾烈な高校受験を何とか終え、駆け込みで県で有数の進学校と言える高校に滑り込んだは良いのですが、当時は殆どの進学校は男子校と女子校に分かれてたので、登校してもむさ苦しい男だらけで勉強だけでまぁ〜つまらんの一言。軟派な友人を数人確保して毎日学校終わりにチャリを漕いで宇都宮市内の女子高生と出会える図書館やらオリオン通り近辺の溜まり場を散策する日々が始まった訳です。
そうなるとモテる為目立つ為に学ランをメインアイテムとしたオシャレ武装が欠かせないんです。聡明で垢抜けたシティボーイ高校生を演じる為に、中学時代に買い揃えたバンソンのライダースもレッドウイングのペコスもエンジニアブーツもスカジャンも1300もワッフルトレーナーも501XXもグレゴリーもみ〜んな売っぱらい、無印のお洒落レトロ自転車やらグッチもどきのビットローファーやらエルベシャペリエのトートとリュックやらカシオのデータバンクやらを買い集めました。
サヨナラ、我が青春の渋カジアイテム達よ、、
市内のオシャレピープルは小さめのクラブに週末は集い、渋谷ミュージックやらアシッドジャズやらを大音量で踊ってるのを目の当たりにして、慌てて新星堂で洋楽コーナーのCDジャケットを端から端までチェックしてたり、土曜の夜中にやってたビートUKってヒットチャートを録画して暗記する位殆どのアーティスト名を覚えるのに夢中になって。当時はまだ野球のナイター放送が全盛で大体が延長になって放送時間がずれ込んで、ランキング上位の部分が録画出来てないというタイマー機能が不完全な時代で大変でしたが。
そんな時に盛り上がり出したのが俗に言う90年代ブリットポップブーム。確かクリスマスに発売されて瞬く間にトップに躍り出たのがwhateverって曲でした。ファーストとセカンドの丁度狭間だったのでアルバム収録はベスト盤まではお預けだったのですが、唯一シングルで買って一万回位聴いた様なマイベストオアシスソング。
ルックスはマンチェスター特有の男臭くて眉毛繋がってるし、ジャージだし、フットボールマニア全開のキャラは分かりやすいけど垢抜けんなーとか言いつつもキャッチーなファーストアルバムはなかなか粒揃いの曲達で結構聴けるよね〜とか洋楽聴き出した女子にイキってましたが、この曲の始まりのアコギにまさかのストリングスが絡む出だしは一気に心を持っていかれたんですよね。
ミュージックビデオもモノクロトーンの真っ白な空間で、ミドルテンポの美しく流れる曲と相まってずっと見ていられる感じというか。どんな感情も関係なくフラットな感じで心が落ち着くというか。
当時ライバルとして対立関係を囃し立てられた同じイギリスはロンドンのバンドBが歌う知性とユーモアに溢れる皮肉めいたポップソングも好きだったのですが、オアシスが歌う如何にも漢っぽいシンプルで肯定的な歌詞はなんだか大人になった今のが心に響く気がして堪らないです。
そして音楽性うんぬんって話はしたくなると思いますが、オアシスが作る音楽ってすごくシンプルにロックへの憧れや純粋な夢を音現化した物だと思うんです。多国籍ななんとか風要素とかそんなんじゃなく、何ひとつ難しくなく単純にロックという情熱そのものを具現化できただけ。そしてその単純明快なロックという不恰好な彼らに私達は無性に惹かれているだけ。
本場のイギリス人の英語教師にオアシスの印象を聞いたら、「アレはノンノン、ロックじゃないね、ブリティッシュポップだね」と言われてなんだか悔しかったのも思い出します。
でも10代の若い頃ってメジャーどころになりつつあったオアシスが好きって言いたくなくて、もっとインディーズの皆んながあまり知らないマイナーなバンドを好きって言いたくて仕方が無くて。でも実は毎日携帯してたCDブックには必ずセカンドアルバムが入っていたのは事実なんですけどね。いまだに曲名も曲順も言えちゃうんだから凄い作品ですよね。
助走をつけるかの様に激しいギターながらミドルペースで紡がれるハローから、更にテンションを上げていくロールウィズイット。一旦小休止となりながらも叙情的に歌われるワンダーウォール、感情が爆発されるかの様なバラード、ドントルックバックインアンガーまでの津波の様になだれ込んでくる序盤の4曲だけでも名曲揃いの構成は圧巻でした。
rockarchive/OASIS photo
価格:¥93,500(税込)
商品番号:23-83-0072-950
そして90年代のあの頃に活躍したバンド達の中でずっと愛され続けて、世代問わず皆んな聴いた事があって、今回の作品として成立出来るバンドはこのオアシスだけだって事が全てを物語っていると思います。
自分が未だにサービス精神で毒を吐いて話題を振りまいたりしちゃうのも絶対この兄弟の影響を受けてるに決まってますし。
今になればオアシスってバンドは、ちょっと洋楽にかぶれたり洋服が好きな人であれば世代を問わずに共通の話題として話が盛り上がって、いつの間にか距離を縮められる事が出来る存在となってると実感するんです、この写真を見ると。
それにこの作品って今まで他の媒体やらで出た事が無いカットって所がまた琴線をくすぐります。30年近く前から様々な媒体でこの兄弟被写体にした写真を沢山見てきましたが、これらの写真はやっぱり見た事が無かったものばかりでした。こんな写真あったんだ!って感情と実物の迫力と見応えは予想以上でしたね。こうなると全作品が見たい。ショーケース全部彼らの作品にして欲しくなります。
銀座店には入荷してないですが、我が青春のカリスマ、モリッシー様の作品は年に数回はメチャクチャ欲しくなる衝動に駆られてしまっています。
rockarchive/MORRISSEY photo
価格:¥79,200(税込)
商品番号:23-83-0092-950
でも息子2人が家の壁にデカデカとオンラインバトルロイヤルゲームのポスターを貼りまくってるので、その横にモリッシー様を置くのは流石に失礼だと思いますので必死に欲求を抑えてます。
そんな訳で銀座店の細長い通路ショーケースに新しく陳列されたこの写真で立ち止まって眺めてるお客様を見ると、話しかけたい衝動に駆られてしまってるスタッフを見かけましたら間違いなく私だと思います。
それでは銀座店のショーケース前でお会いしましょう
新井