皆様こんばんは。
ビームス プラス 有楽町の鈴木です。
1年ぶりのブログ更新となります。ALDENファンの皆様、大変お待たせ致しました!
入荷のお知らせを出来ることを大変嬉しく思いますが、初めに少し気が重いお話しをお伝えしなくてはなりません…。
※皆様へ重要なお知らせがございます。
世界的な原材料高騰、生産、物流コストの更なる上昇、為替の影響を受け、今回ご紹介させて頂くモデルより販売価格を改定させて頂きます。また8/19(土)より一部モデルも販売価格を改定させて頂きます。何卒、ご理解ご了承を承りますようお願い申し上げます。
Vol.8から早1年…。前回に引き続き価格改訂のお知らせになってしまい、大変心苦しく思っております。ALDENに限らず、当店で取り扱いブランドの多くが事実上の値上げが相次いでおり、企業努力だけでは限界がある事をご理解頂ければと思います。
既に私は涙目になっておりますが、気分を切り替えて明るく元気にお伝えしたいと思います!
先月末に念願叶いBEAMS PLUSバイヤーチームに同行し、マサチューセッツ州のミドルボロウのALDEN本社を訪ねる事が出来ました。ALDENと出会って四半世紀。私にとって、いつか必ず行かなくてはならない場所として夢にまで見た聖地。遂に夢が叶いました!
マサチューセッツ州の州都であるボストン中心地より、車で1時間ほど南下した距離にあるミドルボロウ。クランベリージュースで有名なオーシャンスプレー社の工場があるこの地で「ALDEN SHOE COMPANY」は1884年に創業しました。工場は発展を続けながら移転をしますが1970年代に再びミドルボロウに戻り、以降この地で革靴を作り続けています。自然豊かな本社工場の近隣はこの数年で住宅が増えているようですが、コロニアル様式の住宅が点在し牧歌的な田舎町といった雰囲気が印象的でした。

ALDEN本社を訪れた目的は2つ。工場内の生産状況を確認する事と、新作のBEAMS PLUS別注モデルの商談です。現副社長のボブ・クラーク氏と、ボブ氏の子息コナー氏に工場内を案内して頂きました。工場は100人規模の大きさを誇り、200以上ある工程を分業し効率的に生産されています。天井が高く工場内は年季の入った大小の機械が点在し、各工程毎に職人達が黙々と作業をしています。(工場内は写真撮影禁止の為、私の拙い文章のみで大変申し訳ございません。)
広い別室にはレザーのストックと検品を行うセクションがあり、初老の職人が革の厚みやコンディションを入念にチェックしていた姿が印象的でした。数多く積まれたレザーストックの包み紙に「HORWEEN」の文字を見るだけでテンションが上がります。(笑)担当の職人の方が特別にシェル・コードヴァンを見せて頂き、繊維の向きで色の濃さが違うのでクリッキングは最善の注意をしている事などを説明して頂きました。
圧巻だったのは工場の中央部にあるアッパーの縫製をしているセクションです。15m程の真っ直ぐなベルトコンベアを挟むように、左右にミシンや小型の機械が並んでおり、そのコンベアの上を部品を入れた黄色いカゴが頻繁に行き来しています。指示役の職人が各担当に部品やレザーの入った黄色いカゴを送り、作業を済ませた後は黄色いカゴをベルトコンベアに乗せ次の工程に送るという非常に合理的で効率的なシステムです。ミシンの縫製作業は女性職人が殆どで、迷いもなく次々にアッパーの縫製を手際良く行う様がとても印象的でした。
続いては1番楽しみにしていた、ペニーローファーのスキンステッチを行うハンドソーイングセクションです。3人の職人がペニーローファーのスキンステッチを熱心に手際良く行っており、非常に繊細で集中力が必要な作業だと感じられます。3人中1人が男性で、20代くらい?の若い職人でした。熟練工の女性は多い時でこの工程を1日に20ピースこなす事が出来るそうです。この数年パンデミックの影響と熟練工の退社で、ハンドソーンモデルの生産数が低下し流通量が激減していると、都市伝説かの如くまことしやかに囁かれておりますが、お話しを伺っていると噂どおりのようです。ただ、それ以上に世界的にハンドソーンモデルのオーダーが増加し、生産が追い付いていない事が理由なようです。このセクションではスキンステッチの針でアッパーの角がボロボロになったVANラストと、スキンステッチの施されていないラスティング済みのペニーローファーを見れた事も収穫でした。(写真が無くお見せ出来ないのが残念です…。)
ALDENに関しては皆様のお察しのとおり、不安定な納期が課題となっておりますが、工場内には各オーダー毎に1列3ペアを並べられる幅で4段(1ダース分)の木製のラックをよく見かけます。その木製ラックが各作業工程を巡って一足の靴として完成していくのですが、各工程毎に作業待ちの木製ラックが所狭しと並んでおり、世界的なオーダーの増加が納期遅延に影響している事は間違いないようです。アメリカ内需以外ではイタリアをはじめとするヨーロッパのオーダーが増加しているそうです。オーダーから納品まで1年以上を要するケースが定番化していますが、制作現場を目の当たりにし、手間を惜しまず時間をかけて作られるALDENシューズにはある程度致し方ない状況だと納得できました。いくつかの完成間近の別注モデルも確認出来ましたので入荷を心待ちにしたいと思います。
今回の出張では、2024年で25周年を迎える我らBEAMS PLUSの周年記念スペシャルモデルのオーダーもしてきましたので、そちらもお楽しみに。
まだまだ書き足りないのですが、いつまで経っても本題に辿り着けないので、この続きはまたの機会に…汗。
それでは参ります!
マサチューセッツシューズミドルボロウより朗報が届いております!

◾️ALDEN LONG WING TIP CORDVAN
品番:38-32-0001-339
サイズ:US5H-10H
価格:¥173,800- (税込)
しばらく在庫が欠品しておりましたが、大人気モデル「975」の久しぶりの追加入荷です。W字状のブローキングがバックステイまで伸びたアメリカンブローグ(ロングウイングチップ)と呼ばれる、アメリカントラディショナルシューズを象徴するモデルの1つです。コードヴァン#8の魅力と共に存在感のあるパーフォレーションパターン、「バリーラスト」のオーセンティックなフォルムとダブルレザーソールのボリュームは、アメリカ製シューズの中でも唯一無二の存在です。ドレスからカジュアルシーンまで幅広く網羅する汎用性の高さも魅力的です。
「975」のモデルナンバーでお馴染みのモデルですがBEAMS PLUSではオーセンティックな「975」を崇敬し、基本的な仕様は変えずヒールパッドの刻印のみ別注仕様にしています。「bpr」とはBEAMS PLANNING ROOMの略。20数年前BEAMS PLUS設立の一役を担った今は無き部署のロゴを継承し、現在まで使用しています。(BEAMS PLUS別注モデルには全てこの刻印が入っております。)
如何でしたでしょうか?
ALDENのラインナップの中でも、拘りを持って長年作り続けられている代名詞とも言えるモデルです。是非この機会にご検討下さい。
※ご紹介させて頂いたモデルは8/19(土)より、下記の店舗で販売致します。
◾️取り扱い店舗
サイズに限りがございますので、取り扱い店舗にお早めにお問い合わせ下さい!
今回は1型のみのご紹介でしたが、近日中に新たな入荷のご連絡が出来ると思いますので、準備が整い次第ご報告させて頂きます!
BEAMS PLUSのラジオ局「プラジオ」内の「TRADMENのAll Night BEAMS+ #29」で、アメリカ出張の模様と一部ALDENについてお話しさせて頂いております。アメリカの空気感を感じて頂けたら幸いです。是非ご視聴下さい!
それでは皆様のお問い合わせをお待ちしております!
不定期ではございますが、次回の「ALDEN of BEAMS PLUS」をお楽しみに。
鈴木