この時間は、私の独断と偏見で、アメリカに(BEAMS PLUS)纏わる映画を新旧問わず紹介していきたいと思います。
では、早速。
こんばんは。BEAMS PLUS ロードショーへようこそ。
ナビゲーターを務めさせて頂きます、コヴです。
今宵も、新旧問わずアメリカ(BEAMS PLUS)に纏わる映画をご紹介。
第120回目はこちら
『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデー』(2021)
監督:リー・ダニエルズ
出演:アンドラ・デイ / トレヴァンテ・ローズ / ギャレット・ヘドランド / ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ / ローレンス・ワシントン / ナターシャ・リオン
あらすじ:
1943年、公民権運動の黎明期。政府は公民権運動を扇動するとして大ヒットしていた歌「奇妙な果実」と大人気のジャズシンガー、「ビリー・ホリデイ」をターゲットにし公民権運動を潰そうと試みる。しかし彼女の圧倒的なパフォーマンスに人気は上がっていくばかりだったが、その裏で薬物とアルコールが彼女を蝕んでいくのだった……
現在でも様々なシンガーがカヴァーしたり、ラッパーがサンプリングする「奇妙な果実」。これは1930年代初頭に作詞作曲され、1939年には当時、クラブの専属歌手であったビリー・ホリデイがレパートリーに加えたそうです。
歌詞はかなり衝撃的なので、興味のある方はご自身で調べて頂ければと思いますし、そうする事で曲名の「奇妙な果実」とは何の事を指しているのかが分かると思います。
映画では当時の社会情勢もそうですが、黒人であり女性という事での更なる差別や同胞からの偏見も描いています。しかしそれらに屈する事なくエンターテイナーとしてステージから歌を伝えたいという強い気持ちが伝わってくると同時に、絶対に良くない事ですが薬物に逃げてしまうくらい辛かったのだろうという事も思いました。
映画の最後にも出てきますがやっと「エメット・ティル・反リンチ法案」が成立したとはいえ、映画の時代から100年近くが過ぎている現在でもまだまだ様々な差別がアメリカだけではなく世界中にある事、アメリカでまだまだこの「奇妙な果実」が歌われている現状は本当に悲しい事だと思います。
映画のテーマは重い物ですが、劇中でビリー・ホリデイを演じている実際に歌手でもある「アンドラ・デイ」の歌声が素晴らしいですし、曲自体も素晴らしい物が多いので、観終わった後にサウンドトラックや実際のビリー・ホリデイの歌声を聞くのも良いのではないでしょうか?
それではここからは衣装を見ていきましょう。
劇中で重要な登場人物であるジミー・フレッチャーというキャラクターが最初は復員したばかりで軍服で登場するのですが、二度目のシーンでライトグレーの「シャギードッグ」のセーターをシャツの上に着てスラックスを履いて登場します。何てことはない着こなしなのですが、とても上品で格好良く映りました。
今、現在は真夏なのでまだ入荷はしていませんが、ビームス プラスをよくご存知の方であれば「シャギードッグ」と聞くだけで定番のあのセーターが思い浮かぶのではないでしょうか?
勿論、今年の秋冬シーズンも入荷して参りますので、映画を観て頂いてイメージを膨らませてお待ち頂ければと思います。
それでは『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』どうぞお楽しみ下さい。
コヴ