思い出達

SHUN 新井 2021.11.27

ご機嫌いかがでしょうか、銀座店の新井です


お約束通りに銀座店の若手新人のご紹介。もはや私とふた回りも離れた世代と一緒に働く事になるとは、、歳を感じますね。




千鳥のツルタパイセンコンテンポラリースーツを身に纏うのはミナミ。数年前までは名古屋ラシックのウチの店舗に身を置いていたので馴染みのある方もいるかもしれませんね。憧れのパイセンと1ヶ月だけ銀座店で働く事ができた未来のパイセン後継者になるべく上京した多分26歳。ほぼ毎日ツルタ企画の服を着てるのは間違いなく彼だと思います。



最近はパイセンの弟子の若手達を中心に銀座店スタッフで動き出したのがパイセンドレス企画後継ムーブメント。


このドレスシャツ達を引き継ぐドレスアイテムを自分達の手で具現化しようと。私も老兵ながら企画経験者として出来る限りお手伝いをしてブログで進捗を連載していきたいと考えてます。


まずやるべきは今シーズンの企画アイテム達の売上実績の分析や今の売り場での需要調査。世界的なモードを筆頭とするトレンドマーケット情報収集から自社内での同カテゴリーでの展開商品調査、そして同じ売場での展開アイテムを検証し、その補完性やコンセプト立案。リアルターゲットの設定とそのターゲットに沿ったデザイン決定、可能であればマスターサイズ想定も。

その後はターゲットに合わせたプライス設定からコスト設定をして販売と粗利のシミュレーションなどなどやる事いっぱいです。そこまでやれてる人あまり見た事無いですけど笑

進捗によっては店舗での陳列シミュレーションや適正SKU、実績を元にした適正数量感の算出も。勿論スタイリングが出来ないのは論外なのでその辺もイメージを固めていくと。このご時世なのでカッコいいけど売れない商品なんて作る余裕は無いので魅せ筋と売れ筋の構成比率のバランス感もすごく大切ですよね。


そして上記の進行と並行して動くのが生地資料集め。コストに合わせて可能な生地候補をピックアップしていくのがすごく大変ですが洋服屋ならではの醍醐味。


こんな事を年間300〜400品番位1人でやってた事もあったので我ながら働き過ぎ笑 更には週一ペースで店舗で店立ちもしてたんですからガソリン切れでエンスト起こす訳ですよね。今はびっくりするくらいエネルギー有り余ってますが。

シーズンでヒットするのは20品番中1品番くらい。でもその他の品番がいかに万遍なく在庫を残さずに売り切らせるかも今は非常に大切。売上金額が取れれば良いなんてのは最早通用しない。減収増益が大前提として定価でワンシーズンの内にしっかりと在庫を残さない商品販売体制が生き残る鍵と言えますから。


これから銀座チームで創り上げる企画書が商品仕入れチームの心をいかに動かせるか。勿論ガチなのでこれから連載しても最終的に採用されなければ商品化出来ずというオチも考えられます。

日本全国のビームスドレススタッフ諸君、そしてパイセン変態シャツに共感をしてくれましたお客様、銀座のドレススタッフにお気軽にご意見等下さいませ。その際はムラマツ、ミナミにご連絡を。もちろんわたくしアライでも大丈夫です。


先日に銀座店にお越し頂いている大顧客様とお話をしましたが、同じ40代の方ですのでインターナショナルギャラリー ビームスで90〜00年代に展開してたアントニオパニコとかファーランドハービーとかベラとかサルトリオとかムチャクチャカッコよくて、でも当時は若さもあり流石に高くて買えなかった思い出と、ようやく手が届く年齢になった今ではそれらのブランドが売っておらず、代わりになる様なブランドがなかなか無いってお話で意気投合してしまいました。
やっぱりビームスドレスクロージングには表裏一体の様にクラシックとモードの交錯する世界観が有るべきだとも思ってしまいましたね。そんな感じで思い出を美化するのではなく新しく更新していくパイセン後継者達を応援して頂けたら幸いです。


表題は2001年にアメリカ、カリフォルニアで産声を上げた
世界でも最も売れたオルタナティブロックバンドの1つと言えるMの2019年のヒットバラード。

アカペラに近い歌をメインにしながらもカノン進行
をベースに紡がれる心地良くも優しいメロディ。そして歌われるのは今は亡き苦楽を長く共にした友人へのレクイエム。


お酒を飲んでると貴方との思い出が蘇ってくる。

その思い出がまた貴方を連れ戻してくれるんだ。


洋服でも人でも思い出に残るって素晴らしいと思います。

洋服屋ってだからやめられないんですよね。




それでは銀座でお会いしましょう。

そしてこの続きの連載もお楽しみに。



新井