スタッフ「SHUN 新井」の記事

転石のように

今晩は、銀座店の新井です。





9月の新シーズンが始まり、所謂洋服屋的には秋の立ち上がり。毎年変わらないっちゃ変わらない感じなんですが、、この今の状況で変わってないのも違和感というか危機感を感じるというか。

徐々にお客様も秋冬服の下見とか予約とか動かれてきましたね。まあ2年前と比べたら忙しさは半分以下って感じですが。

そして平和に飼われてる羊みたいに淡々と商品紹介も10回位書くと似たような内容に飽きてくると思いませんかね?マンネリですよ、マンネリ。なので今回は変化球で。



今日は有名ファッションサイトで小島さんって方が、セレクトチェーンに未来はあるのかって記事を書かれてて、まあまんま今の置かれてる状況をズバリですよ。まず内容の前にセレクトチェーンってカテゴライズの言葉が刺さりましたね。もう最早セレクトショップは洋服屋というよりチェーンなんですよ。私が身を置いてる場所はチェーン店なんだと。

8年ぶり店舗勤務に戻って気が付いたのは、10数年前ならお客様もドレスの3階フロアに来る際にはすごくお洒落されてて、なんか大人の社交場みたいな雰囲気でスタッフと馴染様が談笑する風景が日常でしたね。流石にカットソーに半ズボン、スリッパではなかなか入れない雰囲気でした。実際3階に上がる階段で遠慮して降りていってしまいました。



今は本当に皆さん、リラックスされた服装でご来店頂けるように。その光景には時代は変わったんだなぁとしみじみ。ビスポークスーツの先輩方も今は随分カジュアルな格好に。私も自分の企画デザインした服を楽しんで着てますが。それだけ間口が広く皆様に認知され、愛顧頂いているんだと。先のセレクトチェーンって言葉になるのもなんか分かる気がします。有名タレントさんがテレビで全国何処行ってもビームスってあるよねーって言ってましたし。



先の記事ではセレクトチェーンがこの状況下ではかなり苦しいって話でしたね。もう共感しまくりでした。お客様は半分以下の来店でオンラインの充実で店舗はほぼショールーム化に。もはやお店は広過ぎて、何層ものフロアも手に余る有り様。それでも広いから人手はそんなに減らせない。他社セレクトさんは切り替えて小粒の多店舗を一気に全ブランド集約の郊外大型店舗にして無駄を省いた方向に動いてるのもすごく納得ですよね。



肝心のモノは似た感じのオリジナルが大量に並んでほぼ量産型みたい、どのセレクトショップでも。。それが売れるのもわかるんですがね。

EC販売で実店舗の補填も流石に限界がきて、アウトレットもすでに飽和状態で今後は縮小傾向。更には衣料消費率はこのコロナショックで更に下がる始末。アパレル消費の形態も如実に変化し、コロナが収束すればまた元に戻るとは流石に皆思ってないですね、少なくとも現場の店舗スタッフは。



リアル店舗は他社さんみたいに集約、無駄な支出を省くより効率的な店作りにせざるを得ないですよね。上場したセレクトみたいに低コストのオリジナル商品で利益穴埋めは最早限界ですし。消費者の皆様は正価の信頼感は感じてませんよ、去年あれだけ何処も値引き合戦しちゃったんだから。自分も思いっきりそうです笑

その上セレクトのセンスを武器に先取りしたコンサルティング業もセレクト以外のアパレル他社が直ぐに追随して既にレッドオーシャン化は時間の問題。


オーベルジュやツルタ先輩シャツの時にも力説しちゃいましたが、やはり他では真似できないオリジナリティ溢れる値引きしない定番品やら打ち出し品を作っていくのは急務ですよね、コストが上がっても。値引きをせずに買い続けて頂くのはアパレルが生き延びる生命線じゃないですかね。

安い工賃等をメリットにたくさん投資をして開拓をしてきたASEAN諸国での大量生産もこのウイルス戦争でボロボロ。機会ロスを減らす為に近隣中国さんや日本国内にアパレルオーダーは戻ってきてるみたいです。売上が減るとしても適量をちゃんと関わる人達全てが潤える様に経済が流れていくのは本当に大事だと思います。




高くもなく安くもない中価格帯のセレクトショップ業態としては、あとは低価格帯のチェーン展開を拡げるのと、逆に高価格専門の完全予約制サロンや外商部隊にウチが誇るサービスのプロ達が戦場を拡げていくと。どうせもうチェーンなんで何でもありかと。

苦境の時こそ基本に立ち返るって凄く大事だなって今も痛感しますね。

リアルでもECでもご来店頂くお客様とちゃんと向き合って信頼関係を築く事。
本当に良いと思える商品を作り買って頂く事。

当たり前ですが売上規模に沿った、身の丈に合った形態に速やかに変わっていかないとヤバいですよね。そして無駄にしている部分を出来る限り切り詰める様に改善していかないと。この苦境は何年も続くんですから。


表題は60年代のアメリカに現れた生ける伝説のフォークの巨人の大名曲。この曲がロックの産声なのか。今やこの人ノーベル文学賞までもらっちゃうんですから。大学の講義の時に教授が授業そっちのけでどれだけ彼の詩が文学的、哲学的で素晴らしいか2時間以上力説してたのも納得ですよ。6分以上にも及ぶこの曲では複数の章構成でストーリーが紡がれ、社会的孤立や富裕層への皮肉、かたや人生における栄枯必衰への問い掛けが語られる訳で。

転がる石のようにひとりぼっちで帰る家もない気分はどうだい?と。

でも終盤のフレーズは希望とロックの精神が見えるんですよね。

何にも無くなったって事はもう失う物は何も無いんだから。と

私は勝手な解釈でこの曲は皮肉を交えながらも希望と励ましを感じてしまうんですよね。
どん底に落ちてからのが人生充実するかも知れませんよ。後は這い上がって行くだけですから。

そんな訳で私は明日もリアル店舗でお客様を歓迎し、お買上げの有無関係なくご来店を楽しんでもらえる様に全力でご案内をさせて頂きます。

転がる石みたいになっても、もがいて行くしか無いんですよ、セレクトチェーンも私も。






それでは銀座でお会いしましょう。


新井


ブログ火曜金曜20時辺りに定期投稿です。

ババ、そしてオライリイ

今晩は、銀座店の新井です。


現在オーダーフェア開催中です。秋冬の生地のが断然楽しく感じてしまうのは私だけでしょうか。ビジネススーツは流石にオーダーする程でも、、という方はジャケット生地でお洒落を楽しんでもらいたいですね。

ビームス クロージングで随一のツイードジャケット愛用者といえば、新宿店のI先輩が真っ先に浮かびます。スタッフは必ず若手時代に先輩のスタイリングに憧れて真似をしちゃう時期があった筈です。銀座店で一緒に働いていた頃は他のセレクトショップのスタッフさんも彼の影響で洋服屋になったって位で、よく勉強しに来てましたね。先輩の昔のスタイリングは写真に残しておけば良かったなーって今でも思います。それ位ジャケットスタイルのお手本でしたね。


以前はジャケット生地のバリエーションは少なく、生地バンチも1.2冊だけだったのですが、今は各社バリエーション豊かになってます。先輩が似合いそうなツイード生地が目白押し。

プライスも魅力的なのは国内生地商社さん編集のバリエーションバンチです。たまにミルの生地バンチと被ってますが、こちらのが安く出てるのがありますので。


ハリスやムーンなどの英国羊毛生地はこの辺のジャケットバンチシリーズは国内生地屋さんがストックしている在庫のせいか通常よりも3ランクもお安めなのでかなりコスパ良しですね。

企画の頃は大体自分が作りたい物は生地からアイデアを出して織り出しから作り上げてました。ほとんどテキスタイル屋かって位に。今の企画デザイナーさん達は大体は洋服のデザインありきでそれに合う生地を当て込むのが多いらしいですが、私は逆で生地から着想を得て企画を考えるタイプでしたね。その辺はこういったテーラードのパターンオーダーの経験から来るモノがすごく活かされてると思います。

それに私がやっていたレーベルは1つの企画の生産枚数が500〜1000枚とメチャクチャ多かったので、基本生地は在庫を買うのではなくほとんどオリジナル発注。なので色柄組みやらは全て特注で好き放題に出来るんです。反数も桁が違うので日本のみならず中国やらベトナムやらイタリアでもイギリスでも生地屋さんと織り出しをあーでもないこーでもないと話し合いながら生地値も交渉してましたね。基本は英語で話すのですが、私の武器は人類みな兄弟って感じのスキンシップ。真面目そ〜な堅物イギリス人の生地屋のおじ様に肩組んだりコチョコチョしたり、泣き落とししたりとやりたい放題。でも想いは通じるモノで大体は笑い溢れる和やかな商談で交渉は成功してましたね。

ただ、中国や日本の尾州やらでいくら頑張って織り出しをお願いしても、ハリスやムーンやらの英国ツイード生地の雰囲気、クオリティは絶対出せなかったんですよね。

糸なんですよ、糸。あの英国羊毛の糸。針金みたいにツンと張りがあって織ると空気を含んで硬さが有りながらも膨らみがある感じ。この感じはどうしてもイギリスの羊さんの毛でしか出せないんですよね。そしてそれを最大限に活かすイギリスの生地屋さん。英国羊毛の糸だけを引っ張ってきて国内で織ってみたら半分位は近づけましたが、どうしても厚みを出そうとすると硬過ぎたり重すぎたりで、、やはり本物のふんわり膨らみのある感じはちゃんと再現出来なくて。5年くらい挑戦し続けましたが最後は諦めてイギリスの生地をちゃんと使いましたね。


多分この生地と丸かぶりでこの秋に私のラストシーズンのツイードジャケット企画が全国のビームスアウトレットとオンラインショップで登場すると思います。途中で抜けてしまったので変更してるかも知れませんが。。

イギリス、ムーン社製ツイード生地です。すみません、やはりモノホンには敵いませんでしたって結論となりました。因みにラストツイードジャケットはかなりの自信作ですので。

英国製ツイード生地、日本でも著名なモデリストのパターンを使用し、中国でトップクラスファクトリーで縫って、プライスはここでは言えない位に破格のコストパフォーマンス。出来るなら自分で銀座店で売りたいものです。



完全に自分好みの主観で色バリを3色選んでしまったかも知れません。でも皆さん好きな色柄だとも思いますので。多分寒い時期になったら展開外なのに私着てると思います。思い入れが強過ぎて。

あと、西欧生地の魅力は何と言っても柄組みではないでしょうか。これもアジアでは何故かっていう位完全再現は不可能でしたね。織り機の違いなのか糸を組むセンスや経験なのか。最近は300グラム後半のライトツイードも増えたのでオフィスでも使えそうですしね。とにかく英国羊毛のツイードは唯一無二。5年以上は着倒して自分の身体に沿う様に変形してる位がカッコいいですよね。特にここ数年のハリスツイードの値上がりは信じられない位続いてますので、英国生地のプライスが落ち着いてる今がオーダーしどきだと思います。特に今回はお値打ちです。


表題は同じ英国繋がりの「誰?」ってレジェンドバンドの最大のヒット作。アルバム6枚にも及ぶも頓挫してしまった壮大なロックオペラの欠片とも言うべきこの曲は、リーダーでありギタリストの最も才能が冴え渡っていた時期の傑作。本当にロックの全てが詰まった名作中の名作と言うべき。特筆はやはりこのバンドの豪快で歌うかの様なドラミング。そして終盤の1分以上にも及ぶバイオリンとシンセ、徐々にギター、ベース、ドラムが絡み合いペースを上げて昇華していくインストは何回聴いても高揚感がハンパないっす。オーサコは比では無いっす。

スコットランド農民である主人公が妻と子供を連れてロンドンへ脱出をする物語をコンセプトに紡がれる歌詞は、家族の幸せの為に前に突き進む男達への賛歌の様に感じますね。そしてその主人公が北欧の凍てつく風の中で身に纏うのはガシガシのツイードジャケットではないかと。私の勝手な妄想ですが。


既製品では今のムードを考えるとイタリア製の生地のジャケットがどうしてもメインとなってしまいます。イギリス生地は趣向性が強いのであまりバリエーション豊かには出来ないんですよね。だからこそプライスバリューなオーダーフェアを機に長年お付き合い出来る寒い時期の相棒を。

沈んだ心を奮い立たせるこのロックの名曲をバックミュージックに、ツイードジャケットを身に纏って突き進んで下さい。スコットランドからロンドンへの道、もといマスクをしない明るい未来に。



それでは銀座でお会いしましょう。


新井


ブログ火曜金曜20時辺りに定期投稿です。

怒りに変えちゃいけない

今晩は、銀座店の新井です。


数年に1度は必ず聴きまくるターンが来るんですよね、この名曲収録のあのイギリスマンチェスターの兄弟バンドのアルバムを。そう、2枚目ですよ。

90年代、いわゆるジェネレーションXってやつなもんですから。


40代って自分が想像してたのは仕事も家庭も脂が乗り切ってきて、思う存分やりたい事に力を発揮していきたいと息巻いていた矢先に、このウィルス戦争とは。この前半の5年間はまさに失われた時間となっていきそうで。あとはどう意識を変えてこの数年間を状況を踏まえて楽しめるかって話になりますよ、そう、考え方次第ですよね。


引き続きオーダーフェア絡みですが、

紳士の必需品、ジャケット。形も勿論そうですが、生地のチョイスひとつで着ていくシチュエーションが全然変わりますよね。よく聞くのがこのコロナ禍でジャケットを着ていく機会が喪失してしまい買う必要が無くなったと。

今の日本の状況はそれでも経済を止める処置はせずに回していく方策をとっている訳で、何とか縮小する売上でも会社を回していく利益構造改善のアップデートをしていくのが自然の流れですよね。巷ではスーツ売上が半分以下まで下がったと大騒ぎ。でも在庫リスクを持たないパーソナルオーダーはどこも売上が悪くなく、なんなら大手さんのオーダーブランドショップは出店が増えてるって調子です。


私はマイノリティ傾向が強いというか単に天邪鬼というか皆んなが着なくなったら逆に差別化のチャンスと考えて、着ますよ、ジャケット。ビジネスしかり全ての初対面の印象は服装などをメインにした容姿でかなりの割合を占めて決まるとは有名な話ですが、私は9割はその服装容姿で決まると思ってますね。

長年企画をやってた際にすごく大事なのはお取引をするビジネスパートナーの方々。我々セレクトショップは生地屋さん、縫製工場さん、副資材屋さん、貿易商社さん、デザイン会社さん、などなど本当に沢山の方々に支えられて、何ならその人達がいないと何にも売る商品調達出来ないし、我々小売は成り立たない訳で。そしてその方々とお仕事をさせて頂いた際にも服装はホントに仕事をする上で重要な判断基準だなぁと痛感してましたね。身だしなみが全ての仕事に繋がっていると。仕事の9割が準備で決まるってのが私の持論なものでして、服装はその1番身近な準備として反映されていると思っておりますね。

ちゃんと商談準備をしてきて下調べもしてる方は、何なら私の作った企画商品も着て来ちゃいますからね、商談の時に。そーゆう方はまあ仕事のしやすい事。ずっとお付き合いさせて頂きたい信頼出来るパートナーの方々だと感謝しきりですね。

その逆はしかりで、、遅刻はするは少しの遅れだからと連絡もしてくれない、なんなら服装も毎日ほぼ同じの方は、まあ仕事の進行でも常にトラブルを伴う事が多々ありましたね。否定をする訳ではございませんが、まあ私とは相性が良くなかったかと。生意気言って申し訳ございません。でもそれ位身だしなみは大切ではないかと。

そしてこの閉塞感真っ只中のコロナ情勢。状況は変化していってもそれでも日々働く男たるもの必要なんですよ、ジャケットという武装するパワーアイテムが。自分を鼓舞し、精神を解放する男の1番身近な正装と言えるジャケットが。


働く環境がリモートワークを筆頭に目まぐるしく変化しており、私も身に染みました。思う様にコミュニケーションは取れず、追い討ちの様にドレスアイテムは必要とされず売上下降の一途。焦燥にとらわれ向け所の分からない怒りを全ての方向にぶつけてしまいましたね。その後はその怒りの方向は自分自身の内面に向けてしまうのは時間の問題で。その途中で気付いて何とか最悪な事態まで行かず本当に幸いでした。その過程で沢山の周りの方々にご迷惑をお掛けしてしまいました。お詫びのしようもございません。

日々闘う紳士の方々への我々洋服屋が出来る事は、少しでも背中をおせる洋服選びのお手伝いではと。その中でもオーダーは非常に有効性の高いものではないかと。今や娯楽と呼べるお酒の席や宴の場も失われ、みんな刻々と心が蝕まれていくこの状況。それでも戦う紳士に向けた勇者の鎧みたいなもんで。

この状況を乗り切っていく為にせめて武装するジャケットだけでも奥様の財布が緩んでくれる事を願いますね。特にオーダーという方法でカスタムして楽しんで頂く事が大事かなと。

良いんですよ、なんなら沢山の生地バンチを一緒にめくって仕上がるジャケットを想像して、着ていくシチュエーションに想いを馳せるだけでも。


表題は勿論90年代に幕を上げたマンチェスターのロックな悪ガキ兄弟の名フレーズ。何度もこの曲に私は助けられた気がしますね。

90年代、ジェネレーションX。失われた時代なんて誰が言った。

僕らにはこの兄弟がいたじゃないか。

大学生の頃に横浜アリーナでの彼らのライブは、何万人もの規模でバンドは豆粒みたいに遠くて、、この曲がかかると皆んなスタンディングで手拍子を打つ光景をどうしても冷めた感じで眺めちゃってましたね。メジャーモンスターバンドになっちゃうと有りがちな感情と言うか。

でも2017年のマンチェスターでの悲劇の時に、悲しみに暮れる人達の中で1人の女性がこの曲を口ずさんで、自然発生的に世界中の人達が合唱してるのを目にした時には震えましたね。20年後にこんなに心を揺さぶられるとは思わなかったっすよ。涙も出てきちゃうし。

20代の斜に構えた感情なんて微塵も無くなってました。そしてこの素晴らしい曲をリアルタイムで聴けて良かったと素直に思えましたし。


そしてこの21年の苦境の中でも、この歌が私達の心を救ってくれてるはずです。

怒りに変えちゃいけない。

その代わりに私達には服がありますから。





それでは銀座でお会いしましょう。


新井


火曜金曜20時辺りに投稿予定です

システムトラブルが無ければ。

階段は天国へと続いていく

今晩は、銀座店の新井です。


予定時間にアップされない様でして。申し訳ございません。

いよいよ日本全国深刻な事態になってきましたね。どうか皆様自己防衛をくれぐれも入念に。オンラインのお買い物でお困りの際にはお気軽に電話でのお問い合わせもご活用下さい。


こんな状況でも流石にオンラインでは解決できない半年に1度のオーダーフェア開催ももう間近。

お店には紳士たる者の大好物、生地バンチが勢揃い致しました。


以前はイタリアの生地がメインでゼニア、ロロ、カノニコに人気も集中していたのですが、今はどっしりした打ち込みの強いイギリス生地のラインナップが大充実しているんですね。フォックスやハリソンズ、ジョンフォスターなどなど。スタッフはやっぱりフォックスのツイードやフランネルが大好物でしょうね。


先日、何人かのお客様が生地バンチの下見にお越し頂きまして、じっくりバリエーションに目を通して頂きご案内する私としても楽しい時間を過ごせました。これはまさしく服道楽な紳士の方には天国じゃないかと。

そして今期は初めてリングヂャケットさんの縫製でのオーダーフェアも9月から開催。今まで出来なかったリング製ジャケットパターンを使えるので、相当いい雰囲気の仕上がりになるんじゃないすかね。


この新型のフィレンツェモデルも使えるってのがまた、わたくし胸がトキメキました。


フィレンツェモデルで日本で有名なのはリベラーノさんでは。またそれを着こなしている鴨志田氏のスタイリングは会社を越えてドレススタッフは誰もが1度は憧れたと思います。ウチのドレススタッフでも分かりやすく憧れて真似してるコもいますしね。私は模倣が1番の成長の近道だと思います。

やっぱりこのラペルと袖山の雰囲気、フロントが丸く外に流れるラインは只者では無い雰囲気がプンプン匂います。昔からリング縫製のジャケットを沢山見てますが、モードなサンローランテイストのエレガンスモデルやゴリラタグのアメリカンサックスーツモデル、ナポリスタイルからこのフィレンツェモデルまでホントに様々なモデルを作り上げるセンスは日本の縫製工場では抜きん出てるのではと。そして何より日本人体型にハマりやすいワケで。他にもリング製ブレザーなど其々拘りのモデルパターンがあるので、その相性を考えて生地も選ぶとなると相当楽しいオーダーになる事請け合いじゃないですかね。


リング製定番モデル


ブレザーハンドラインモデル


前回は銀座8丁目のお店の話をしましたが、2年で閉店してしまった後は、全国の百貨店やセレクトショップをメインにオーダースーツを請負う会社でオーダーとオリジナルスーツの生産をしこたまやってました。フル、イージー、パターンとオーダーを年間1000着以上フィッティングする中々の武者修行。勿論フィッティング技術は格段に上がりましたが、最終的には対お客様との意思疎通が1番大事ではないかと。

この道40年の大ベテランのモデリストのおじさんが口下手でお客様との意思疎通不足で仕上がりに失敗してしまったり、イタリア、ナポリの大巨匠がやる気満々でフィッティングしたら、それもまさかの失敗。そのお客様は身長は低めで恰幅の良い方だったのですが、ハウスモデルを原型があまり残らない位に体型にハマる様にしたら、確かに仕上がりは体型に沿って変なシワは無く綺麗。でも着た瞬間のパッと見でなんか鈍臭くてカッコ良くない。。お客様も着た瞬間にカッコ悪いって汗 これは非常に勉強になりましたね。やはり1番大切なのはお客様と作る側の考える仕上がりがどれだけ意識統一を図って同じ方向に向かっているかではないかと。ビスポークって言葉は正にこの事だと胸に刻んでます。

私もオーダーでは大変な事もありました。元総理大臣の方がご高齢を理由にジャケットの試着をしてもらえなくて、ヌード採寸のみで作る荒技をしたり、これまた有名な服飾評論家はアポイントと違う日に来ちゃって別の新人スタッフの何となくな採寸データを頼りに作るとか、今や日本ラグビー界の英雄がまだ学生の頃に作りに来てくれたのですが、採寸がシーズン中でしたが仕上がり確認時はオフシーズンで筋肉が落ちてサイズが2サイズ分変わっていて、、、発作で倒れそうになりました。


ここからは私の勝手な持論で申し訳無いのですが、オーダーはオーダーですが、体型補正も含め修正して綺麗に作りたければ個人のテーラーさんとか他に沢山あるわけで。ビームスでオーダーする意味って何かと言われれば、問答無用で今の時代性を的確に迅速に捉えたセンスな訳で。パターンもそうですが選ぶ生地のセンス、合わせるスタイリングのセンス、そこがセレクトショップでオーダーをする真骨頂ではと。まあウチの中でもスタッフに寄りけりかも知れませんが、、艶っぽいエッジの効いた生地チョイスが上手かったり、ベーシックながら上品で知的な雰囲気の生地チョイスが上手いスタッフとかホントに個性様々なのでそこはお客様がアテンドをお願いするスタッフをご自由に指名頂ければと。


個人的に今回のバンチで特におすすめしたいのがジャケット用のイギリス生地シリーズ。特にムーンとか。去年からのこのコロナ不況のせいか生地屋さんが従来よりお安く出してると思います。去年ウチも夏のセール初っ端から50%オフ目白押しだったみたいな感じですかね。


表題は余りにメジャーなイギリスの伝説的バンドの70年代初頭の天国ソング。

このバンドってハードロックの代名詞的な感じですが、私的にはこれまた非常に多様性、混血性のあるロックバンドだなぁと。4人の経歴も抜群ながらそれぞれの音楽の趣向性もてんでバラバラ。でもその各メンバーの多様な音楽性の衝突、融合が奇跡的に練り上げられ生み落とされた摩訶不思議な深みと闇を持ったフュージョンミュージックであり破壊的ロック。その中でもこの曲は静から動への絶妙なドラマ性が組み上げられる流れで正に天国へ昇っていくよう。この人たちの音楽ってやっぱり卓越した個性をもつ4人だからこその成し得たものだと思うし、誰一人欠けても成立はしない訳で。


国内屈指の縫製力を誇るリングヂャケットさん、著名モデリストによる独自のパターン、ビームスドレススタッフによるセンス溢れるご案内、世界中より集められたプライスバリューなファブリック。

この4つのエレメントで紡がれる仕立て服は、きっと鉛の飛行船の曲と同様に紳士の方々を至福の天国へと導いてくれるはず。



いつもの見慣れた銀座店3階へと続く階段が、至福の時間を約束する天国に続く階段に見えてくるのは気のせいじゃ無いですよ、きっと。




それでは銀座にてお会いしましょう。


新井


火曜金曜20時定期投稿です。

ワイルドサイドを散歩しよう

今晩は、銀座店の新井です。


サーバー不具合なのか投稿がなかなか反映されず失礼をいたしました。半日遅れの投稿となります。


コロナ禍状況の中でますますご来店が少なくなってきました。それはそれで自己防衛をされているので歓迎すべきかも知れませんね。どうぞオンラインショッピングを楽しんで下さい。

本日ご来店の紳士の方は、この状況で何も娯楽が出来ず気晴らしがなくて辛い心境をお話を頂き、それでも男は日銭を稼ぐ為に働きに出なくては行けないし、自分に鞭を打って闘う武装の上着だけでも購入して乗り切っていきたいと仰っていました。

流石にちょっと目頭が熱くなりましたね。苦しい経済の中でかなり後回しにされている衣服という物が人によっては背中を押す重要なモノとなるなんて。


私がこの世で一番好きな武装服。性別問わず永遠の定番と言えるネイビーブレザー。

ここ数年の定番なのですがこのオリジナルブレザーはやっぱり良く出来てるなあ〜って。

ありきたりな説明は野暮な気がしますが、

アーサーハリソン社の英国らしいがっしりした生地。上襟やらゴージやら袖付けやら打ち合い台場やらボタンホールやらが手縫い。安定感のあるリングヂャケット縫製でこの値段がまたスゴイ。今の雰囲気をちゃんと出しながらも10年以上着れると思わせる定番感、でも只者では無いと思わせる洒落感、誰が見てもイイジャケット着てるなぁって分かる感じが流石。おまけに金ボタンもすこぶるイイ雰囲気。至れり尽くせりです。先日シングルタイプが追加がありサイズが揃う様になりました。コレはずーっとお店に定番で置いておきたい。

紺ブレ好きが勢い余って、2007年に元キャンプス、元ビームスで、知る人ぞ知る菊池さんってダンディなおじ様と銀座8丁目で紺ブレを365日面白く着こなす、東京トラッドをコンセプトに掲げたセレクトショップをやってましたし。

今や世界中のあらゆるファッション文化が入り混じる東京都市、ブリティッシュもイタリアンもアメリカンもフレンチも。その全てを飲み込んで生まれている東京トラディショナル。そのアイコンアイテムはきっとブレザーではないかと。




二層でしたが内装費用が、なんと2億超え。

全てアンティーク什器と家具だし、音響だけでも200万以上かけちゃってて、、

銀座8丁目なので夜の銀座の街のど真ん中。特に18時から21時までの後半の時間はジェットコースターみたいなハラハラドキドキの連続で面白かったですね。夜のお姉様の波乱のギフト選びとか、怖いおじ様のご案内してて気が付いたら周りを超怖い付き人に囲まれたりで、、しかも売上の波が大き過ぎて。有名人の方が銀座の夜遊び途中で立ち寄って特大ホームランとか。

その店はリーマンショック直撃のタイミングで2年しか出来ず、、でも同じテーマでもう1回いつかやりたいなって。その頃より少しは知恵と経験とコネクションは出来たと思うので。その当時は毎日ブレザー着てたので、日が経つ内にレディーススタッフからブレザーが臭いますってクレームが来るオチがありましたけど。


私のブレザー原体験は90年初頭のトレンディの保奈美姉様が着てたのですね。後は同じくの美樹姉様。それを真似て中学校の美術教師の女性もブレザー着てたのがとっても素敵で。その先生に話しかけてもらって洋服の話をしたくて学ランなのにやたらインナーにオシャレな私服を合わせたり。

その後高校生の青春時代からずっと永遠に私のファッションアイドルであり続けるのは、今は亡きポップアートの巨匠A先生。本屋に行っては洋書を漁ってシルクスクリーン作品そっちのけで彼のビジュアルを探してました。今はネットですぐに拾えるのでイイ時代になりましたね。ネイビーブレザーにボタンダウンでタイドアップ、デニムにウェスタンブーツのスタイルがたまらなく好きで好きで。


ニューヨークのA先生、

パリの洒落オヤジのセルジュ

高校時代の自分の最高のファッションアイドルって多分この2人ですかね。お二人共亡くなってしまいましたが、晩年の背中の丸くなったおじいちゃんの姿を見れないからこそアイドルで居続けてくれてるんだとも思います。

2人とも結構かっちりのネイビーテーラードジャケットを自分テイストで着こなしてますよね。インナー使いはボタンダウンシャツやバスクシャツ、デニムシャツだったりでデニムパンツを合わせて、合わせる靴は片やウェスタンブーツ、片やバレエシューズですもん。その合わせはもう2人の模倣としか言えなくなった訳で。周期的に御二方のスタイリングに何度も刺激を受け続けてる気がします。

故落合先生の本でも言ってましたが、旅やら出張の際には必ずブレザージャケット1着で着回してました。機内も会食もシチュエーション何でもござれ。

最近だとイタリアのエージェントのプリモさんっておじ様は、日本で見る時は同じ様にラティーノのダブルブレザーをドレスからカジュアルまで着回してるのがすごく素敵でした。ラティーノにチャンピオンのスウェットはおったまげましたよ。

ブレザーが好き過ぎていくらでも話が出てきちゃいますね。

現在展開中のリング製ブレザーはアメリカの超大御所ブランドにも引けをとらない名作ブレザー。


何よりこの1着と一緒に歴戦のビームスドレススタッフの無限のコーディネート提案がもれなく付いてきますからね。これはセレクトショップならではの利点だと思います。モノの知識も大事ですが、着方を知るのはもっと大事ですから。


ホームページで告知してますが9月にこのブレザーをモデルに生地変え、体型補正も出来るリングヂャケット縫製のオーダーフェアも銀座店で開催しますので更にブレザーを楽しめそうですね。


題名はもちろん先生と所縁の深いRおじ様の若かりし頃の傑作。最高のストリートロッカーですよね、彼は。

無愛想に呟くようなモノクロトーンボーカル、隙間のある美しいサウンドはニューヨーク都市の退廃的な部分とか孤独を浮き彫りにした感じ。

そんな彼を一躍スターダムに押し上げたのも先生ですが、彼のグループを破滅に導いてしまったのも先生であって複雑ですね。

そんな訳なのかブレザーのスタイリングを考えると先生のビジュアルと一緒にこの曲が自然と鳴り出すんです。こんなフレーズも聞こえてきます。

「危ない方を歩いてみない?」

なので真面目なスタイリングなんて出来そうにないですね、多分ずっと。



先生宜しくブレザージャケットに5ポケットのスリムデニム、ヒールブーツを合わせて、銀座コリドー街辺りのワイルドサイドを40代前半の男性が16ビートを刻む様にアンニュイに散歩してるのを見かけましたら、、

きっと私だと思います。



それでは銀座でお会いしましょう


火曜金曜20時定期投稿です。



新井

少年達は心に茨を持つ

今晩は、銀座店の新井です。


定期投稿は何とか遅れずに続けていけそうですね。

自分としては音楽と洋服って親和性がすごく高いものだと感じています。ただ直接の固有名をこの文では使えないのですご〜く遠回しの表現となってしまいますので、皆さん察して下さい。出来れば調べて聴いて欲しい。

このブログを投稿していく上でどうしても普通の商品紹介だけにはしたくないんですよね。1日に何千件もこの自社サイトでアップされていますから。他のスタッフが良い商品紹介をしてくれていますので自分はなるべく違った表現を画像ではなく文章で楽しんで想像を拡げて頂きたくて。


そして今回はビームススタッフが考え、そしてスタッフ達に愛されるオリジナル商品について。



このインターナショナルギャラリー ビームスオリジナルドレスシャツです。

とにかく何処のビームスクロージングの店でもスタッフが着てますね。

企画者は銀座店にいるツルタパイセン。

余談ですがパイセンが最近執筆されたアンバイの1978年のハイボールには痺れましたね。電車の中で1人なのに笑っちゃいましたし。

「世界の中心でハイ!!と叫ぶ」って・・

昇天モノでしたよ、パイセン。流石です。

そんなパイセンがここ数年企画しているドレスアイテムの袖物やドレスシャツは、洋服屋が自分で買ってお客様にも肝いりでお勧めする稀有のオリジナルマスターピース達。

このご時世で企画数が減ってしまい寂しい限りです。

今月入荷した新作にもしびれました。

これはもう作りやらの蘊蓄ではなく感覚で欲しくなって着たくなるシャツですよね。カッコつけて言えばノンエッセンシャルマスターピース。

必要とされないVゾーン。

でもたまにはオシャレしたくなるシャツ。

適当に着ても只者ではない雰囲気を醸し出すシャツ。

自由に楽しんで着てもらいたいシャツ。

スーツでも短パンでも何でもいいと思います。とにかく楽しんで着てもらいたい。

このご時世ではみんな無難に何処でも売れてるアイテムしかやらないですよ、普通は。テロテロ合繊でオーバーサイズ気味のアースカラー中心のバンドカラーやらレギュラーカラーのシャツとかイージーケアのニットシャツとか。デザイナー物ならまだしもコレをオリジナル企画で作ってるとこは中々お目にかかれないですね。


セレクトショップのオリジナルの位置付けって、いわゆるインポート商品だけでは完成しないスタイリングを補完する役目が昔からのウチのスタッフの認識だったと記憶してます。でもこのシャツ企画はその概念を吹っ飛ばして新人もベテランもスタッフみんな良いよねって。

ここ最近でスタッフ達が自腹で買ってオシャレしてて、しかもたまに着用が被る商品ってなかなか無いと思います。

勿論ディレクター、バイヤー達が先端の情報と共に世界中から集めるインポートやオリジナル商品は我が社の顔となりとっても大事なモノです。

ただ、このコロナ禍という稀有な状況となり色々な制限が設けられる世界で、店舗で販売するスタッフ達の境遇にも大きな変革がもたらされました。


リアル店舗で販売する意義、利点。

洋服を試着して、生地を触って、どんな場所にどんな合わせをして行こうかと仲良くスタッフと談笑して、お買い物を楽しむ至福のショッピングの時間ってお客様が本当に求めているんだなって。

そんな現場のスタッフ達や洋服が好きなカスタマーの方々へのリアルアンサー。

それを具現化されたのがこの企画のシャツではないかと。

特にこの状況下でお客様のニーズも大きく変化を遂げました。それでもビームスドレスは今までのお客様を大切に、ブレずにネクタイを筆頭としてドレス商品をご用意しています。ただ、店頭ではお客様の求める物にお応えが出来ない事も増えたのも事実ではありますね。


私は8年間商品企画をしていましたが、展示会や商談、会議、資料作成等日々業務に追われてしまい現場の情報や状況から離れていってしまうんですよね。それが怖くて毎週意地でも時間を作り1日丸々店頭に立って直接お客様と接して販売をしてました。

チラッとお店に居てスタッフにヒアリングしただけでは駄目なんですよね。1日かけてお客様の動向を定点観測し、実際に接客してお話をして自分の作った商品が満足頂けるか検証をする。

すごく大事です。ただ実践継続するのは至難の業。それで自分は企画寿命を縮めた気もしますし。

だからこそ現場のスタッフ達が自発的に商品化して、思い入れを持ってカスタマーの方々へ熱い販売をする。

広い売場で大量にバリエーションを見せてお客様に好きな物を選んで頂く。今まではそれを望まれてましたし、それが専売特許みたいなモノでしたが。そんな時代はもう違和感を感じちゃいますよ、結局在庫抱えて大変だし。

苦境を乗り切る為に減収増益を念頭にアパレル会社はどんどんリアル店舗を減らしています。その反面、EC販売が全盛となりましたが、リアルの重要性を再認識され実店舗にお越しになる方も確実に増えてます。



このオリジナルシャツには、今現在のお客様と洋服屋を繋ぐ役割を担う重要な要素を持っているのではと。

コロナ以降を考えていくと、今後は更に商品のバリエーションは減らさないといけなくなるかも知れません。値引きをせずともお客様にお買い上げ頂き、大切に何年も着て頂けるオリジナリティ溢れる商品を現場のスタッフが作り上げていく。数ではなく質で勝負をしていく。

その為のラストピースは売り場にしか存在せず、それらを見つける事が出来るのは売り場にいるスタッフだと私は信じてます。


題名は80年代半ばに英国でカルト的人気を博したSさんグループの傑作のひとつ。

ギターの奏でる華やかで軽やかなサウンドの反面、ボーカルの歌う歌詞は非常に内省的で文学的。女性に愛を伝えるのに、好きと言うんじゃなくて君と一緒にトラックに轢かれて死にたいって調子なもんで。当時イギリスではハマり過ぎた女性達の内省的な行き過ぎた行動が社会問題になったって位でしたし。私も高校の多感な時期に聴いちゃったもんだから、そりゃあヤバかったっすよ。


心に苦悩を抱えた少年。茨は苦悩そのもの。


インターナショナルギャラリー ビームスオリジナルシャツに、Sさんボーカルが歌う内省的な歌詞の様に現場のスタッフ達が今現在抱える苦悩と、ギターが奏でる華やかなサウンドの様に純粋無垢な洋服バカ少年たちの未来への希望を、私は銀座の片隅で垣間見た気がします。




それでは銀座でお会いしましょう。


新井


火曜金曜20時定期投稿です。

You are a natural color

今晩は、銀座店の新井です


このブログを書いてる10日、本日は東京の最高気温39度。

自粛要請もあり流石に銀座も人はまばらですね。

億劫な出勤も真夏らしい曲で軽やかにいこうと表題をリピート再生。

この曲って曲調は華やかで、イントロが爽やかな感じで使われる事が多いですが歌詞は実は切ないんですよね。


天然色とモノクロームって表現が頭から離れなく、今の気分で秋冬に着たい洋服の色もそんな感じだなぁと。


ベージュ、グレー、ブラック

この3色が今の雰囲気で良いよなぁと。


今月入ったシャツで正にストライクなシャツがいましたね。


フォルミコラのオーバーサイズタイプのウールシャツ。色もモノクロームなオフホワイトとブラック。

こんな感じのテイストってここ数年に飽きるほど見て、何なら企画して作って着てきましたが、

イタリアのカミチェリアが作るとまた別格で唸りますよね。


少し小ぶりのレギュラーカラータイプですね。最近カジュアルシャツで増えてますが、これがまた比じゃない。極細2ミリ幅ステッチで恐らく25位の運針。襟先まで全くパッカリングが出ずにすごくキレイ。襟腰後ろまで首にキレイに沿う曲線。しかもコレだけキレイなのに絶妙に柔らかい芯地。大体は柔らかいけどパッカリングで雰囲気を誤魔化すか、硬い芯でカチカチになるんですよね。襟のしなやかでキレイな曲線だけでイイ仕立てのシャツ着てるなーと直ぐに分かります。

生地の特性を考慮しながら誤魔化さずに適度なスピードでミシンを踏める良い縫い職人の仕事ですよね。大量生産じゃこうはいきません。



しかも袖は後付け。着た瞬間に分かる腕周りの着心地。

こんな仕様今どきのトレンドブランドじゃ見た事無いっすよ。

カフスも小ぶりで芯は同じく柔らかい。



更には身頃サイドシームから裾にかけての巻伏せの極細ったら。

シャツ屋はこの脇縫いが腕の見せ所。良い仕事してます。

1枚で着てもサイドシームが巻いているので着心地は勿論快適です。更には裾出しで着てる時にこの横顔でラフなんだけどめちゃくちゃ良いシャツ着てるなって分かりますよね。素材も綾織りのウール素材。高番手糸でふわふわの生地が出すドレープ感はすごくエレガントなシルエットになりますね。


カジュアルセクションで毎年展開してるオーラリーのフィンクスコットンシャツもすごく良いのでどちらを買おうか非常に悩みますが、こちらは何ならドレススーツでスタイリングも出来るってトコが良いですよね。

形は今時のオーバー気味シルエットながら服好きのチトうるさいおじ様方も唸らせる極上ドレス仕立てってのが刺さります。シャツ1枚のどシンプルなスタイリングでもこれなら銀座8丁目辺りの夜の蝶達もなびくんじゃないですかね。多分。



曲は80年初頭に発表の日本語ロックを担ったはっぴいな方のソロ曲。マツさんが作った内容が実は若くして亡くなった妹さんを想う気持ちを綴ってるんですよね。喪失感で想い出全てがモノクロームに見えるって表現は聴けば聴くほどに涙腺がゆるみます。歳を重ねて苦渋を舐める様になって少しは大人になる事を身に沁みて、ようやくこの名曲に心が響く様になりました。

そのエイさんもお亡くなりになってしまって、、偶然見つけた無料動画でその弟子とも言えるタツローさんがこの曲をカバーしてるのが上がってて膝が震えました。いや泣けたっす。マジ泣けたっす。達ちゃんスタイル具合にマジ泣けたっす。


この人の曲ってどれを聴いてもイントロで胸がキュンって切なくときめくんですよね、いい歳になったオッサンでも。晩年のリアルタイムで聴いたヤツも最高でした。


エリコのオーバーウールシャツは、そんなおセンチな私を優しく包む、

優しさと切なさと心強さとモノクロームを感じる夏の終わりと秋の始まりにそっと心の側に寄り添うお品。


エイさんの当時の写真ってモノクロでシャツ着てる姿が多いので、こんなシャツを着ててもきっとお似合いな筈です。


それでは銀座にてお会いしましょう。


新井


火曜金曜20時定期投稿です。




変貌していく男

今晩は、銀座店の新井です。


最近はご来店のお客様が少なくなりましたが、有難いことに沢山のお電話でのお問い合わせを頂いております。店頭のご案内もしながらになりますのでお待たせしてしまう事が多々ございましてご迷惑をおかけしております。


昔からお店へのお電話は非常に多く、てんやわんやでしたね。なんなら電話の子機を戻す暇も無いので

ずっと携帯してましたね。その当時に、今は新宿店のレジェンドのI先輩はあまりに多いので電話で話しながら他の電話にも出ちゃってて、慌ててました笑

その前のめりの接客姿勢に感服致します。

そんな感じでお電話にて問い合わせの多いブランドが


このオーベルジュです。


まずこの黒地に白抜きのタグにやられました。フォントやタグの形状でブランドテーマを非常に的確に世界観を表現しているなぁと。

1番刺さったのは男女問わず大人気となっているバスクボーダーですね、やはり。 しかもモデル名がシャルロットですもん。フランスにかぶれた事が洋服屋は一度はあると思うので、そんな人は名前だけでトキメキますよね。これまた上手いなぁと。

今まで生きてきた中でこんなすごい糸使ったバスクは見た事なかったですね。

これだけ上品な光沢としなやかで滑らかな肌触りなのにしっかり耐久性抜群のハリコシのある感じ。

スーツ生地で言えばカルロバルベラと同じ衝撃でしたね。ロロやゼニアじゃあこの感じはないんですよねー。

とことん突き詰めて原価が上がろうが限界まで最高の素材を使っちゃう熱量が一目で分かる逸品。

そしてデザイナー本人が動画で熱くその熱意を直接カスタマー達へ語るという姿勢。電話口でのお客様の購買意欲も高いはずです。

永い時間の洗練を受けて、それでも残っている古き良きヴィンテージモデルを再現しているのも琴線に触れますね。


もうこの時代、取っ替え引っ替え服は必要ありませんしね。自分が惚れ込んだ時代を越えた良いものを大切に着たいっすよ、洋服屋も。

弊社での洋服作りは離れましたが、改めて本当に皆さんが着たい良いものを作りたいって思いました。

豊かな環境の中で様々な企画を行ってきましたが、多様化し過ぎて方向性に迷い、ここ最近の目まぐるしい洋服業界の変化に心をのまれてしまい、1度は完全に身を引く事を考えちゃいました。そんな中でこのオーベルジュってブランドは洋服を作りたいって気持ちを呼び覚ましてくれたと思いますね。



表題の言葉はポール兄さんが90年代半ばに復活の狼煙をあげた魂の雄叫び。

パンクムーブメントにネオモッドとして若き衝動をかき鳴らしたトリオ、次にブラックコンテンポラリーに傾倒して多岐に渡る音楽を鳴らしたユニットを経て、その後次第に引退寸前までの低迷を経験する兄貴。

それでも音楽しかないと再び表舞台に復活を遂げた彼は、「俺は変貌していく男だ」と雄叫びをあげました。



オーベルジュの小林さんも私としては昔からスロウガンでお馴染みな感じでしたが、数年前に新しく生み出されたオーベルジュというブランドであげた魂の雄叫び。変貌していく男。

丁度オーベルジュではコート企画で兄貴のユニット時代のフレンチアイビーを語っていましたので、私の邪推の様な勝手なこじつけもなんだか偶然じゃない気がしてきました。


そんな御二方に勝手ながら背中を押されて、私も洋服業界で生きていく復活の雄叫びを銀座からあげていこうと思います。多分聞こえないくらい小声だと思いますが。



それでは銀座でお待ちしております。


新井



ブログ投稿は火曜金曜20時定期投稿です。

ゴートヘッドスープ

今晩は、銀座店の新井です。


銀座店のドレスフロアってモードテイストの商品達も混在する結構カオスな魅力の秘めた売り場だなって改めて思います。都内だと同じ様な商品構成の店舗は原宿か六本木ヒルズ位になりますかね。


久しぶりに帰ってくると、ビームスのドレス売り場ってクラシックとモードの振り幅が大きくてやっぱりカオスだなって。


そんなカオスなアイテム達もちょこちょこ新入荷もしてきてます。その中でもこれは間違いなく欲しいヤツですね。


ノーカラーのゴートスエードジャケット。ごぞってスタッフも着用してるヤツです。うちの店だけでも3人購入してます。

シンプルなアイテムでリアルスエード素材でイタリア製なのにこのプライスは非常に魅力的。


職業柄、企画もやってたのもあるのでテーラードジャケットの歴史的な変遷を調べたりするものなのですが、ラペルレスジャケットはよく分からなく、曖昧な感じしますね。


この数年だと巨匠デザイナー、マルさんのノーカラージャケットが有名でしょうか。ここ数年はジェンダーレス化もあり一般的になってきてますね。

で、、ぼんやりと見えてくるのはノーカラージャケットが一躍日の眼を浴びたのは60年代のイギリスの世界イチ有名なロックバンドさんの衣装ですかね。彼らが着ていたのはラウンドタイプのノーカラーでしたが。


ピエールさんがその衣装をデザインしたのは誤解みたいですが、ノーカラー ジャケットデザインの代名詞的な感じはピエールさんのイメージか強いですね。

そのピエールさんの弟子デザイナーGさん、またそのアシスタントのマルさんときての前述の彼のノーカラージャケットと、流れが繋がっているの様に感じます。何となくですが、一本の筋の様にノーカラージャケットの変遷や由来が見えてきた気がしますね。



素材はゴートスエードつまりは山羊革

巷で流行ってるリモートワーク向けノーカラー ジャケットのダンボールニットジャージー素材とは対極の素材。

時代性を象徴するデザイン、シルエットながら素材は機能性とは対極って。ありそうでなかなか見ないですよ。この素材とデザインのマッチングは。


一見するとシンプルデザインのアイテムですが私的には色々とエッセンスが入り混じり、混沌を内包した非常に惹かれるジャケットです。色々な要素がミックスされ、かつ最終的には研ぎ澄まされ、省かれて削り出されるシンプルさとでも言いましょうか。


表題はヤギ繋がりで

英国の大巨匠ロックバンドの

特に神がかっていた60年後半から70年前半の数ある傑作アルバムのひとつ。


彼らロックおじ様達の音楽ってあまりにメジャー過ぎてロックの入門的な感じで聴き出しましたが、実は難解。

さまざまな楽器が入り乱れながらひとつのグルーヴを紡ぎ出していく感じ。ブルース、ソウル、カントリー、フォークなどのルーツを掘り起こして、更に様々な形で咀嚼して産み落とすオリジナリティ。

多量の情報が混在しごちゃごちゃした多層的ながら

アラベスクの様に組み上げられている綿密な音楽。


ガキンチョが一聴してもよく理解出来なかったっすよ、難解で。ミックおじ様の声は耳にまとわりつく感じでちょっと嫌でした。

でも聴いていく内に、霧が晴れていくようにごちゃごちゃしていたものがシンプルなひとつの線の様に感じてくるんですよね。

それがロックという大衆音楽のひとつの高みに到達するものではないかと。



このノーカラーゴートスエードジャケットは、一見シンプルながらも勝手な私の解釈ではそんなロックおじ様達の音楽が聴こえてくる様な気がする逸品。


実際にキースさんやブライアンさんが当時着てそうな感じがしてきました。


それでは銀座でお待ちしております。


新井




見つめていたい

今晩は、銀座店の新井です。


東京都は大変な状況となってきました。

なのに朝の電車は今日も満席、、

皆さんも無理をせずにオンラインショッピングを楽しんで下さい。

そんな時間潰しのブログ投稿をしていこうと思います。


今回は身の上話でなんとか繋ごうかと。

この春までは商品企画を長い間やっておりました。










こんな感じのとあるレーベルのドレスアイテムを中心に企画デザインをしていました。意外と全国的にみると馴染みのある方も多いかも知れませんね。


海外生産を軸にビームスの中でもこのレーベルは生産数量が1番位に多かったので、

①ビームスらしいトレンドとクラシックの共存

②万人にお求めやすい大衆性

③ビームスファンを裏切らないクォリティの維持

これらを念頭に全然手が抜けず大変でしたね笑


日本を筆頭にアジアの諸国の工場を廻って良い物作りが出来る様に全力を尽くしてきた気がします。

何ならドレスの物作り極めてきたのかなぁとか調子の乗ってたかも知れませんね。


でも久しぶりに店に戻ると、改めてこのブランドにはまだまだ自分はガキンチョだと思い知らされました。


もうみんなこのブランドはお馴染み。スタッフもみんな着てます。天邪鬼なので距離感出してましたが、、

分かりやすくこれはそう簡単には真似出来ないなって改めて痛感しました。

誰が着ても、着た瞬間に感じるカッコいい。着やすい。と感じる事の出来るジャケット

語ろうと思えばいくらでも。でも語らずとも羽織って頂ければ直ぐに分かるイタリアナポリ仕立てのジャケット。


超絶に感じるのはパターン。私もパターンをかじっておりますがスマートに美しく魅せる肩周りとダキ周りながら、余分な逃げがなく非常に着やすい型紙はアットリーニ家の至宝ではないでしょうか。そしてその型紙を存分に表現する縫製技術。



どうしても国内縫製では再現が不可能なイタリア人の秘伝の技術。出来れば譲って欲しいです。


表題は80年代にイギリスで風靡した有名なトリオバンドの代表曲。 彼らって結成前から豊富なキャリアをもつやり手のメンバーなんですがそんな技巧派の3人があえてシンプルな大衆然とした曲を奏でた意味。


これ見よがしに多くを語るのは野暮。万人が直感で良いと思えるモノの背景には実は卓越した技術が隠れてるものなんですよね。


ナポリ仕立てのジャケットはいつまでも見つめていたい至極の美しさでした。




是非銀座店にて堪能しにいらして下さい。

では、銀座にてお待ちしております。


新井




ブラックバード

今晩は、新井です。


正直申し上げて

ブログの内容が煮詰まっていない、、でもありきたりな商品紹介ではイマイチ、、

なので思い切って洋服屋として浅〜いんだけども洋服を語る、ちょっとは時間潰しにして頂ける内容で書いていこうと思います。

銀座店勤務に復帰してすぐ、

これには心を持っていかれました。


特にこれです。

このモデルを見ると、、

アメリカブランドのオリジナルモデル

アバディーンラスト

タッセルローファー

しかも弊社別注の

アルパインカーフのブラックカラー


これには心を持って行かれました。

今では特徴の1つであるヒールのステッチ仕様


「フォクシングステッチ」

オリジナルのブルックスさんではオールデン製は無くなりイタリア製になってしまったので、このステッチ仕様のモデルはもはやビームスのみとなったみたいですね。

近い未来にビームスステッチと呼ばれそうですね。実際にオールデン社では既にビームスステッチと呼んでいるって話です。

このヒールステッチ仕様のタッセルを現行で買えるのはビームスのみ。

これだけで男たるものトキメキが止まりません。この別注仕様を自慢したいが為に買いたくなってしまうのは男子のさがかも知れませんね。


先日も店頭で接客した何処かのお洒落な洋服屋さんのオジサンが、

「このステッチ仕様に別注でして欲しいんだけど、ビームスさんと違ってやってくれないんだよなぁ」

ってボヤいてました笑


このアバディーンラスト特有の短めで丸みが有りながらもちょっと2枚目な先細りのアーモンドトウ。

ちょっとだけシャープな程良いドレス感とオールデン特有のファニーな丸いじゃがいも感が奇跡的に共存する木型。

このヒールのビームスステッチもいつ無くなってしまうか心配ですね。そんなとこも含めてオールデンの魅力なんですが。


今ならガバッとバスクシャツ着て、ホワイトの5ポケットパンツでこの靴を合わせたいですかね


欲しい物をどう着るか?そんな話に花を咲かせる接客なのか楽しい遊びなのか分からないお店でのひと時がたまらなく楽しいですよね。

美味しい銀座ランチと一緒にお店に物色しにいらっしゃるのをお待ちしてます。私とのおしゃべりも漏れなく。


では銀座でお待ちしております。


新井







帰郷

全国のビームス 銀座 クロージングブログファンの皆様、

8年ぶりに銀座店勤務に返り咲きました新井です。


この8年間は弊社のとあるクロージングウェアのレーベルの商品企画をしておりました。


そして長い8年間の旅路の果て、やはり私の疲れ果てた心を癒してくれたのは

銀座店でした。




2004年、2011年、そして2021年と

3度目の配属となりました。




奥行きのあるメインフロアに続く通路も




圧巻のドレスシューズコーナーも


10年近く経っても変わらないんですね。笑




でも変わってる事も勿論ありました。


その中でも1番驚愕したのは

ドレスシューズの値上がりですかね。




値上がりはしても

また私のハートを撃ち抜いた

傑作の靴がありました。


長くなってしまうので

靴のお話は次回にしようかと。


まずは銀座店に新井の復帰のご報告となりました。


昔と違い銀座店も今はのんびりとした雰囲気で営業しております。

慌しくではなく、ゆったりと楽しく洋服の会話を弾ませてお買い物をして頂ける

昔ながらのセレクトショップに戻ったような気分です。



それでは銀座にてお待ちしております。


新井