ご機嫌いかがでしょうか、ビームス 銀座の新井です。
JACKET: BEAMS F
SHIRT: BEAMS PLUS
PANT: INSCRIRE
SHOES: simon fournier
テーラード仕立てのダブルブレザーに横縞のラガーシャツ着てフレアワイドのスウェットパンツ履いてフレンチヒールブーツのブレザースタイリング。先人達のお手本着こなしのルールからすればなんのこっちゃって位にカオス的な合わせなんでしょうね。
アイビーというカルチャーをいかにモードやクラシックをまたいで解釈するのが多分好きなんだと思います。最近は家を出る時に家内からジェンダーレスな美容院のオーナーみたいだねとか、再結成した四十路の往年のバンドマンみたいだねとか散々な言われようですが妙に的を得てる表現についニヤニヤしちゃうんですが。
いかにもな古着着てますってスタイリングは四十路になると小汚いおじさんに見えちゃう気がするので流石に避ける様になりました。最近も若い女性にかわいいなんてお世辞言われて顔が緩んじゃって大変でした。イタイおじさんですがそんな小さな幸せを拾ってなんとか生きてます。
毎週の様に都内の何処かに行ってライブで精神発散の日々。大音響のビートに合わせて踊りまくりでシャウトするとやっぱりサイコーです。今月頭の有明での兄弟さん達の20数年ぶりのライブ体験は感動だったなー
今のが断然音とか映像とか進歩してるんでそりゃそうですよねー
渋谷とか六本木辺りのテクノダンス系のクラブに行けばいいじゃーんとか言われちゃうかもですが、彼らの94年頃から始まったテクノサウンドにロックビートを縦横無尽にサンプリングさせた生々しいグルーヴはやっぱり彼らがダントツに分かりやすくて踊らせてくれるんだと思います。
やばい、もうリピートしたい。
最近のお店事情ですが、準備真っ最中のお直し内製化サルトビームス事業に週の半分以上はかかりきりで。
正直技術的な面はかなり自信が付いてきてますが、ここにきての当面の問題は直しをする人材的なトコ。特に銀座の土地柄か海外観光客の怒涛の様な来店ラッシュでお店は人手不足という嬉しくも歯がゆい状況。僕もしっかりとお直し作業に取り掛かる時間はそれ程作れないもんだから困ったものです。
なので予定より進行が遅れてしまいそうですがちゃんとお直し技術的なトコはしっかりと前に進んでますのでご期待下さい。
もうそろそろ職場は春シーズンに着用服も切り替えるタイミングなのですが、この1番寒い時期に綿とか朝の薄い素材で出勤するのがホント罰ゲームみたいで体調崩すか心配です。そんなせいか今年の秋とか今時期の端境期によく着たのはこんな梳毛生地のしっかりした綾織のジャケット。

そろそろ還暦を迎える敬愛する大先輩がプロデュースしたウチのOBの高円寺のショップによるブランドのジャケットなんですが、ありそうでなかなか無いよく出来た服で。先輩が特にこだわったのはこの肩傾斜と構築的な肩の仕立てと展示会でおっしゃってまして。なので依頼する工場も相当練ったと。肩の感じで国内の工場が何処かを一発で言い当ててしまった僕も大概な感じですが、半年着てみてやっぱり納得の肩の仕立てでしたのでフレアパンツとかワイドパンツが多い僕には最高のジャケットでしたね。
レディースを中心に廻るトレンドのムードを踏まえるとアメリカンやらフレンチやらブリティッシュやらの振り幅がどんどん広がっていく多様性のスタイリングには撫で肩のイタリアンジャケット合わせは流石に飽きたなーって感じるこの数年でしたので、撫で肩一辺倒で体に沿う仕立てよりも構築的な仕立てかつ余り早いトレンドに左右をされなそうなシルエットデザインのジャケットをここ数年は探し続けていました。その中でもこのジャケットは一番琴線に触れたと思います。羽織って2秒で即決でしたし。
結構近い感じは古着で見つかりますが、やっぱり絶妙に袖幅とアームホールが太すぎたりフロントのボタンの位置が下に下がり過ぎたりで違うんですよねー
古着とかで着用してるアパレルスタッフはウチでもいますが、先日も知り合いに最近の古着とかの構築的なジャケットを着てるスタッフを見かけるけど、演歌歌手みたいですよね?って言ってましてちょっとウケちゃいました。
100年前から完成されたテーラードジャケットのデザインですから、肩とかボタン位置とかラペル幅とか着丈とかで印象が全然変わるからやっぱり紳士服って面白い。
やっぱりミシンがあるから近い未来には自分で縫いたくなります。
因みに先輩のジャケットを仕立てた工場は僕たちの扱うオーダーで依頼している2つの工場の内のひとつですので同じパターンでも仕上がりの雰囲気は比べると少し堅めの表情になるんですよね。少しその表情のジャケットに振りたいのであればそういった選択肢で楽しむのもいい気がします。
同じ型紙を用いても、裁断する人や機材も、縫製する人や機材も、アイロンをする人や機材も違うのですからその工場による特徴があるのは当然。その工場の個性を踏まえて仕立てを依頼する先輩の姿勢にはやはり感服した次第ですし。
そんな事も考慮しながら今月下旬から開催されるカスタムベーシックのオーダーフェアでビッグサイズの54〜56とかで袖丈が親指の先しか出ないズルズル長めをオサレな良質な生地を選んでオーダーするのもいいなあーって。
だって世の中のオーバーサイズジャケットって仕立ても微妙で安そうな合繊生地ばっかりなんですもの。
表題は80年代のイギリスのカリスマバンド、THE SMITHSの4枚目のシングル曲。
Heaven knows I'm miserable now
モリッシーの文学的詩とマーの相反する美しく華やかで明るいけど儚げなギターメロディライン。
毎日一喜一憂して感情の坩堝にグチャグチャだった10代に聴いたこの曲はどれだけ僕の青臭い感情に寄り添ってくれたか。
昨年はモリッシー御大が年末に来日ライブを開催してましたが、僕の10代の思春期の思い出と一緒に時間が止まった色褪せない憧れがもし壊れたらどうしようって悩みに悩んで結局は会いに行けない始末。逆に好き過ぎると会わない事を選ぶ選択肢になるんですね。
僕は自分の役割を探していたんだ、そして見つける事も出来た。
でも僕が惨めであることは神様だけが分かってるんだ
rockarchive/THE SMITHS
価格:¥104,500(税込)
商品番号:23-83-0245-950
生きる中で何故に僕の大切な時間を僕が生きようが死のうが気にもかけない人達に費やすんだろう?
同じ組織体においてもそれぞれの立場で考え方や求めるものは違うのは当然でしょう。むしろこれまでが順調に行き過ぎたのでしょう。
モリッシーの言葉とマーの音は今でも僕に優しく寄り添ってくれてるみたいです。
それでは銀座でお会いしましょう。
新井