さて、トレンチコートと言えばボガートとなり。映画はもちろん『カサブランカ』なのですが、個人的には『麗しのサブリナ』の方が先にボガートを認識した映画だったりします。
昔のアメリカ映画は芝居の台詞回しに味があるなと、20代そこそこの若輩ながらに感じていたものですが、和訳の凄みを感じることも多くありました。
ちょうどギリシャ哲学を学んでいたせいもありまして、よく原典と英訳と和訳の3通りでテクストを読まされたものです。すると訳者が原典をどのように解釈したのか、それが的確なのか、それとも少し踏み込んだ解釈や理解なのかが見えてきたりします。時折学生たち同士で、あれは「超訳」と冗談で言ったりしたものです。
それは映画にもつきもので、先だってもお話した「君の瞳に乾杯」は代表的な「超訳」と個人的には考えています。間違い無く最高の和訳でしょう。
『麗しのサブリナ』も原題は単に『SABRINA』なんですよね。現代人はなかなか使わなくなった表現かなとも思いますが、「麗しの」と付けた当時の方の、語彙とセンスには脱帽しかないなと惚れ惚れします。
こんにちは、石原です。
先週公開したブログに引き続き<AUBERGE × Brilla per il gusto>は新作のトレンチコート「BOGART」のご紹介です。
簡単に前回のサイズ編を振り返っておきますと、
身長168cm、体重62kg。大体スーツやジャケットは44を着用する私が、スーツの上から38を羽織りました。
一般的なビジネスシーンやプライベートでの着こなしは、こちらのバランスが最適かと思います。
さて、いよいよ本日のメインとなるコーディネート編です。
私がネービースーツで着用していたので、ジャケパンスタイルを提案してみようと思います。
インナーに羽織ったジャケットは<BEAMS F>レーベルの新作です。

BEAMS F / HARRIS TWEED チェックジャケット
カラー:ベージュ
サイズ:42~52
価格:¥93,500(税込)
商品番号:21-16-0019-731
ベージュのグラウンドが柔らかな印象を与えつつ、イエローのウィンドウペーンが華やぎを添えていますね。

ハリスツイードらしい厚みのある、ザックリとした風合いは、真冬の時季にタートルネックニットと組み合わせるのも良さそうです。
Vゾーンの構成は
BEAMS F ツイル タブカラーシャツ
カラー:ベージュ、ライトブルー
サイズ:37〜43
価格:¥18,700(税込)
商品番号:21-11-0027-563
GIERRE パネルストライプタイ
カラー:ブラック、グリーン、パープル
価格:¥16,500(税込)
商品番号:21-55-1415-343
個人的に今季イチ押しの<BEAMS F>はツイル生地のタブカラーシャツ。デニム系の色とも少し異なる、味わい深いライトブルーの色は、ブラウン系のジャケットとの相性が抜群に良いですね。ちなみに同生地の色違いでベージュも展開しており、どちらも欲しくなる、そんな悩ましい存在です。
ネクタイは色々な候補がありますが、私はオリーブグリーンとゴールドの組み合わせが、派手過ぎない程度にアクセントとなる、こちらのネクタイにしました。何だかんだでグリーンがコーディネートに入りやすいのは、単に好きな色だからなのですが、ネクタイの色柄のチョイスは、締める方の個性が特に出るポイントかなと思います。楽しむことが大切ですよね。
ボトムスも色の繋がりを意識しました。
今やこのブランドを代表するモデルに育った「GENTLEMAN FIT」より、膝下がワイドなバランスで裾まで落ちるシルエットのタイプをチョイスしました。
通常のテーパードシルエットのモデルでも勿論大丈夫ですが、雰囲気のあるコートに合わせて、パンツも視覚的に雰囲気強めに合わせております。
とは言え、<PT TORINO>のバランス感覚は流石で、変に野暮ったい太さは感じられず、生地の風合も相まって、とても都会的で洗練された風情を醸してくれます。
ジャケットがハリスツイードの生地ですし、あまりゴリゴリにならない様に、パンツで素材感を控えめにするのも大切ですね。
なので、足元もこの様に纏めております。
最近展開が始まった、別注の新型タッセルローファー。非常に品の良い面構えで、アメリカンライクな丸みの強いモデルとは一線を画していますね。
もちろん、アメリカンなローファーが悪い訳では無いのです。あくまでどんな雰囲気を狙うかと言う話でして、今回はヨーロッパ的なエレガンスを足元やパンツで演出して、本来はラギッドな存在である、トレンチコートやツイードジャケットと調和を得るのが狙いでした。
気に入って頂ければ幸いです。
「BOGART」に関しては、もっとシンプルにローゲージニットとコーディネートしても、充分に楽しめる、そんな逸品だと思います。希少なコートですが、手に入れられた方は、是非とも色々とコーディネートをお楽しみ頂きたいですね。
あくまで何となくですが、翻訳、或いは研究とコーディネートは通づる点がありそうに感じられます。既に素材があって、と言う意味では料理によく例えられますが、素材をどのように解釈し、自分なりの意味を与えると考えても面白そうですね。それが良い「翻訳」なのか「誤訳」なのか、或いは「超訳」なのかはそれなりの知識や経験も問われそうですね。先ずは先人達の翻訳を参考としつつ、独自の解釈を見出す。まさに研究だなと思えてきますし、更に頑張りたくなって参りました。
それでは、
見る前に跳べの心意気で、
ご来店お待ち申し上げております。
石原
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