こんにちは、藤本です。
今回は、前回投稿させていただいたシーズナブル・レコメンデーション【2023 EARLY SUMMER】の続きとなります。
ぜひ最後までご覧ください。
それでは早速、ご紹介していきます。
まず最初にご紹介するのは、オーストラリア出身のシンガーソングライター、Aaron Joseph Russo(アーロン・ジョセフ・ルッソ)によるあのFishmansの「Baby Blue」を日本語詞のままカバーした一曲が収録された7インチ。

日本や韓国をはじめとしたアジアのインディー音楽シーンに魅力を感じ、自身のサウンドにそれらの影響を反映させていることでアジア圏でも人気を集めているAaron。その中でも伝説的な日本のバンド Fishmansによる孤独感の中で愛する人だけに感じる希望的な想いを音像化した「BABY BLUE」が大のお気に入りらしく、本作にはそれを日本語詞のままカバーしたA1と、2020年に制作したウォーミーで穏やかなドリームポップB1を収録しています。
低音のベースが際立つ力強いビートと、レゲエのリズムを刻む鍵盤音が印象的な「BABY BLUE」を、さらにメロディアスに
かつサイケデリックに昇華させたサウンド。
Fishmansのヴォーカル、佐藤氏のあの柔らかい歌声を意識しているのであろう、儚げな歌声は、オリジナルとはまた異なる良い味を醸し出しています。堪能な日本語からは、彼のFishmansや日本に対するリスペクトがとても感じられますね。
傘をさしている人物のイラストが描かれているジャケのように、まさに梅雨の時期にオススメなサイケデリック・メロウナンバーです。
二枚目にご紹介するのは、今年のRainbow Disco Clubでのパフォーマンスも大絶賛で終えたデトロイトテクノのオリジネイター Jeff Millsによる最新のアルバム。
【3LP】Jeff Mills / MetroPolis MetroPolis 〈Axis〉
価格:¥6,380(税込)
商品番号:29-67-0591-526
戦前のドイツ映画界を代表する名監督 Fritz Langが手掛けたディストピアSFの金字塔『Metropolis』の世界観に魅了され、「マシンの力を借りた"人間対人間"の物語」と評しているJeff Mills。
2000年に同作のある特定シーンに沿う形でサウンドトラックを制作していますが、本作は、長年失われていた本編の完全な147分のフィルムが2010年に発見されたのを契機に、前回のサントラを下敷きにしつつもゼロから作曲をし直し、ある種のイメージアルバムとして制作されたものです。
惑星をテーマに、初めてオーケストレーションを念頭において作曲した2017年作『Planets』や、日本人で初めてスペースシャトルに宇宙飛行士として搭乗した毛利衛氏との対話から生まれた2013年作『Where Light Ends』。挙げたらキリがないですが、これまでJeff Millsがクラシック音楽とのコラボレーションで行われてきた実験、及びその成果を反映させた集大成作品ともいえます。
電子音楽とクラシックの狭間に宇宙を見るJeff Millsの美学が細部まで行き渡った本作、ぜひフィジカルで聴いてみてはいかがでしょうか。CDは店頭のみの展開となります。
続きまして三枚目にご紹介するのは、ポルトガルを拠点に活動するシンガーソングライター Manuel Linhares(マヌエル・リニャレス)による2022年にリリースされたアルバム。

【限定シルクスクリーン・ジャケット仕様CD】Manuel Linhares / Suspenso <Carimbo Porta-Jazz>
価格:¥2,860(税込)
商品番号:29-68-0069-526
昨今続々と新たなアーティストが表れている現在のブラジル音楽シーンの中でも、突出した才能の持ち主であるプロデューサー Antonio Loureiroが全面プロデュースしている本作。
伝統的なポルトガル・ジャズ、現行のミナス音楽などの聴き応え溢れるメロディやリズムを、ラージ・アンサンブル(大編成でのジャズ・アンサンブルの一種で、ビッグバンドより現代音楽の影響を受けたものがラージ・アンサンブルと呼ばれている)という手法で一つに纏め上げていて、複雑ながらも緻密で、広がりのある美しい音楽を創出しています。
Antonio Loureiroの技量に驚かせられると同時に、そんなラージ・アンサンブルにも引けを取らない、Manuel Linharesの渋みを携えた鮮烈な歌声にも脱帽。じめっとした気候の日の夜に、この涼感ある一枚はうってつけです。
ちなみに、本作をリリースしたポルトガルのレーベル〈Carimbo Porta-Jazz〉は、CDのプレスは限定枚数のみで、毎度鉛筆手書きのシリアルナンバー付き、7インチサイズのペーパースリーヴ、という凝った仕様でリリースしているレーベルです。本作もシリアルナンバー付きのかなり限られた一枚ですので、気になる方はお早めにゲットしておくのをオススメします!
続いて最後にご紹介するのは、ウルグアイを拠点に長年インディー・シーンにおいてマルチに活躍してきたアーティスト、Fabrizio Rossi(ファブリツィオ・ロッシ)が2021年にデジタルのみでリリースしていたアルバムです。

【LP】Fabrizio Rossi / Recuerdos de Uruguay〈Little Butterfly〉
価格:¥5,060(税込)
商品番号:29-67-0682-526
ブラジルとアルゼンチンに挟まれた小さな国ながら、南米一幸福な国といわれているウルグアイ。「南米のスイス」とも称されるほど社会福祉国家を目指している国です。
実際にウルグアイの国民的音楽は、18世紀後半に、アフリカ各地から奴隷として連行された黒人達のコミュニティで行われていた宗教的儀式 カンドンベが由来で、それらのリズムが白人層にも浸透し、今日までの国民的音楽となっているそう。
先日、Youtubeでウルグアイを訪れている日本の方の動画を拝見しましたが、ストリートでトランペットの演奏をしている方や、サンバ風の音楽をダンスを含めてパフォーマンスしているシーンがあり、日常生活の中でなんらかの形で人々が音楽に触れているのだなと感じました。
そんな国で生まれ育ったFabrizio Rossiによる本作も、まさにそんな多種多様なジャンルの音楽からの影響を伺える作品。
フォルクローレ調と、柔らかな歌声を主軸に、ジャズ、フォーク、ボサノヴァ、さらには現代アルゼンチン音楽にも通じる牧歌的余韻をたたえたアコースティックな楽曲に、Sam Gendel周辺にも通じるアヴァンギャルドな手法を取り入れたインスト曲まで、聴き応え溢れる全13曲を展開します。
コンテンポラリーな南米音楽、実験的要素のあるヴォーカル作品をお探しの方は要チェックです!
長くなってしまいましたが、以上でシーズナブル・レコメンデーション【2023 EARLY SUMMER】完結です。
気になる作品がありましたら、お気軽にお問い合わせください!
皆さんのご来店、お待ちしております。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。








