タグ「ハリスツイード」の記事

麗しの? <AUBERGE × Brilla per il gusto>男の新定番トレンチコート『BOGART』②

さて、トレンチコートと言えばボガートとなり。映画はもちろん『カサブランカ』なのですが、個人的には『麗しのサブリナ』の方が先にボガートを認識した映画だったりします。


昔のアメリカ映画は芝居の台詞回しに味があるなと、20代そこそこの若輩ながらに感じていたものですが、和訳の凄みを感じることも多くありました。

ちょうどギリシャ哲学を学んでいたせいもありまして、よく原典と英訳と和訳の3通りでテクストを読まされたものです。すると訳者が原典をどのように解釈したのか、それが的確なのか、それとも少し踏み込んだ解釈や理解なのかが見えてきたりします。時折学生たち同士で、あれは「超訳」と冗談で言ったりしたものです。


それは映画にもつきもので、先だってもお話した「君の瞳に乾杯」は代表的な「超訳」と個人的には考えています。間違い無く最高の和訳でしょう。

『麗しのサブリナ』も原題は単に『SABRINA』なんですよね。現代人はなかなか使わなくなった表現かなとも思いますが、「麗しの」と付けた当時の方の、語彙とセンスには脱帽しかないなと惚れ惚れします。




こんにちは、石原です。

先週公開したブログに引き続き<AUBERGE × Brilla per il gusto>は新作のトレンチコート「BOGART」のご紹介です。





AUBERGE × Brilla per il gusto BOGART コットンシルク トレンチコート
カラー:ベージュ
サイズ:38~44
価格:¥154,000(税込)
商品番号:24-19-0018-608


簡単に前回のサイズ編を振り返っておきますと、


身長168cm、体重62kg。大体スーツやジャケットは44を着用する私が、スーツの上から38を羽織りました。




一般的なビジネスシーンやプライベートでの着こなしは、こちらのバランスが最適かと思います。




さて、いよいよ本日のメインとなるコーディネート編です。


私がネービースーツで着用していたので、ジャケパンスタイルを提案してみようと思います。

インナーに羽織ったジャケットは<BEAMS F>レーベルの新作です。




BEAMS F / HARRIS TWEED チェックジャケット
カラー:ベージュ
サイズ:42~52
価格:¥93,500(税込)
商品番号:21-16-0019-731



ベージュのグラウンドが柔らかな印象を与えつつ、イエローのウィンドウペーンが華やぎを添えていますね。

ハリスツイードらしい厚みのある、ザックリとした風合いは、真冬の時季にタートルネックニットと組み合わせるのも良さそうです。


Vゾーンの構成は


BEAMS F ツイル タブカラーシャツ
カラー:ベージュ、ライトブルー
サイズ:37〜43
価格:¥18,700(税込)
商品番号:21-11-0027-563

GIERRE パネルストライプタイ
カラー:ブラック、グリーン、パープル
価格:¥16,500(税込)
商品番号:21-55-1415-343

個人的に今季イチ押しの<BEAMS F>はツイル生地のタブカラーシャツ。デニム系の色とも少し異なる、味わい深いライトブルーの色は、ブラウン系のジャケットとの相性が抜群に良いですね。ちなみに同生地の色違いでベージュも展開しており、どちらも欲しくなる、そんな悩ましい存在です。


ネクタイは色々な候補がありますが、私はオリーブグリーンとゴールドの組み合わせが、派手過ぎない程度にアクセントとなる、こちらのネクタイにしました。何だかんだでグリーンがコーディネートに入りやすいのは、単に好きな色だからなのですが、ネクタイの色柄のチョイスは、締める方の個性が特に出るポイントかなと思います。楽しむことが大切ですよね。




ボトムスも色の繋がりを意識しました。


PT TORINO × BEAMS F 別注 フランネル 2プリーツ ワイドパンツ
カラー:ライトグレー、ミディアムグレー、ベージュ、ネイビー
サイズ:42〜52
価格:¥44,000(税込)
商品番号:21-23-0078-512


今やこのブランドを代表するモデルに育った「GENTLEMAN FIT」より、膝下がワイドなバランスで裾まで落ちるシルエットのタイプをチョイスしました。

通常のテーパードシルエットのモデルでも勿論大丈夫ですが、雰囲気のあるコートに合わせて、パンツも視覚的に雰囲気強めに合わせております。

とは言え、<PT TORINO>のバランス感覚は流石で、変に野暮ったい太さは感じられず、生地の風合も相まって、とても都会的で洗練された風情を醸してくれます。

ジャケットがハリスツイードの生地ですし、あまりゴリゴリにならない様に、パンツで素材感を控えめにするのも大切ですね。



なので、足元もこの様に纏めております。


CROCKETT & JONES × BEAMS F 別注 HELFORD スエード タッセルローファー
カラー:ブラック、ダークブラウン
サイズ:5〜9
価格:¥80,300(税込)
商品番号:21-32-0243-502

最近展開が始まった、別注の新型タッセルローファー。非常に品の良い面構えで、アメリカンライクな丸みの強いモデルとは一線を画していますね。

もちろん、アメリカンなローファーが悪い訳では無いのです。あくまでどんな雰囲気を狙うかと言う話でして、今回はヨーロッパ的なエレガンスを足元やパンツで演出して、本来はラギッドな存在である、トレンチコートやツイードジャケットと調和を得るのが狙いでした。

気に入って頂ければ幸いです。


「BOGART」に関しては、もっとシンプルにローゲージニットとコーディネートしても、充分に楽しめる、そんな逸品だと思います。希少なコートですが、手に入れられた方は、是非とも色々とコーディネートをお楽しみ頂きたいですね。




あくまで何となくですが、翻訳、或いは研究とコーディネートは通づる点がありそうに感じられます。既に素材があって、と言う意味では料理によく例えられますが、素材をどのように解釈し、自分なりの意味を与えると考えても面白そうですね。それが良い「翻訳」なのか「誤訳」なのか、或いは「超訳」なのかはそれなりの知識や経験も問われそうですね。先ずは先人達の翻訳を参考としつつ、独自の解釈を見出す。まさに研究だなと思えてきますし、更に頑張りたくなって参りました。




それでは、

見る前に跳べの心意気で、

ご来店お待ち申し上げております。


石原




【ブログ内に記載の価格は、記事公開時のものであり、変更する可能性がございます。】





ご試着、お取り置きもオンラインで便利に利用頂けます。詳しくはコチラをご参照下さいませ。


ババ、そしてオライリイ

今晩は、銀座店の新井です。


現在オーダーフェア開催中です。秋冬の生地のが断然楽しく感じてしまうのは私だけでしょうか。ビジネススーツは流石にオーダーする程でも、、という方はジャケット生地でお洒落を楽しんでもらいたいですね。

ビームス クロージングで随一のツイードジャケット愛用者といえば、新宿店のI先輩が真っ先に浮かびます。スタッフは必ず若手時代に先輩のスタイリングに憧れて真似をしちゃう時期があった筈です。銀座店で一緒に働いていた頃は他のセレクトショップのスタッフさんも彼の影響で洋服屋になったって位で、よく勉強しに来てましたね。先輩の昔のスタイリングは写真に残しておけば良かったなーって今でも思います。それ位ジャケットスタイルのお手本でしたね。


以前はジャケット生地のバリエーションは少なく、生地バンチも1.2冊だけだったのですが、今は各社バリエーション豊かになってます。先輩が似合いそうなツイード生地が目白押し。

プライスも魅力的なのは国内生地商社さん編集のバリエーションバンチです。たまにミルの生地バンチと被ってますが、こちらのが安く出てるのがありますので。


ハリスやムーンなどの英国羊毛生地はこの辺のジャケットバンチシリーズは国内生地屋さんがストックしている在庫のせいか通常よりも3ランクもお安めなのでかなりコスパ良しですね。

企画の頃は大体自分が作りたい物は生地からアイデアを出して織り出しから作り上げてました。ほとんどテキスタイル屋かって位に。今の企画デザイナーさん達は大体は洋服のデザインありきでそれに合う生地を当て込むのが多いらしいですが、私は逆で生地から着想を得て企画を考えるタイプでしたね。その辺はこういったテーラードのパターンオーダーの経験から来るモノがすごく活かされてると思います。

それに私がやっていたレーベルは1つの企画の生産枚数が500〜1000枚とメチャクチャ多かったので、基本生地は在庫を買うのではなくほとんどオリジナル発注。なので色柄組みやらは全て特注で好き放題に出来るんです。反数も桁が違うので日本のみならず中国やらベトナムやらイタリアでもイギリスでも生地屋さんと織り出しをあーでもないこーでもないと話し合いながら生地値も交渉してましたね。基本は英語で話すのですが、私の武器は人類みな兄弟って感じのスキンシップ。真面目そ〜な堅物イギリス人の生地屋のおじ様に肩組んだりコチョコチョしたり、泣き落とししたりとやりたい放題。でも想いは通じるモノで大体は笑い溢れる和やかな商談で交渉は成功してましたね。

ただ、中国や日本の尾州やらでいくら頑張って織り出しをお願いしても、ハリスやムーンやらの英国ツイード生地の雰囲気、クオリティは絶対出せなかったんですよね。

糸なんですよ、糸。あの英国羊毛の糸。針金みたいにツンと張りがあって織ると空気を含んで硬さが有りながらも膨らみがある感じ。この感じはどうしてもイギリスの羊さんの毛でしか出せないんですよね。そしてそれを最大限に活かすイギリスの生地屋さん。英国羊毛の糸だけを引っ張ってきて国内で織ってみたら半分位は近づけましたが、どうしても厚みを出そうとすると硬過ぎたり重すぎたりで、、やはり本物のふんわり膨らみのある感じはちゃんと再現出来なくて。5年くらい挑戦し続けましたが最後は諦めてイギリスの生地をちゃんと使いましたね。


多分この生地と丸かぶりでこの秋に私のラストシーズンのツイードジャケット企画が全国のビームスアウトレットとオンラインショップで登場すると思います。途中で抜けてしまったので変更してるかも知れませんが。。

イギリス、ムーン社製ツイード生地です。すみません、やはりモノホンには敵いませんでしたって結論となりました。因みにラストツイードジャケットはかなりの自信作ですので。

英国製ツイード生地、日本でも著名なモデリストのパターンを使用し、中国でトップクラスファクトリーで縫って、プライスはここでは言えない位に破格のコストパフォーマンス。出来るなら自分で銀座店で売りたいものです。



完全に自分好みの主観で色バリを3色選んでしまったかも知れません。でも皆さん好きな色柄だとも思いますので。多分寒い時期になったら展開外なのに私着てると思います。思い入れが強過ぎて。

あと、西欧生地の魅力は何と言っても柄組みではないでしょうか。これもアジアでは何故かっていう位完全再現は不可能でしたね。織り機の違いなのか糸を組むセンスや経験なのか。最近は300グラム後半のライトツイードも増えたのでオフィスでも使えそうですしね。とにかく英国羊毛のツイードは唯一無二。5年以上は着倒して自分の身体に沿う様に変形してる位がカッコいいですよね。特にここ数年のハリスツイードの値上がりは信じられない位続いてますので、英国生地のプライスが落ち着いてる今がオーダーしどきだと思います。特に今回はお値打ちです。


表題は同じ英国繋がりの「誰?」ってレジェンドバンドの最大のヒット作。アルバム6枚にも及ぶも頓挫してしまった壮大なロックオペラの欠片とも言うべきこの曲は、リーダーでありギタリストの最も才能が冴え渡っていた時期の傑作。本当にロックの全てが詰まった名作中の名作と言うべき。特筆はやはりこのバンドの豪快で歌うかの様なドラミング。そして終盤の1分以上にも及ぶバイオリンとシンセ、徐々にギター、ベース、ドラムが絡み合いペースを上げて昇華していくインストは何回聴いても高揚感がハンパないっす。オーサコは比では無いっす。

スコットランド農民である主人公が妻と子供を連れてロンドンへ脱出をする物語をコンセプトに紡がれる歌詞は、家族の幸せの為に前に突き進む男達への賛歌の様に感じますね。そしてその主人公が北欧の凍てつく風の中で身に纏うのはガシガシのツイードジャケットではないかと。私の勝手な妄想ですが。


既製品では今のムードを考えるとイタリア製の生地のジャケットがどうしてもメインとなってしまいます。イギリス生地は趣向性が強いのであまりバリエーション豊かには出来ないんですよね。だからこそプライスバリューなオーダーフェアを機に長年お付き合い出来る寒い時期の相棒を。

沈んだ心を奮い立たせるこのロックの名曲をバックミュージックに、ツイードジャケットを身に纏って突き進んで下さい。スコットランドからロンドンへの道、もといマスクをしない明るい未来に。



それでは銀座でお会いしましょう。


新井


ブログ火曜金曜20時辺りに定期投稿です。

秋冬の新作紹介

こんばんは。


ビームス 銀座の梶です。


今週梅雨明けが予想されており

いよいよ夏本番、そんな時期ですが

秋冬の新作が続々と入荷してきております。


今日はその一部を紹介させて頂きます。




BEAMS F / ハリスツイード ヘリンボーンジャケット
カラー:グレー
サイズ:42〜52
価格:¥84,000+税
商品番号:21-16-1644-731

注目のヘリンボーン。

こちらの生地はツイードライクではなくリアルなツイード。


コーディネートはこんな感じで如何でしょう。



ヘリンボーンのジャケットに赤のミニチェックのシャツ、太めのシルエットのチノパン。

某映画監督をイメージしたコーディネート。

こおいう感じも新鮮です。


ご参考までに。


続々と入荷して来ている新商品。

是非一度ご覧にいらして下さい。


それでは「銀座」でお待ちしております。