BEAMS PLUS ロードショー 第287夜

コヴ 2025.10.04

この時間は、私の独断と偏見で、アメリカに(BEAMS PLUS)纏わる映画を新旧問わず紹介していきたいと思います。

では、早速。


こんばんは。BEAMS PLUS ロードショーへようこそ。

ナビゲーターを務めさせて頂きます、コヴです。

今宵も、新旧問わずアメリカ(BEAMS PLUS)に纏わる映画をご紹介。

第287回目はこちら


『オール・ザ・キングスメン』(1949)

監督:ロバート・ロッセン

出演:プロデリック・クロフォード / ジョン・アイアランド / ジョーン・ドルー / ジョン・デレク / マーセデス・マッケンブリッジ / シェパード・ストラドウィック

あらすじ:

カノマ市の実直な下級役人だったウイリーは地元政治家の腐敗を正すべく財務官に立候補していたが落選してしまう。しかし彼は民衆に腐敗の実態を伝え続け、徐々に人気を得ていく。そんな時に彼を州知事選の「スポイラー候補」として擁立する動きが出てきて……

映画のタイトルの「オール・ザ・キングスメン」とは英語の動揺のハンプティ・ダンプティの詩の一部で、直訳すると「全ての王の家来たち」という意味ですが、この言葉自体に由来や意味がある言葉だそうで、「どんな権力や力があっても一度壊れたものは元に戻せない」という意味なのだそうです。

この映画自体は実直だった役人が権力を持つことによって自らも腐敗、堕落していく話なのですが、タイトルの意味を考えると二度と元に戻せない物とは何だったのかを考えさせられる映画でした。

このウイリーは自分に有利になるような裏工作をしたり、自身の保身や自身の賄賂の為に様々な手を尽くします。その反面、公約としてあげていた道路や学校の整備したり、高度な医療体制の病院を作り医療費を無償にしようとしたりと住民の為にも動くので、住民からの人気は相当高い知事です。

どちらの面もこのウイリーという人物を表しており、清濁併せ吞む人物として描かれます。そして民衆を扇動する事にも長けております。この映画を観ていてある政治家を思い出しました。その方も毀誉褒貶の激しい方だったそうです。

そしてこの映画の中で行われている民衆に対する扇動を観ていると現在に通じるところがあり正直怖くなりまし、そんなところも含めて今のタイミングで観て色々と考えさせられる作品だと感じました。

それではいつも通り衣装を見ていきましょう。

今作は白黒作品で色が分からないのですが主人公であるジョン・アイアランド扮するジャック・バーデンが着ているたぶんハリスツイードのジャケットや後半で着ているトレンチコートは相当格好良くて、着こなしのお手本になると思いました。

時代設定は1940年代なのでスーツのラペルの幅が大きく、それに伴いネクタイの大剣もかなり幅が広く短くなっているのもこの時代の特徴だと思います。

余談ですが、この白黒作品を観ていつも思うのはカラーだったらもっと洋服の細かいディティールまで分かっていいだろうなという事です。最近だとAIで色を付ける事も出来そうですが、それはそれで信用が出来ないので(勝手な思い込みですが)もっと早くカラーになっていればと思う事が多いです。

ここからは今週のBEAMS PLUSのアイテム紹介です。



ビームス プラス / ワーク ライトツイル ピグメント コーティング
カラー:レッド、グリーン、ブルー
サイズ:S,M,L,XL,
価格:¥30,800(税込)
商品番号:38-11-1662-139

こちらは昨日発売となった新アイテムです。

ベースは1950年代のアメリカのストアブランドのワークシャツで、脇のガゼットやメインの縫製は三本針の巻縫いと本格的なディティールが特徴です。

まずライトウエイトのツイルに顔料でコーティングしその生地を使ってシャツを作り、そのうえで顔料のコーティングを落とすような、剥がしていくような強めのハードウォッシュをかけてこの表情を出しています。

ですので着古した雰囲気はあるものの色の鮮やかさは残っているので、暗くなりがちな秋冬のコーディネートのワンポイントとしてかなり重宝しそうです。1枚で着て主役になるシャツではありますが、もっと寒くなってくればデニムジャケットやチョアジャケット等のワークアイテムとの相性は抜群ですし、敢えてカウチンセーターやフィッシャーマンセーターのインナーとしてもカラーがポイントになって良いと思います。

生地自体が薄手なのでインナーで着ていただいてもモコモコにならずにすっきり着ていただけます。

正直、どのカラーも在庫は少なめなので、気になる方は早めに問い合わせていただければと思います。

それでは『オール・ザ・キングスメン』お楽しみ下さい。

コヴ