僕たちはいつか辿り着ける<rockarchive>長めのブログ

SHUN 新井 2024.07.30

ご機嫌いかがでしょうか、新井です。



最近は暑くなってきたので爽やかカラーパンツ始めてみました。20年前と変わらずブレザーに合わせるのが好きなんです。



相変わらず我が小さな仮設工房でお直しに勤しむ日々です。お客様のご都合に合わせてクイックに対応させて頂いておりますが、やっぱり直ぐに買った洋服が着れるのってとても便利ですし、何よりお客様の喜びもいつも以上な気がして病みつきになりそうです。

結局人に感謝してもらえるのってとても気持ち良いものなんですよね。

そして内製してお直し仕上げの時間を短縮する事で販売機会ロスを減らして利益を少しでも確保する事が今後どれだけ大切か。

はっきり言って暇な1時間でパンツ1.2本直しての利益は下手したら値下げした10万円のスーツを売るよりも大きくなる事もあるんです。

お店が暇な時間をいかに利益になる様に有意義に使うかはとても大切なんですよ。



昨年、今年と銀座の街はインバウンドフィーバー。勿論3階のフロアにもこぞって海外のお客様がご来店されてますが大きいサイズ全く無いし、取り寄せも間に合わないから大半の外国のお客様は残念がられて帰ってしまいますが。


その上昨年までのリベンジ消費フィーバーのせいか、期待して商品を仕込んだ結果は猛暑の影響でなんだかんだ値引き札がやけに目につきます。


10数年前みたいに店内ほとんど値引きみたいな在庫一層感謝祭には流石にご時世的にならないとは思いますが、皆様今期はお得に買えるチャンスかも知れませんね。



コロナ禍をきっかけにみんなが減収増益の工夫をしてきたはずです。販管費を抑えて値下げをせずにしっかりと必要な物を売る事で実利益を上げていく事を。

インポート品を店内満載に陳列して余ったら値引きで多売薄利で売るセレクトショップという販売形態はもうとっくに限界だと。

セレクト業態とは名ばかりでどこのお店も利益を見込めるオリジナル商品をしっかりと作り込まないともう存続さえ怪しい状況なんです。


そしてこの数年の物価高で長年愛されて販売してきた舶来品達は倍くらいに値上がりで、流石にお客様方からはもうおいそれと買えないなーというお声も沢山聞きます。


そしてそんなお客様からのお声は、何処ぞのセレクトショップのオリジナルは全然欲しくないけど、BEAMSのドレスのオリジナルはいつもしっかりと作り込まれて欲しくなる物が多いよねって。これからはなかなかインポートは買えないからオリジナルの開発に期待してますってお声を頂いて嬉しい限りです。


そういえば若手スタッフ達からも今後の社内キャリア形成でオリジナル商品を作りたいって声は良く耳にしてますし。

バイヤーが展示会廻って買い付けの合間にオリジナルをちょこちょこ工場に依頼して作るという業務形態でバカスカ売れる時代なんてとうに終わってるんですよね。

社内外問わず、中途半端なオリジナル商品を作って、時間をかけてお客様に根付く前に結果がなかなか出ないから見限って、安易に結果の出やすいインポートブランド品の仕入れに戻るってパターンをこの10数年散々目にしてきました。


大挙して銀座に押し寄せる海外のお客様の最大のお買い物の目当ては日本でしか手に入らない様な国内ブランド。その中にもちろんBEAMSのオリジナルも含まれてます。


しっかりと利益の見込めるオリジナル商品の精度を上げていけば、シーズン終わりに値引きで焦って在庫消化に注視するなんていう体たらくにならずに済みますから。

もう国内生産を生命線と考え本格的にオリジナルというかBEAMSブランド商品をしっかりとコレクションとしてビジネスにしていくタイミングが来てるんです。

そして縮小の一途を辿る国内需要にしがみつくだけでは衰退は目に見えてます。日本製という世界に誇れる縫製技術や企画力を武器に国内外問わずに挑んでいくタイミングが来たんだと思います。


僕としては30代の大半をドレスクロージング商品企画生産に全力を注いでましたから、また同じ事やるのもつまらないし進歩が無いような気がするので、違う切り口で40〜50代は服をめぐる冒険をしていくつもりです。

そのスタートとも言えるのがこの小さい工房から始まった<SARTO BEAMS>


寸法などの補正、いわゆるお直しサービスと技術も実は日本が世界的にもトップレベルなんですよね。

しっかりと市場を分析してまだ埋まっていないピースを見つけて、その空いている穴を埋める事でビジネスチャンスを作り出していく事。

サルトビームスという僕のライフワーク。まだまだ始まったばかりですが確実に一歩一歩進んでますので待っていて下さいね。


表題はぼくらの90年代ロックヒーロー、そしていまだに現役の稀代のシンガソングライター、ノエル兄貴のロックナンバー



We’re gonna get there in the end



rockarchive/Oasis Montage Print Photo
価格:¥92,400(税込)
商品番号:23-83-0274-950

7月28日の苗場のフェスの最終日大トリのノエルには残念ながら諸事情沢山で会いには行けませんでしたが、仕事帰りの電車の中でサブスクのライブ動画で目にした彼は齢にして今年57歳。もうおじいちゃんだよなーとか思っちゃいましたが、歌い出すその声色はあの30年前そのもの。

相変わらず不遜な表情で言葉少なめでも演奏が始まるとその極上のメロディの洪水に完全にその会場にいるかの様な感動体験。

セトリ三曲目に歌ってくれたこの曲は90年代の若かりし頃とは全然違うお互いにおっさんになったからこそ沁みる人生への肯定讃歌。



rockarchive/OASIS PHOTO
価格:¥506,000(税込)
商品番号:23-83-0277-950

カリスマの消失によってあっけなく終焉となった自己陶酔と混沌のグランジ潮流の穴を瞬く間に世界中で埋め尽くしたオアシスの極上のメロディとカリスマティックな言動によるロックアンセムの数々。

今思えば彼のメロディによって僕の10代のハイスクールライフは外に向かって走り出す肯定的なものへと背中を押してくれた気がするんですよね。

そのキャッチーな音楽性とキャラクターはそれまでフツーか地味な同級生達を瞬く間に洋楽ロック少年少女に変えてしまう魔法の様でした。


30年後に白髪の増えたサッカー大好きじいさんとして再会できたノエルは、その年月の分だけ優しくなっててメチャクチャ心に沁みる歌い方に変わってて。



今夜こそは

今夜こそは

夢に向かって飛び立つんだ



彼の歌は昔から抽象的な僕と君で、なんだか男らしくタフで、そしてなによりポジティブで。




僕たちはいつかきっと辿り着けるんだ。


僕のサルトビームスをめぐる洋服の旅も辿り着けるんです、きっと。





それでは銀座でお会いしましょう。



新井