ご機嫌いかがでしょうか、新井です。
最近はこのビームス ライフ 横浜のあちらこちらでイベント目白押しです。
2階の古着コーナーでは高円寺のウチのOBが営む<ROKUMEIKAN>さんとのポップアップが展開中。
開催期間 〜3/30迄

世はまさかの古着ブーム。下北で悲喜交々の若者達の古着屋ドキュメンタリーが話題を集める位ですから。
ホントにまさか巡り巡って30年後にあの時着てた服とか古着屋で溢れかえってたあの古着達が今や5倍10倍の価値で取引されるとは未だにおじさんは信じられない気持ちなんですよね。
思えば僕の古着初体験は90年代初頭、兄にアメ横で買ってきてもらった66モデルのウォッシュデニムに517モデルとメルトンのスタジアムジャンパー。そして完全にお小遣い稼ぎに利用されて譲り受けたトニーラマのウエスタンブーツ 。
中学生になった僕は学校の休みの日曜日になるとこのフル装備で宇都宮のユニオン通り〜オリオン通りという当時隆盛を極めまくっていた古着屋が何十軒も連なる繁華街に足繁く通っていたんですよね。
北関東で宇都宮の古着屋は結構有名であの当時は東京からも掘り出し物を見つけに来る人がかなりいたものです。そして90年前半はもう渋カジブームの真っ盛り。
イケテル若者はみーんな肩まで伸ばしたストレートのロン毛でアメリカの単車に乗ってコンチョ付きのレザーショルダー斜め掛けしてベルボトムジーンズか501のヴィンテージデニム履いてレッドウイングのエンジニアブーツかトニーラマのウエスタンブーツ 。ブーツは圧倒的にブランドでカースト上位かどうかが決まるので絶対にレッドウイングかトニーラマの一択。
冬は大体がバンソンとかのカッチカチのレザーライダースかB-3ムートンか軍物のMA-1とかN-2Bとかのアウター。夏は背中がTバックスタイルのタンクトップかラルフローレンのビッグポロ。
流石に単車は乗れなかったので姉貴のビーチクルーザーを借りるか、ハンドルを上にずらしてチョッパー風にしたママチャリを乗ってイージーライダーを気取るというなかなかのイキリ少年。
学校の休みの日は友達と一緒に一日中そのユニオン通りオリオン通り界隈の古着屋さんを端から端まで古着チェックが中学生には最高に楽しい時間だったんです。
何処の古着屋でも壁際にはこんなアメリカ物のウエスタンブーツとエンジニアブーツとペコスブーツがずらり。合わせて必ずインディアンジュエリーもショーケースにズラッと飾ってあって。
今回はウチのセレクトショップOBによるチョイスとメンテナンスのせいか、やたらとセンスが感じるモノが多いので散財しそうで心配です。
オーストリッチ素材のを狙ってたんですが、開催直ぐに売れてしまいましたのでやっぱり皆さん目の付け所は同じな様です。
そしてやっぱりちゃんとメンテナンスが行き届いて陳列されてるので履き心地もとても快適。
よくある高円寺とかの古着屋さんのブーツだと経年で革がカチカチでクリームで馴染ませないと足がボロボロに靴擦れだらけになるもんなんですが、今回のコチラはその辺もしっかりとメンテ済みなので足馴染みも最初から良いんです。
そのせいか試着したらもう即決みたいに購入を決めていたんですが、どうやら縁が無かったみたいです。
デニムとかスウェットはボロボロの味出しがいいバランスなんですよね。その辺もウチで長らくデザイナーズのモードブランドを中心に扱っていたので流石だなーって。
合わせる提案として<IG>のオリジナルアイテムも陳列中ですが、元ネタと思えるリアル古着のアクションジャケットとか相性はやっぱりピッタリです。
このアメリカンヴィンテージの状態とサイズ感がナイスなテーラードスーツとジャケットもこのポップアップの醍醐味のひとつ。現行のイタリア物とは全く真逆とも言えるカチカチのタフな素材や直線的なシンプルな縫製。むしろこういったジャケットはちょっとくらい大きいサイジングで雑にガバッと着る位のが絶対イイ。
30年前のあの頃の僕もヴィンテージのミリタリーブルゾンにボロのヴィンテージジーンズを履いてやっぱりウエスタンブーツの合わせが一張羅だった。インナーはミッキーのプリントロゴTかカレッジT。
おっさんになった今ならこんなちょっと古臭いムードの角張ったデカめのスーツにスウェット合わせてウエスタンブーツ合わせがなんだかキュンと来ちゃう。ちょっとめかしこむなら同じフロアにあるヴィンテージジュエリーコーナーで売ってるエルメスのプリントスカーフ巻いちゃうかなー
となると合わせるアクセサリーは当然インディアンジュエリーを付けたくなるものです。残念ながらコチラでは今回それは用意しておりませんがラルフローレン宜しくでブラックスーツにごっついコンチョベルトとかナバホパールアクセサリーとか合わせたいもんです。
こんなめかし込んで何処に行くんだよって?
僕なら当然ライブかスナックかな笑
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表題は90年公開のアメリカ映画。南北戦争時代の北軍士官と先住民スー族との巡り合わせを描いた西部劇。インディアンジュエリー特集がたしかホットドッグプレスで事細かに書かれていたのを何度も何度も読み返していたファッションに目覚めた中学生1年生の夏頃。勧善懲悪のマカロニウェスタン的なストーリーでは無くインディアンの文化を美しく描くこの映画を1番観るべきと紹介されてたのを読んで、真っ先に近所のレンタルビデオに駆け込んだのを思い出します。
ストーリーや景観、衣装などアーリーアメリカンの世界観に魅了されまくった僕はすっかりかぶれてしまって。その映画ではウエスタンブーツは登場しませんでしたが士官が着用する金ボタンのスタンドカラージャケットに側章パンツ、そして膝まである乗馬ブーツ。先住民が身にまとうシルバーコンチョやフェザーなどなど。
僕の中ではファッションと映画という文化が密接なモノであると学んだ心のバイブルと言える大切な作品のひとつ。
アメリカもののウエスタンブーツやライディングブーツを見るといつだって真っ先にこの映画の光景が脳裏に浮かぶんですよね。僕にとってのノスタルジックそのもの。ウエスタンブーツとかアメリカ古着達を目にしてそんな気持ちになる40代50代のすっかり大人になった元渋カジかぶれのおじさんは沢山いる筈です。
40代も半ばを過ぎたせいか20年くらい前からの顔を見知った同僚達が毎年何人もこの会社を卒業していくのを目の当たりにする様になってきて、でも同じ業界に生きていく中でまたきっと交わるはずだからと悲観的にならない様にしてるんですが、やっぱり心の何処かでポッカリと空く喪失感みたいな気持ちもあって。
北軍から追われる身となりスー族の集落から離れる主人公の狼と踊る男に向かって、風になびく髪と呼ばれる盟友と言える男が何度も何度も叫ぶ言葉は幾つになって観ても目頭が熱くなります。
「俺はいつまでも友だ」

それではビームス ライフ 横浜
AT VINTAGE <ROKUMEIKAN>で。
新井
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