ご機嫌いかがでしょうか、銀座店の新井です。

今日もブレずにブレザースタイル。すみません、朝夜の通勤はかなり寒いのでレザーパンツで防寒対策してます。本日の接客は時の過ぎゆくままにと艶っぽくなりそうですね。
今週末土日は<AUBERGE>先行予約会で銀座店はフレンチヴィンテージ祭りの真っ最中。

今回の予約会でも新作で細めのボーダーカットソーが登場。残念ながらまだ予約会のみのサンプルです。

そしてロックアーカイブ。
rockarchive/NIRVANA photo
価格:¥110,000(税込)
商品番号:23-83-0090-950
90年代から今までにどれだけのブランドさんが彼らの音楽やスタイルにインスパイアをされてオマージュを捧げたか。
世代としては中学生になりたてのぐらいでギリギリでしたが彼らの突如のブレイク、そして衝撃的なバンドの終焉までリアルタイムで見る事が出来たのを考えるとやっぱり私にとってはノスタルジックな存在であり、胸がグッと掴まれるような感覚になりますね。そして同じ様な感じになる人が多いからこそオーベルジュさんのそれも大人気になったんでしょう。
1番有名な映像としてはMTV アンプラグドの演奏でしたね。このアルバムは彼の没1年後に発売されて、まあその当時は何処の店でもかかってました。その中で私が一番大好きだったのは世界を売った男って曲からのペニーロイヤルティーでのアコギ一本で慟哭のように唄う彼の姿。
でも1番に胸に刺さった世界を売った男って曲はかの御大グラムロック中佐のカバーだと知ってなんだかガッカリもした記憶が有りますが。
そして彼らのセカンドアルバムの大ヒットを筆頭にグランジロックというジャンルが明確に台頭していき、ネルシャツやクラッシュジーンズ、オールドスニーカー等を駆使したグランジファッションが瞬く間に一世を風靡していったんですよね。モードブランドのコレクションでもグランジスタイルを取り入れてメチャクチャ素敵だったんです。
その時は私は北関東でオシャレ番長を目指す高校1年生で、グランジスタイル被れでお洒落にネルシャツを腰に巻いて出掛けてましたが、足はチャリな訳なのでその巻いたネルシャツが車輪に巻き込まれてコケて怪我するわシャツは破けるわで大変でした。でもその破けた感じがまたグランジ感が出てていい感じでしょ〜って。
そして30年後にまたまたグランジのアイコンアイテムと言えるモヘアカーディガンが若い世代を中心に昨年辺りから爆発的に流行り出してくるんですから、洋服のトレンドって結局巡るものだとしみじみ面白いものです。なかなか若い子じゃ買えそうも無いお値段で相変わらずの無駄に超絶レベルのそれを作ってしまうとは。
90年代初頭にロサンジェルスからヘビィメタルバンド達がスターダムにのし上がり、商業的な成功によって所謂お金持ちのロックに変貌していってしまった時に、シアトルから出て来たストリートの今の空気感をはらんだハードロック、パンクを表現したのが彼ら達。思いのありったけを吐き出し存在そのものをぶつけてくる様な音楽がニルヴァーナにはあったと思うんです。でもそれがメジャーシーンに熱狂的に迎えられると、ベビメタと同じ様にハードロックの一様式としての末路に向かっていってしまうのは時間の問題。彼はそれに抗う様にアンダーグランドに固執し、祭り上げられた境遇に苦悩する末に自死を選んでしまう訳ですが。
その90年代の全ての不幸を背負っていったヒーローの波瀾に富んだ悲劇の生涯にその当時も数多くの人達が惹きつけられたと記憶しています。だからこそ彼の着ていたグランジファッションにも夢中になってしまう。
冷静に見れば、あれだって人によっては寝巻きにしか見えないし。むしろ一般的には絶対にモテない気もしますし。それでも彼の様に着てみたいと思ってしまうのは多分それだけ男はロマンチストなんでしょう。悲劇のヒーローに憧れちゃうんです。
<AUBERGE>さんの洋服ってそんな感じで様々なカルチャーストーリーを今にモディファイして具現化してるからこそ、それに惹かれて色々なお客様がお求めにいらっしゃるのだと思います。
そしてそんな自分もおじいちゃんになるまでに少しずつ買い足していった<AUBERGE>の服を大事に着てる未来を妄想出来ちゃうんです。
あと20年か30年後の自分の大切な洋服をしまったクローゼットの中で、例えば右端にはサヴィルロウであつらえたハンツマン辺りのビスポークスーツが掛かっているとすれば、その反対端にはきっと<AUBERGE>の服達が掛かっているんでしょうね。
それでは銀座店開催<AUBERGE>先行予約会にてお会いしましょう。
新井