ご機嫌いかがでしょうか、銀座店の新井です。

久しぶりのツルタパイセンからのお便りがきっかけでご祝儀買いのスーパーウルトラワイドスウェットパンツ。ウエスト120センチに裾幅37センチって。そこにヒールブーツを履くわたくし。
どうやら本日は大正ロマンな、はいからさん接客になりそうです。
突然にパイセンからこんな素敵な画像が送られてきまして
やっぱり嬉しいもので、翌日には会いに行ってきました、外苑前。
あまり詳しく載せると怒られそうなので。
フラッとお土産渡してサクッと試着もしないで買って帰る漢買いで行こうと思ってましたが、あっという間の2時間滞在という買い物なのか、井戸端会議なのか、おじさんの寄り合いなのか分からないけどメチャクチャ楽しいし、刺激を受ける体験。
コレなんですよ、今のこのつまらない日常から解放される時間の使い方。変な邪魔も入らずにしっかりと来店客と真っ向に向き合い接客をし、ゆっくりと時間をかけてお互いの壁を融解していく洋服を介するひと時。今や個店が調子が良いという話も納得しちゃいますね。
高校生の頃、チャリでぶらつきながら宇都宮のセレクトショップを必ず2軒ハシゴする毎週のルーティーン。ショップのオーナーやスタッフと何なら半日位店内でまあまあ下らない話から映画まで様々な話題で盛り上がり、何ならついで買いでオススメの洋服を買うという意味が無いけど最高に贅沢な時間の使い方だと今なら感じちゃいます。
ツルタパイセンに会いに行ったらおんなじ様な流れかなーとは予想してましたが。やっぱり予想通り、いや、予想以上の2時間滞在でした。それでも1番うるさくてゲラでずーっと喋ってたのはワタシでしたが。
このワイドスウェットパンツはパイセンも河上氏も、みーんな履いてる感じなので、制服コスプレみたいにワタシも仲間入りです。週2回は履いちゃいそうです、これ。今まで生きてきた中で1番幸せになれるワイドパンツです。
そんなワタシの幸せな日と同じ様な体験が出来るイベントが今月末開催のオーベルジュ先行予約会。しばらくは宣伝も兼ねてこのブランドの話で。

2月25,26,27日は銀座店オーベルジュ先行予約会です。
※このご時世ですので急遽延期、中止になる可能性もございます。
流石に直前にならないと秋冬サンプルは到着しないのですが、前回もサンプルでオーダー可能だったこのシャツが今季は展開されて入荷済みです。
見た瞬間に感じたのは、ギャザーがたっぷりと使われたエレガントなふんわりシルエットで、それこそ1995年位にミニシネマ系で上映されてて、食い入る様にそのファッションに引き込まれてしまった19世紀フランスの詩人達の服装に出てきそうだなーと。映画作品自体はカリスマ的で破滅的な若き才能溢れる詩人とそれに惹かれる中堅詩人のジェンダーレスな内容で、当時北関東の高校生だった私には本当はピンと来ないけど、そのファッションとかインディー系映画を観るという行為自体に浸る事がステータスだったのだと思いますが。
ただその後も、中世の芸術的な偉人達を綴る映画を沢山観るのですが、内容よりもやたらと惹きつけられたのはその当時を再現する衣装達だったんですよね。丁度その19世紀を跨ぐ西洋での男性服はフロックコート、白いシャツ、蝶ネクタイ、ステッキにシルクハットという装いが一般的。
多分同じ時期のフランスヴィンテージでもよく見られるケープみたいに正方形の生地をギャザーたっぷりでシャツ型に成形したシャツを元ネタに作られたのがこのモデルみたいですね。

AUBERGE/PHILLIPPE
カラー:ホワイト
サイズ:38,40,42,44
価格:¥31,900(税込)
商品番号:24-11-2076-608
こんな無駄にギャザーを使うシャツ見た事無いです。更には微起毛が最高の肌触りのシェブロンマイクロピーチ生地。贅沢なデザインに贅沢な生地を重ねて、今のトレンドなど全くお構いなしで普遍的なヴィンテージ服をオマージュするという振り切り様はこのブランドの真骨頂。
着てみたらやっぱり欲しくなっちゃう最高のエレガントシャツでした。日常に着れるシンプルさとか、頑張り過ぎてない感じとか、なのに着ると気分を高揚させる贅沢さとか。流石にもう機会は無いですが、合コンに参加する際にはスーツ着て、その後にランチデートをするのならばこのシャツでサラッと爽やかさと大人の上質さを演出したい。オッサンのバカな妄想さえもさせてしまう幸せのスーパーエレガントシャツ。
他にもシャツのモデルだけでも何型も有るので、先行予約会当日に向けて期待で胸がときめいて仕方がありません。
表題は95年の詩人2人の破滅的な生き方を描いたイギリス映画の冒頭に響く一曲。映画音楽ならではのバイオリンを主とした弦楽器により、物語の行く末を悲哀に満ちた旋律で奏でられるバックミュージック。主人公を演じる青年詩人の衣装から容姿そのものまで全てが美しいんです。その数年後に彼はハリウッド大作で豪華客船の先端で女性と両手を広げて立っちゃうんですが。
私的にはその垢抜けて成熟する手前の、少年と青年の狭間の世代に演じたこの皆既日食映画のが断然に良いと思えるんです。少し狂気のはらんだような儚さとか危うさが入り混じる成人手前の瞬間がやたらと惹きつけられます。その演技と映像、音楽とがリンクしてその刹那でしか成し得ない美しさといったら。その美しさを表現するのにひと役を買ってるのが彼が着ているドレープの美しいギャザーたっぷりの白いシャツ。
白いシャツってこんなにも人を凛々しく、美しく、そして繊細に魅せる事が出来るのかと。なんせ100年以上も人が装う為に変わらずに存在し続けてますから。
彼が作中で着る、太陽と月に背く様に真っ黒なフロックコートと相反する白いギャザーシャツは、言うなれば太陽が解ける海の様に永遠なんだと思います。
それでは2月25,26,27日の銀座店オーベルジュ先行予約会にてお会いしましょう。
新井