BORRIELLO

吉田 智 2021.03.24

ビームス ハウス 丸の内のブログをご覧の皆様、こんにちは。

吉田です。


ドレスシャツと言えばFRAY、LUIGI BORRELLI、TURNBULL&ASSER、CHARVET、BARBA等名だたる名門ブランドが存在しますが…。

今回イタリアはナポリのブランドである〈BORRIELLO〉のシャツのご紹介をさせて頂きます。



まずは現在展開しているラインナップのご紹介です。

キャンディストライプ


BORRIELLO CANDY STRIPE SEMI WIDE
カラー:GREY,LIGHT BLUE
サイズ:37~42
価格:¥26,000+税
商品番号:24-11-1962-090

シャンブレー


BORRIELLO CHAMBRAY SEMI WIDE
カラー:DENIM
サイズ:37~42
価格:¥26,000+税
商品番号:24-11-1839-090

コットンリネン


BORRIELLO COTTON LINEN SEMI WIDE
カラー:WHITE
サイズ:37~42
価格:¥25,000+税
商品番号:24-11-1963-090

型数はさほど多く展開していない〈BORRIELLO〉ですが、色々と凝ったシャツづくりをしていて、その部分を3つ今回は紹介していきたいと思います。

まず一つ目はハンド箇所が随所に現れているところです。


襟付け


袖付け


ボタンとボタンホール


剣ボロのカンヌキ


等、シャツ作りに手間暇を掛けているブランドです。シャツづくりに拘りとナポリらしい柔らかさがあります。

見た目の柔らかさがハンドには出るので、そういった雰囲気がハンドシャツの特性だと思います。手まつりの箇所は洗濯でほつれやすいですが実用性だけではなく、メリット、デメリットを含んだ付加価値が備わるシャツだと思います。

因みにハンドとマシンどちらも良いところがございます。どちらが上とか下とかではないですね。


二つ目は袖の後付けです。


身頃の縫い目と袖の縫い目がズレています。

アームホールに対し、身頃側よりも大きい袖を縫い合わせていきます。しかも前方に少しひねって付けます。ジャケットの袖も前方向に振って付けます。手を前に出しやすく動きやすくなるからです。


という事で、実際に加藤にお願いをして、何も言わずに横向きに立ってもらい実験してみました。

画像のように人は普通、自然に腕が前方に出ます。
人体に合うよう〈BORRIELLO〉のシャツも作られているという事です。

因みに弊社のジャケットも…

後付けです。

袖が後から付けられて人の体に沿う自然な形に縫い付けられています。

このシャツの袖の後付けですが、ジャケットと作りが同じように人の体に沿うように作られています。今回説明は省きますが、生産工程で手間暇と時間がかかります。

生産効率を度外視した拘りと作り、そして実力のあるブランドだと思いました。


三つ目は前立てのステッチなしです。

もうクールビズが定着した昨今ですが、ノータイでもイタリアの色気というのでしょうか、柔らかさや色気が出せるように前立てに補強を入れていないところです。


普通は前立てのない仕様だと上前(ボタンホールがある側)はステッチがなくても、下前(ボタンが付いている側)にステッチが入ります。その方が強度が増すからです。ただノータイの時に柔らかさが表現できません。〈BORRIELLO〉はノータイの時の胸元の表情に綺麗なロールや柔らかさ、色気といったところを表現する為にステッチを入れてません。画像を見て頂くと下前の前立ての裏側の生地を浮かせていますがここにステッチを入れていないのです。

柔らかさや色気を表現するのが得意なナポリのシャツメーカーですね。

しかし、強度も考えて、裾をパンツに入れて見えない部分はステッチを入れています。

抜かり無しですね。

今回はこんな感じですが、

今回はパッと見、目に留まらないようなシャツのポイント説明でしたがいかがでしたでしょうか。

スーツやシャツにはこういったあまり気に留まらないけど大切で作り手の気持ちのこもった箇所があらゆるところに散らばっています。また、今回のようなシャツだとどんなスーツが合うかは自ずとわかってきたりします。こういった所からも個性が出せるようになると面白いなあと思います。

ナポリはもともと王国で、王様や貴族らに衣服を仕立てる職人が多く住んでいました。そんな伝統的なシャツの技術が受け継がれている〈BORRIELLO〉。

皆様もいかがでしょうか。

ご来店お待ちしております。