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<中村塾>part3

こんばんは

ビームス 二子玉川の小林です。




弊社ディレクター中村による社内勉強会「中村塾」





part1

part2

ではジャケットを作る上でのこだわりをご説明致しました。






本日はパンツについて解説していきます。










⚫︎小股



綺麗に切れ上がった小股は、パンツを作る上で特にこだわっています。



パンツの裏側を見るとウエストから股ぐりにかけて生地を割っていますが、股ぐりは生地を割らずにシックを甘く着けています。



また、生地がズレない様にミリ単位で縫製し、柄も揃える事でシワの無い綺麗な小股になります。

小股が切れ上がっていると足が長く見えます。










⚫︎脇線



側面に膨らみが出ないように足に綺麗に沿っています。

この2つが良いパンツの絶対条件。


BEAMSではこの2つのポイントに特に力を入れています。











⚫︎適正な股上




股上の深さにはセオリーがあります。

ウエスマンの下が腰骨に乗る位置。ココが流行に左右されない適正な股上の深さです。




この位置が最も履きやすいパンツの股上。BEAMSではこの股上の深さを意識してパンツを生産しています。


















⚫︎立ち、座りのパターン




パンツには立ち型と座り型の2つのパターンがあります。




尻ぐりの生地を短くすればシワが入らず、立った時に綺麗に見える。しかし非常に座りづらくなります。

逆にココを長くすれば座りやすいがシワが出てしまう。




立った時でも座った時でも綺麗に見える様に、この中間を狙ってパンツを作っています。











⚫︎S字パターン




日本人はO脚の人が多い特徴があります。

ふくらはぎが当たってシワになってしまう為、アイロンでS字になるようにクセ取りしています。




画像の絵の様に、若干ですがS字に生地を曲げて足に沿う様にしています。




また、ふくらはぎが当たるとシワが出てパンツのシルエットに影響が出てしまう為、裾幅を詰める場合は、ふくらはぎに当たらない様に気をつける事が重要です。













⚫︎マーベルト




マーベルトとは腰裏に着くパーツです。人間の体は曲がっている為、マーベルトにスリットを入れる事で動きやすくしています。




スリットが入る事で、綺麗なシルエットを保ちつつ動かしやすいパンツになります。

この様な部分にも非常にこだわって作っています。















⚫︎縫い代



BEAMSのパンツの最大の特徴です。
内側の片面の縫い代を余分にとる事で、修理で大体1サイズ分生地を出す事が出来ます。



BEAMS以外の既製服ではほとんどありません。体型が変わっても履き続けられる様に配慮しています。


もともとはビスポークのテーラーが行なっている手法で、弊社ディレクター中村が工場に依頼したのが始まり。

今ではBEAMSのパンツは全てこの仕様になっています。



不均等な縫い代で生地を縫うのは非常に大変なのですが、時代や体型の変化に応じてシルエットを変える事が出来る仕様がBEAMSのこだわりです。














BEAMSは、毎シーズンミリ単位で微調整を加えて、着心地やシルエットの良さを追求しています。


また、見えない所には特にこだわり、長年着用して頂けるスーツを目指しています。




10年20年と長年着用するサルトリアのスーツと同じ考えで作るスーツ。


お値段以上の価値があります。

是非一度、お近くの店舗に足を運んで頂きBEAMSのスーツをお試し下さい。








それではご来店お待ちしております。






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<中村塾>part1

こんばんは

ビームス  二子玉川の小林です。




本日は、BEAMSのスーツについてのお話。




先日は弊社ディレクター中村による「中村塾」へ参加して参りました。





BEAMSのスーツのこだわりを徹底解説。





前回作成したブログより更に深掘りしてポイントをご紹介させて頂きます。







先ずはジャケットについて。





⚫︎上襟




良いジャケットの条件として基本の基本として挙げられる首に吸い付く上襟。


襟の形に裁断する方法と、アイロンでクセをとり襟の形に曲げていく殺し襟という方法があります。



BEAMSのスーツは全て殺し襟をしています。




時間をかけて丁寧に襟を曲げる事で綺麗に首に吸い付く上襟が完成します。



現に殺し襟をしていないジャケットは首の後ろに隙間が出来てしまいます。





更にBEAMSのスーツは一枚の生地をアイロンで曲げて襟を作っています。


コレを一枚襟と言います。

襟の形に裁断した生地を繋げた二枚襟に比べ手間がかかります。




しかし、つなぎ目が無い事により生地のごろつきが無く首にピタっとフィットします。










⚫︎麻芯



次に、襟の芯に使われる芯地。

最高級のアイリッシュリネンです。


コットンの接着芯を使用している既製服が殆どですがBEAMSは天然素材にこだわっています。


一番コストダウン出来る箇所にも高級素材を使用。見えない部分にお金をかけるのがBEAMSのこだわりです。




約40万円クラスのサルトリアーレと同じ手法で同じ素材を使用しています。



何度クリーニングに出しても型崩れせず経年劣化させない為には、この様な見えない部分へのこだわりが非常に大切なんです。









⚫︎ゴージライン



上襟と下襟を繋ぐゴージライン

生地を割り、段差の無いフラットなゴージラインになる様に縫製されています。





生地を割るのは非常に大変。割った風に見せるスーツが多い中、BEAMSのスーツはしっかりと生地を割り熟練の職人の手でフラットに縫製されます。


フラットにする事で首に綺麗に沿う上襟となります。




何度も言いますが「細部や見えない部分にどれだけこだわるか」

ココをポイントにしてモノづくりに励んでいます。








⚫︎カラークロス




襟をひっくり返すと見えるカラークロス


多くのインポートメーカーがミシンを使用する中、BEAMSは着心地を重視し手縫いで仕上げています。




手でまつり縫いをする事で、より柔らかい着心地に仕上がります。


日本の職人さんは作業が丁寧なのでミシンで縫製した様な綺麗なステッチですが、しっかり手縫いです。






⚫︎肩のいせこみ




肩の前身の生地に対して、後身の生地を約8mm〜12mm多くしてあります。


余った後身の生地をアイロンワークで曲げて前に持ってくる事で、前肩で着心地の良い肩周りに仕上げています。



BEAMSのスーツは、この肩のいせこみを多くとっているのが特徴。

肩甲骨の出っ張りをカバーする為にも後身の分量は必要なのです。







⚫︎アームホール




*画像左が<BEAMS F> 右が<Cesare Attolini>



ご覧の通りアームホールは、楕円では無く「そら豆型」に設計されています。


前肩の部分にスペースを作る事で着心地の良さを向上させています。



人間の体に沿うように計算された「そら豆型」のアームホール


この形状が非常に重要なのです。







⚫︎アームホールのいせこみ




肩のいせこみ同様、アームホールもいせこみの分量を多くし綺麗なカミーチャを表現しています。


アームホール一周に対して約1.8cmもの生地を多くとって袖付けを行なっています。




前肩になるように生地を前に持って行っていせこむ事で体にフィットし着心地の良い肩まわりになります。




殺し襟をして、首にピタッとフィットさせ肩とアームホールのいせこみ分量を多くとる事で前肩のスペースを作ります。








全てが連動して綺麗なシルエット、着心地の良いジャケットが出来上がります。









次回は胸のボリュームの出し方からご説明致します。(part2はコチラ





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