僕はその誘惑に<SARTO BEAMS>長めのブログ

SHUN 新井 2024.01.14

ご機嫌いかがでしょうか、ビームス 銀座の新井です。


OUTER: INSCRIRE

SUIT: IG

SHOES: GUIDI


年初めなので少し畏まってスリーピースとめかし込んでみましたが、無駄な重ね着とかロゴニットとかパールネックレスとか結局不真面目なスタイリングのが落ち着くんですよね。

どうやら今年も年甲斐も無くふざけた若作り四十路おじさんでがんばろうと思います。


相変わらず休みの日はライブ三昧ですが、始動から早2ヶ月以上が経ち準備は整いつつあります、サルトビームス事業。

デニム生地も縫える業務向け直線縫いミシンとか



ロックミシンもルイスミシンも完備。


1番心配だったプレス機とアイロン台も一体型の場所をとらない最新人気機材を見つけましたし。


勿論直し上げの仕上がりも上々です。

順調にいけば今春にはお客様へのサービス開始も出来るはずです。

お客様方にも応援のご支持を沢山頂いてますので嬉しい限りです。やはり皆様のお声ではせっかく楽しく買い物出来たジャケットとかパンツをすぐに着たい!って。

生産者が見える野菜じゃないすが、顔が見えるスタッフの企画した服とか縫製をした服を着るって感動体感は絶対に素敵な思い出になる筈ですよね。

セレクトショップの現場のスタッフがSNSを駆使して宣伝活動を行う事自体は当たり前になったし、よりカスタマーと距離を無くして関係性を築ける様になりました。でも洋服の直し上げなんかを現役販売スタッフが技術を習得してダイレクトにクイックな対応をするという試みは未だに成し得ていない領域。多分いない筈。

まずはその新しい試みを今春にこのビームス 銀座の店舗にて小さい規模ながらスタートしていく運び。そう、皆様のご期待に添える様に。



表題はニューオーダーによる82年発表曲。


temptation


どちらを向こうと僕はいつだって取り巻く環境から抜け出そうともがいている




イアン亡き後に残されたジョイディビジョンメンバー達の新しい名前はニューオーダー。

新しい秩序と付けられたそのグループの由来や経歴を聞いただけで高校生の僕はもう惹かれてしまって。

その当時にイギリスのヒットチャートを紹介する深夜番組で彼らの曲のプロモーションビデオが流れたんですが、ダンサブルなテクノサウンドに哀愁感の漂うメロディと歌声にのって、小さな白人の男の子が自分の背丈と同じくらいの棺桶の様なモノを背負って白夜の様な薄暗い街並みをどこかに向かってひたすらに歩いていく映像はなんだかとてもシュールと同時に悲しみを感じるものでした。

でも流れるメロディは流麗で更にはテクノダンスサウンドが乗っかってるという90年代ならではのゴージャス感とチープさも同居するというカオスな世界観。完全に魅了された僕は翌週には録画して何度も何度も観ちゃってましたし。


Joy Division/MUSIC PRINT T
カラー:ブラック
サイズ:M
価格:¥3,630(税込)
商品番号:51-04-0065-39451040065394

ウチでも彼らのバンドTが扱ってるなんてびっくりです。XLサイズが欲しかった。

彼らがイアンが居なくなってしまった後に更に新しい領域のロックに挑戦し、その形を見事に構築した完成形とも言えるのがこの表題曲と勝手に僕は確信しているんです。

そもそも元のバンドのリーダーが夭折してしまって、その後を残りメンバーが心を折れずに新しいバンド名で活動していくって背景がやっぱりロックの世界観では無敵な気がするんですよね。

そんなバックボーンの影のあるストーリーを持ってるなんてそれだけでどんな明るいメロディとか歌詞の表現でも心にグッときちゃう何かを感じちゃうし。

最初は戸惑いながら得意じゃ無いのに必死にボーカルを担当して音を外しながらも歌い上げるバーニーの姿に何度励まされたでしょうか。

ライブ中にキーが出なくて、苛立ちを隠さずに足元のスピーカーを蹴飛ばす姿さえも愛おしく、そして心臓を掴まれた様な感傷的な気持ちになるんです。

下手とか上手いとかを超越して何かを心に響かせる魔力みたいなものさえ感じるバーニーの歌声はやっぱり無二。逆に上手すぎても彼らのダンサブルなロックサウンドの魅力が削がれてしまうのかも知れませんし。


必ずしも上手くなくても器用にやれなくても良い。使命をもって取り組んでいく事や夢中になれる事を一生懸命やればきっと結果は良い方向に繋がる筈。

そしてそんな風に夢中になれる事に出会う事が出来、更には生涯の仕事としてできる事が奇跡の様に感じちゃう訳ですし。




今夜僕はひとりであるいていこう

魂を休める静かな居場所を見つけるんだ




それでは今春のサルトビームスにてお会いしましょう。



新井