チェック神本の要チェック PART 59

神本 直也 2025.07.02

[チェック神本のAll Night BEAMS PLUS]



皆様こんばんは、いつもBEAMS PLUSのレーベルブログをご覧頂き誠に有難う御座います。


ビームス ライフ 横浜 のチェック神本です。


今回はBEAMS PLUSの定番シャツであるBD(ボタンダウン)Shirts などを生産して頂いている縫製工場様にお邪魔させて頂き、シャツが作られるまでを見学して参りましたのでその様子をレポートさせて頂きます。




福島県に工場を構え、新白河駅から車で約1時間の場所に位置しております。

約20年ほど前からBEAMS PLUSのシャツを作って頂いております。


早速作業工程を抜粋してご説明させて頂きます。


まずは生地の裁断工程、サイズごとに型紙が存在し何と機械を使わずにハンドでこのような裁断機を使って生地を切っております、1回に230〜250着分の生地が切れるそう。


生地を裁断する前に延反(えんたん)生地を伸ばし重ね合わせる工程があります。生地はこのように丸まって保管・納品される為シワや生地にヨレやストレスが掛からないように伸ばす大切な工程のひとつです。




丸まっている生地を反(たん)と呼び、1反は長さ約50m ・幅が約150cm 1着のシャツを作るのに単色・無地のもので1.9m、柄が入っているもので2.15m必要との事。


1反50mあり、生地の始まりと終わり部分では色ムラが発生する場合がある為、同じ生地の中でナンバリングする事で縫製をする際に全てのパーツが同じ色合いになるように工夫されております。


切った断面はミルクレープのように美しかったです。


柄が入っているものが必要な生地の長さが多い理由は、シャツの前側左右で柄のズレが生じないように、150cmの幅の中に横並びで型紙を置き裁断が必要でありどうしても余剰が出てしまうから。


BEAMS PLUSの柄が入っているシャツ例えばブロックプリントやマドラスチェックは前見頃、横並びで柄を合わせています、ポケットも同様に。




柄のピッチが大きければ大きくなる度用尺が必要になります。




BEAMS PLUS ボタンダウン マドラス
カラー:ミントグリーン ピンク イエロー
サイズ:S M L XL
価格:¥13,200(税込)
商品番号:38-01-0160-139



BEAMS PLUS オープンカラー ブロックプリント
カラー:ブラウン
サイズ:S M L XL
価格:¥17,600(税込)
商品番号:38-01-0170-139


(店頭に並んでいる商品から、ポケット 前立て反対のポケットへと柄が一直線になっています。)

BEAMS PLUSではお馴染みであるマドラスチェックとブロックプリントが特に裁断・縫製をする上で難しい生地であり、1枚ずつ生地を裁断、ブロックプリントは柄を判子の要領で作り出す為1枚づつ柄を見て柄合わせを行わなければならない、人の目で丁寧に柄を選別しなければならないとの事。


職人芸とはまさにこの事、、。


月で約5000枚のシャツが作られているそうでして、機械が使われているのはほんの1部であり、作業工程の殆どが人の手にミシンによって縫製されています。脱帽です。


ここからは1着が作られるまでの工程を一部抜粋して写真と共にご説明致します。






PLUS マークのカンヌキステッチ、以前までは横に2回・縦に2回ミシンで縫っていたものをデータを記憶させる機械を導入し一気に縫えるようになったそうです。




襟の芯地は襟の表・裏・芯地を挟みプレス機にて接着、ストライプなどの柄があるものは入念に逐一表裏でズレていないか確認されておりました。








剣ポロ部分の製作風景です、幅が3cmのものは機械で3cm以下のものは手編みで織られております。

台紙を挟み職人さんによる素早いアイロンワーク。





アイロンで折り目を2回表裏でしっかりと付けてから、ポケット付け。






上衿の剣先を専用のプレス機で鋭角に尖らせて、台襟と接ぐ。






後ろ身頃とヨークをつける。






前見頃と後見頃を繋げる際のサイドシーム3mm幅、職人としての腕の見せ所との事、流れるように3mm幅が生まれていました。






カフ部分を機械でプレスからアイロンで2度掛けして袖口と縫い合わせておりました。


全ての工程ご紹介しきれない為、抜粋してご紹介させて頂きました。


1着のシャツが出来るまで30工程あり、流れるように次の職人へとFC バルセロナの「ティキ・タカ」のように美しい作業工程でした。


最後にご紹介させて頂くのは仕上げ作業の洗いに関してのこだわり。


1度は店頭スタッフから「この商品は洗いがかかっているので」と言われた経験があるかなと思います。


その通りでしてシャツが出来上がった状態で、「家庭用」洗濯機で水洗いされております。




工場なのに家庭用?と思われた方がいらっしゃると思いますが私も驚きました。


全ての工場がそうである筈がなく、こだわりとお客様目線な部分であります。


その理由は業務用洗濯機と家庭用洗濯機の違い、幾つか挙げられると思いますが肝になるのが「脱水」の工程。


業務用では脱水の威力が強く、洗濯後に乾燥機に入れる工程があるのですがそこで縮みが出なくなってしまう。


その為家庭用の洗濯機で5〜10分給水、6〜7分脱水を行ない乾燥機に入れる日本の生活環境に合わせた洗い方なのです。




乾燥機も一般的なコインランドリーでの温度と時間で設定されておりこれぞ真にお客様目線であると。

現在、made in Japanで生産されている工場は全体の約1.5%ほどと言われており数少ない貴重な存在です。


作業されている職人の方々に共通していらっしゃったのが、ものさしがすぐ近くにあり入念に何度も長さをチェックして作業されていました。


作業の大半が人の手で丁寧に作られておりmade in Japanと言いますか、made in Human と言いますか私たちが着用する1着1着に職人の思いや愛情が詰まっていると見学させて頂き実感致しました。




今回このような貴重な機会を作って頂いた皆様、誠に有難う御座いました。


まだ手に取った事がない方、是非この1着をお楽しみ頂きたいです。


それではまた来週、


チェック神本